女神のチョンボで異世界に召喚されてしまった。どうしてくれるんだよ?

よっしぃ

文字の大きさ
584 / 600
新たな領地運営と人材

第583話 一足先に領地へ戻る

しおりを挟む
俺はクシーさんに後を託し、素材集めの舞台をその場に残して帰還した。
ミルテも一緒だ。
あ、ちなみに80層のボス部屋でボスを仕留めてから戻ったんだがな。

そして、俺はヴィキューナをはじめ、いろんな素材を工場に置きに行った。

・・・・
・・・
・・


「・・・・という訳で、これがダンジョン産ヴィキューナだ!」

今工場の素材を扱う場所に、ドンドン素材を出している。

それをミルテが一生懸命仕分けしている。
仕分けた傍から、必要な素材が担当者によって運ばれていく。

何せ持ち込んだのが俺だからな、買取とかの面倒な事は一切なし。

ただ、ヴィキューナは・・・・布を扱う面々も遠巻きに眺めるだけだ。
「おいどうした?君の担当だろう?」

俺は布を作り前の糸をつむぐ係のメンバーに声をかける。
「あ・・・・その・・・・私、ヴィキューナって扱った事が無くて、自信無いです・・・・」

あ・・・・そうか、高級素材だし、滅多に出回らないから、こういう事もあり得るのか。

仕方ない、イベッテに確認・・・・三津枝の方がいいか?

そう思っていると、イベッテが目に入った。
「イベッテ、ちょっといいか?」

「あら?もうダンジョンからお帰りですか?」

「ああ、すまんがヴィキューナを扱える職人はいるか?」

「え?ヴィキューナですか?あの馬っぽい生き物の?」

「ああ・・・・糸をつむぐ担当に聞いたら、扱った事がなく、自信がないと言われた。」

「まあ・・・・あ、別の部署に布を扱う職人がいるので、そちらで確認しましょうか?」

「ああ、頼む・・・・」

俺はヴィキューナを回収し、イベッテの後を進む。

暫くすると、絹の機織り部門にやってきた。

イベッテが誰かと話している。
「あ、領主様、ヴィキューナでございますか?」

一寸年齢の高めな女性だ。40半ばぐらいか?
「ああ・・・・あんたはヴィキューナを扱えるのか?」

「一応何度か扱った事がございますよ。これでございますか・・・・」

俺は手にしていたヴィキューナを渡す。

しばらく眺めているその女性は・・・・
「流石でございますね。とても良いヴィキューナでございます。領主様は高レベルの採取持ちでしょうか?」

そうだっけ?
「そんな気もするが・・・・何せ、俺以外ではなかなか見つけられない素材もあるからな、きっとそういうものなんだろうな?」

「なるほど・・・・ヴィキューナをお預かりしてもよろしいでしょうか?」

「ああ、頼む。その机の上に置くから、後は任せる。」

「畏まりました。それで、用途はいかがなさいますか?」

「そうだな・・・・コートもいいし・・・・と言うか何か案があるなら、任すが?」

「コートもようございますが・・・・やはりここは女性向けの、ストールやそうですね・・・・ジャケットもよろしいかと。」

「まあ、任す。ストールは・・・・先に一つ確保しとこう。佐和が欲しいと思うからな。」

「まあ、奥様へのプレゼントでございますか?」

「ああ、あっちで持ってたらしいからな。」

「畏まりました。持てる能力を最大限に発揮し、最高の布地にして見せます。」

「ああ、頼む。ただ、無理はするな。それと、失敗してもまた素材は手に入るからな。」

「お心遣い感謝いたします。」

さあ・・・・出来上がりが楽しみだ。

「あ、もういかな?」

「ああイベッテ、すまないな。」

「今お時間は?」

「あ?ああ、何かあるのか?大丈夫だぞ?」
「それはよかった・・・・最近ご無沙汰ですからね、ささ、行きましょ?」

そうだっけ?そう思いつつ、イベッテと手をつなぎ、どこかへ向かった・・・・
何処へって?察しろよ?
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?

八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ 『壽命 懸(じゅみょう かける)』 しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。 だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。 異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?

処理中です...