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遊び人への弟子入り?

第44話 セシル・ヴァウテルス その3

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 それはつまり、私の成長速度が著しく遅いからだ。

 最近はダンジョンにも行くようになった。
 私の装備は上層で遭遇する魔物相手では、ダメージを受けずに済むほど強固な防御力を誇っているので、今まで一度も怪我を負った事はない。
 パーティーメンバーはなるべく私が一体でも多く魔物を仕留める事を求め、早くレベルが上がるように期待されている。

 こう言っては何だが、私は人の3倍は魔物を仕留めたと思っている。
 25層あたりまでの魔物は何とか一人でも仕留める事ができる。
 因みに26層までは上層、27層から51層までが中層、52層以降は下層と呼ばれているようだ。
 そして70層あたりまでが今までの最高到達地点らしい。

 だがパーティーメンバーは、一刻も早く中層に行きたいらしい。
 どうして中層に行けないのか?
 それは私のレベルが低いせいだ。
 パーティーメンバー全員、最低でもレベル5でないと中層に行けないのだ。
 しかし、見習いがいる場合は例外があり、見習いはレベル2で行ける。
 他のパーティメンバー全員レベル5以上が条件だが。

 普通ジョブを得れば、1ヶ月以内にレベルが上がり、3ヶ月以内にレベル2に達するのが殆どらしい。私が3ヶ月経っても未だレベル1なので、パーティーメンバーは最近私の事を鬱陶しく思っているようだ。

「おいセシル、お前折角いいジョブ引き当てたんだからよ・・・・もっと早くレベル上がらねえのか?」

「ごめんなさい・・・・」

 神聖騎士の固有スキルは【大器晩成】

 それに通常のジョブに比べ、3倍の経験が必要なようで、このせいで私はどれだけ魔物を仕留めてもレベルが上がらない。

 期待してくれていたパーティーメンバーも、最近は足を引っ張っている私に冷たく扱ってくる。

 どうしろと?

 そんなある日クランで何かあったようで、クランメンバー同士が色々と話をしている。

「聞いたか?ダンジョンで遊び人狩りを行うんだってさ。」
「え?ダンジョンで?何でだよ?」
「そんなの知るかよ?だけどな、どうやら今回は司祭様の肝いりらしいぞ?厄介な遊び人がいるらしく、ダンジョンで始末しないと今後色々問題があるんだってよ?」
「何だよ色々って?」
「さあ・・・・?色々って言ったら色々だ。」
「面倒だな・・・・それにな・・・・を・・・処分・・・・らしい・・・・」
「え?まじ?いくらなんでもそれは・・・・」
「ダンジョンってのは、色々あるだろ?事故や、魔物相手にダンジョンで人が死ぬってのもよくあるしさ。」

「うわまじかよ・・・・期待していたんだろ?」
「だが・・・・今やお荷物状態。変に縁を切れねえしさ・・・・」
「そうか・・・・可哀想だが仕方ねえな。」

「セシル、こんな所にいたか。ダンジョンだ。今からダンジョンに向かう。用意を急げ。」

 ・・・・遊び人狩りですか?
「いつでも出られます。」
 いつもの荷物は、纏める時間がない。今まで使わなかったし、今回は置いていこう。
「そうか・・・・じゃあ外で待ってな。」
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