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ダンジョンに取り残される

第46話 ダンジョンに取り残される

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 いったいここはどの階層なのでしょうか。
 どこまで落下したか分かりませんし、穴を見上げると辛うじて針の先ほどぐらい小さな光が見えています。
 つまり相当落下してしまった、とみるべきです。

 たぶん10層付近からの落下。
 魔法をかけなおすまでにそれなりの時間を要してしまったので、たぶん50層より下でしょう。

 そして、運がいいのか悪いのか、安全地帯に落下したようです。
 ただ、どうやらこの安全地帯、昔何かあったようで魔法陣があると思う場所の前に、壁だったのか、岩なのか、瓦礫が行く手を塞いでいます。
 階段には移動できるので、まだいいのですがどうしよう。

 今僕は、落下してきた女性・・・・どうやら女の子?を建物の中へ何とか運び、ベッドがあったのでそこで寝かせています。

 鎧を外したかったのですが、どうやって装着しているかさっぱりわからず、外し方もさっぱりわからなかったので、そのまま寝かせています。
 ヘルメットもそうです。
 取れなかったんです。
 どうなっているんだろう。

 そして、現状大いなる問題があります。
 このままでは脱出できないのです。

 何とかロープは・・・・元が毛糸のパンツだった・・・・それを加工したロープと、元々持っていたロープの一部は手元に残りましたが、これを使って上に行くのは難しい状況です。何故かと言えば・・・・
 上を見ると、2層ほど上の穴を、何かが飛び交っているからです。
 飛行型の魔物?ただ、このダンジョンの構造から考えれば、魔物は今いる場所から一つ上のはず。さらにその上・・・・何か魔獣?が飛んでいる?
 これが低い階層、つまり上層だったら何とかなりそうでしたが、想定よりも下の階層だった場合、今の僕では対処は難しそうです。そしておそらくここは中層でも下の方。

 まあこの建物、どういう訳か風呂やトイレもありますし、水・・・・風呂はお湯も出ます。飲み水には不自由しなさそうなので、ひとまず安心なのですが、厄介なのは食糧です。
 ダンジョンで得られればいいのですが。
 そしてもう一つの問題、目の前で気を失っている女性・・・・女の子?
 落下してきた時、ちらっと見えましたが、誰か他に冒険者がいた様子。
 あまり考えたくありませんが、その冒険者に突き落とされた?
 そしてそのタイミングです。
 彼女を突き落とし、僕に当てて落としてしまおう、そう思えるほど見事なタイミング。

 彼女の目が覚めたら、話を聞きましょう。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

「う・・・・うーん・・・・」

 あ、目が覚めそうですね。

 暫くして、もぞもぞし始める目の前で寝ていた女の子。
 ヘルメットをしているので、表情は分かりません。
 どうやらキョロキョロしているようです。
「あ、気が付きましたね?」

 しまった!驚かせてしまったようです。
「僕はデルクといいます。何処か怪我をしていませんか?」
 一応自己紹介ぐらいはしないと。
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