五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ

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第205話:才媛たちの湯浴みと、友情の誓い

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 クラウディアが率いる教師団が加わったことで、アキオの町の「学び舎」は、これまでにないほどの活気に満ちていた。クラウディアは、その明晰な頭脳と快活な人柄で、すぐに町の子供たちや父兄たちの信頼を勝ち取り、教育環境は飛躍的に向上していく。

 しかし、その一方で、彼女は旧友である凛が、アキオの秘書官として、町の運営、特に「荒くれ共」の更生プログラムの管理や、ヴァルト子爵領との調整といった膨大な仕事に忙殺され、心身ともに疲弊していることに気づいていた。
「凛、少しは休みを取ったらどう? 貴女、昔から根を詰めすぎる癖があるのだから。ねえ、町の自慢の温泉に、今夜二人で行かない? 昔みたいに、ゆっくり語り合いましょう」
 凛は、親友からの優しい誘いに、少し戸惑いながらも、その申し出を受け入れた。

 その夜、二人きりで貸し切りにした「生命の湯」。湯けむりの中、二人は王都の学府にいた頃の思い出や、互いのライバルとしての矜持、そして深い友情について語り合った。
「それにしても、あなたがあの凛々しい村長様の第五夫人になるなんて、今でも信じられないわ。あれほど男性を嫌っていたのに」
 クラウディアの気兼ねない言葉に、凛は湯の中で膝を抱えた。
「…クラウディア。わたくし…」
 クラウディアの優しい眼差しに、凛はこれまで誰にも打ち明けられなかった、自らの過去のトラウマ――有力貴族からの暴力と、それによって心身に負った深い傷について、涙ながらに告白した。そして、この町に来て、アキオの深い優しさと、彼の「生命の祝福」によって、その傷が癒やされたことも。

 クラウディアは、親友の壮絶な過去を知り、怒りと悲しみに震えながらも、凛を力強く抱きしめた。
「そう…そんな辛いことがあったのね、凛。よく…本当によく、一人で耐えてきたわね。でも、もう大丈夫よ、凛。貴女は一人じゃない。これからは、私がそばにいるから」
 親友の温かい腕の中で、凛は長年溜め込んでいた心の澱を、全て涙と共に流し出した。

 湯から上がった後、クラウディアは凛を自室へ誘った。
「今夜は、私の部屋で一緒に休みましょう。昔、試験勉強の時にしたみたいに、夜通しおしゃべりでもしながら」
 凛は、その申し出に、心の底からの安らぎを感じて頷く。その夜、二人は一つのベッドで、他愛ない話をしたり、あるいはただ静かに互いの存在を感じたりしながら、穏やかな眠りについた。
 アキオの町で再会した二人の才媛は、こうして、かつて以上の、滅茶苦茶仲が良い、何でも分かち合える親友としての、新しい絆を結び直したのだった。
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