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新たな仲間と共に

第99話 デルクの出番がない

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 94層。
 デルクは一度この階層で戦っていましたから、94層の魔物に関して、強さはどの程度なのかは確認済み。
 リビングアーマー。
 恐らくレベル8相当。

 デルクのとんでもレベルで無双してしまっていたので、実際確認済みは当てにならない。

 そして今、4人は94層なのだが・・・・

「とう!!!!」

 レイナウトが剣に魔力を込め、リビングアーマーに向かっていく。
 そして剣がリビングアーマーに触れたか触れないか、そんな感じで剣を振りぬいたのだが、リビングアーマーは真っ二つ。

「凄い!!!」

 剣の切れ味に驚くレイナウト。
 実際、剣自体はリビングアーマーに触れていないのだが・・・・

「えい!」
 可愛らしい掛け声とともに、セシルが剣を振りぬく。

 こちらは最初からスキル?魔法?
 剣から何かが飛んでいき、それに触れたリビングアーマーはやはり真っ二つ。

「よし!」

 何とも可愛らしい仕草で握りこぶしを腰あたりに持っていきグッとする。
「やーっておしまい!!!」

 何だかロースの言い方が悪者っぽく聞こえるが、ロースに召喚された精霊が一斉にリビングアーマーを襲っていく。

 リビングアーマーは精霊を迎え撃とうとするが、その剣はむなしく宙を舞い、リビングアーマーはあっという間に精霊にのみ込まれ、気が付けばドロップアイテムになっていた。

「ヤッター!!!」
 ・・・・あれ?何だか僕空気?

 デルクは気が付いた。
 この場に自分がいてもいなくても、魔物は全滅するだろう、と。

 そして気が付いていないのが、3人の実力が装備によるものなのか、レベルが上がったからなのか・・・・

 暫くすると、動いているのは4人だけとなり、周囲に敵はいなかった。

「みんな凄い!」

 デルクは3人がここまで戦えるとは思っていなかったので、ただただびっくり、そして想定外に3人の実力が凄かったので喜んでいる。

「デルクの剣、凄い!」
 セシルの声はご機嫌です。

「いや、セシルの実力だよ。剣はセシルの力をほんの少し引き出しているだけだから。」

 セシルの剣には属性はありません。無属性。
 それ故の魔力を剣に込めて放つ斬撃。
 デルクはただただセシルのセンスに驚くのだった。
 そしてレイナウトが、

「この剣は素晴らしいよ!まるで自分の一部みたいだ!まるで手と剣が同化しているみたいだよ!」

 いや、レイナウトのセンスでしょ?
 セシルもそうだけど、戦闘職の上位職は流石!だと。

 そしてロース。
「流石だねぇ。」

 精霊達を褒めているようです。
「あ、デルク!何この杖。精霊達の声が聞きやすいのよ!それに精霊の考えが凄く伝わるの!」

 今までどうやって精霊を召喚し、使役していたのかな?
 3人共新たな武器は概ね気に入ってくれたようです。
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