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第287話:聖域の湯浴み、そして新たなる祝福
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エルドリアから、セレスティーナとレオノーラ、そしてその子供たちが駆けつけてきたことで、アキオの新・中央館は、これまでにないほどの、賑やかさと、そして華やかな空気に満ちていた。王家との会談という、大きな問題を前に、アキオは、まず、このかけがえのない家族との時間を、何よりも大切にしたいと考えていた。
その日の午後、アキオは、妻たちと、そして歩けるようになった子供たち全員を連れて、新しく完成した、一家専用の大浴場へと向かった。
「うおおお! ひろーい!」「きゃはは、まってー!」
アルスやリク、アサヒといった男の子たちは、その広大な湯船に、歓声を上げて飛び込んでいく。ステラやエルザといった女の子たちも、母親に手を引かれながら、楽しそうに湯と戯れている。まだ歩けない、小さな子たちは、ユメや、町の若い女性たちが「子守役」として、隣接する休憩室で、責任を持って預かってくれている。
アキオは、そんな子供たちの姿を、湯船に浸かりながら、目を細めて見つめていた。その隣には、シルヴィアやアウロラ、キナたちが、穏やかな笑みを浮かべて寄り添っている。それは、彼が夢にまで見た、大家族の、幸せな日常そのものだった。
その夜。子供たちが、満足しきった顔で眠りにつくと、アキオの寝室の扉を、そっと叩く者がいた。セレスティーナとレオノーラだった。
「あなた…今宵は、わたくしたちと、共に過ごしていただけませんか…」
「アキオ…エルドリアにいる間、ずっと、お前の温もりが恋しかった…」
妊娠初期の身でありながら、愛する夫のために、そして家族の危機のために、遥々駆けつけてくれた二人の妻。その、いじらしいまでの愛情に、アキオが応えないはずはなかった。
その夜、三人は、明け方まで、何度も、深く、そして優しく愛し合った。それは、ただの肉欲の交歓ではない。遠く離れていても、自分たちの魂は、常にアキオと共にあり、そして、これからも、永遠に一つであるということを確かめ合う、神聖な誓いの儀式だった。
翌日、アキオが、少しだけ寝不足の頭で、執務室で凛やクラウディアと、王家への対策を練っていると、慌ただしい足音と共に、ヴァルト子爵が駆け込んできた。
「アキオ殿! 大変だ! スタンフィールド侯爵閣下より、正式な日程が通達された!」
子爵が差し出した羊皮紙には、十日後、侯爵領の都で、王家の名代を交えた、公式な会談の場が設けられる、と記されていた。
「そして、もう一つ…信じられん報せだ。陛下は、この会談の場で、アキオ殿を、聖域の領主として、正式に叙任される、と。…それも、男爵ではない。侯爵閣下の強い働きかけにより、いきなり『伯爵』の位を、お与えになるそうだ…!」
平民から、いきなり伯爵へ。その、前代未聞の叙任は、王家が、アキオを、いかに重要人物として、そして、懐柔すべき相手として見ているか、という、何よりの証拠だった。
そして、その報せがもたらされた、まさに同じ時。
新・中央館の庭で、もう一つの奇跡が、静かに起きていた。
先日、アキオが、妻たちと共に植えた、「神聖なる実」の種。その場所から、眩いほどの、虹色の光が溢れ出し、一本の、水晶のように透き通った、神々しい芽が、天を目指して、ゆっくりと顔を出したのだ。
その、あまりにも聖なる光景に、庭にいた妻たちは、息をのむ。
さらに、奇跡は続いた。
町の森との境界線。町の守護者である、三頭の若い聖獣たちが、何かを歓迎するかのように、嬉しそうな鳴き声を上げた。彼らの視線の先、森の木々の間から、一頭の、角が芽吹いたばかりの、子鹿のような、新しい聖獣が、おずおずと、しかし、迷いのない足取りで、姿を現したのだ。
アウロラの近くにいることの多い、成体の聖霊獣は、その新しい同胞の誕生を、まるで我が子を見るかのように、愛おしそうに見つめていた。
王家との対決という、大きな試練を前に、アキオの聖域は、その祝福の力を、さらに増大させていた。新しい命の誕生、新しい守護者の出現、そして、新しい聖樹の胎動。
アキオは、その全ての奇跡を、自らの家族と、仲間たちと共に、真正面から受け止める覚悟を、改めて、固めるのだった。
その日の午後、アキオは、妻たちと、そして歩けるようになった子供たち全員を連れて、新しく完成した、一家専用の大浴場へと向かった。
「うおおお! ひろーい!」「きゃはは、まってー!」
アルスやリク、アサヒといった男の子たちは、その広大な湯船に、歓声を上げて飛び込んでいく。ステラやエルザといった女の子たちも、母親に手を引かれながら、楽しそうに湯と戯れている。まだ歩けない、小さな子たちは、ユメや、町の若い女性たちが「子守役」として、隣接する休憩室で、責任を持って預かってくれている。
アキオは、そんな子供たちの姿を、湯船に浸かりながら、目を細めて見つめていた。その隣には、シルヴィアやアウロラ、キナたちが、穏やかな笑みを浮かべて寄り添っている。それは、彼が夢にまで見た、大家族の、幸せな日常そのものだった。
その夜。子供たちが、満足しきった顔で眠りにつくと、アキオの寝室の扉を、そっと叩く者がいた。セレスティーナとレオノーラだった。
「あなた…今宵は、わたくしたちと、共に過ごしていただけませんか…」
「アキオ…エルドリアにいる間、ずっと、お前の温もりが恋しかった…」
妊娠初期の身でありながら、愛する夫のために、そして家族の危機のために、遥々駆けつけてくれた二人の妻。その、いじらしいまでの愛情に、アキオが応えないはずはなかった。
その夜、三人は、明け方まで、何度も、深く、そして優しく愛し合った。それは、ただの肉欲の交歓ではない。遠く離れていても、自分たちの魂は、常にアキオと共にあり、そして、これからも、永遠に一つであるということを確かめ合う、神聖な誓いの儀式だった。
翌日、アキオが、少しだけ寝不足の頭で、執務室で凛やクラウディアと、王家への対策を練っていると、慌ただしい足音と共に、ヴァルト子爵が駆け込んできた。
「アキオ殿! 大変だ! スタンフィールド侯爵閣下より、正式な日程が通達された!」
子爵が差し出した羊皮紙には、十日後、侯爵領の都で、王家の名代を交えた、公式な会談の場が設けられる、と記されていた。
「そして、もう一つ…信じられん報せだ。陛下は、この会談の場で、アキオ殿を、聖域の領主として、正式に叙任される、と。…それも、男爵ではない。侯爵閣下の強い働きかけにより、いきなり『伯爵』の位を、お与えになるそうだ…!」
平民から、いきなり伯爵へ。その、前代未聞の叙任は、王家が、アキオを、いかに重要人物として、そして、懐柔すべき相手として見ているか、という、何よりの証拠だった。
そして、その報せがもたらされた、まさに同じ時。
新・中央館の庭で、もう一つの奇跡が、静かに起きていた。
先日、アキオが、妻たちと共に植えた、「神聖なる実」の種。その場所から、眩いほどの、虹色の光が溢れ出し、一本の、水晶のように透き通った、神々しい芽が、天を目指して、ゆっくりと顔を出したのだ。
その、あまりにも聖なる光景に、庭にいた妻たちは、息をのむ。
さらに、奇跡は続いた。
町の森との境界線。町の守護者である、三頭の若い聖獣たちが、何かを歓迎するかのように、嬉しそうな鳴き声を上げた。彼らの視線の先、森の木々の間から、一頭の、角が芽吹いたばかりの、子鹿のような、新しい聖獣が、おずおずと、しかし、迷いのない足取りで、姿を現したのだ。
アウロラの近くにいることの多い、成体の聖霊獣は、その新しい同胞の誕生を、まるで我が子を見るかのように、愛おしそうに見つめていた。
王家との対決という、大きな試練を前に、アキオの聖域は、その祝福の力を、さらに増大させていた。新しい命の誕生、新しい守護者の出現、そして、新しい聖樹の胎動。
アキオは、その全ての奇跡を、自らの家族と、仲間たちと共に、真正面から受け止める覚悟を、改めて、固めるのだった。
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