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デルク
第295話 セシルの幸運
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セシルは元々運がなかった。
そして幼少時からお世辞にも幸せな人生を歩んでいるとは言い難い、いわゆる不幸を背負っているような女の子だった。
だがセシルは持ち前の性格なのか、その事に関して一切の文句を言った事がない。
周囲の他の子供と比べ、明らかに劣る自身の環境。
そんな中セシルは自分の出来る範囲で努力をしてきた。
残念ながらセシルは器用な方ではなかったので、ひとつ覚えるのに人の3倍もの時間がかかってしまっていた。
だが一度覚えてしまえば決して忘れる事のないというセシルの強みもあり、徐々に力をつけていった。
そんなある日・・・・セシルが9歳の時、転機が訪れた。
選定の日である。
本来ならば10歳を待たねばならないが、丁度赤の日。
この時に選定を受ければより良いジョブを得られる確率が上がるので、上は12歳程から、下は8歳程までが赤の日に選定を受ける。何せ5年に一度の貴重な時だからだ。
そんな時セシルは、自分の前に神童と言われていた少年の姿を見た。
彼は周囲の期待を一身に背負い、一体どんな職業に就けるのだろうと、特に司祭様が注力していた。
司祭様の秘蔵っ子。
だがその期待はあっさり裏切られた。
遊び人を選定してしまったからだ。
セシルも遊び人については聞いた事がある。
よくわからないが教会が目の敵にしているという。
セシルも人伝にデルクと言う目の前にいる少年がその危険性を認識し、万が一遊び人を選定してしまった場合の対処法を周囲の・・・・主に私塾に通う生徒に伝えていた事を。
セシルも一応頭に入れてはいたのだが・・・・
あろう事かこの少年は3回も選定を受け、全てが遊び人・・・・
そして去って行った。その後、誰が最初に選定を受けるかで一悶着があった。
何せ3度も遊び人を引いた後だ。
次も遊び人になるのではないか?
そう思い誰もが嫌がった。
そして白羽の矢がセシルに立った。
不幸な少女であると周囲が認識していた彼女ならいいだろう、と。
勿論セシルも知っていたが、知らない振りをして選定を受けた。
その結果・・・・
神聖騎士と言う、選定を受けて得られるジョブのうち、最も上位の1つとされる超レアなジョブを射止めた。
その日から周囲のセシルに対する扱いは変わった。
自分はやっと日の目を見、今までの不幸から脱却し、幸運をつかんだのだ・・・・
そう思ったのもつかの間、実際は幸運などではなく、期待されていただけにその成長速度の遅さから徐々に煙たがれ、やがて捨てられるという憂き目に遭ってしまう。
ダンジョンの大穴から突き落とされたのだ。事故で死んだ事にしてしまおうという算段。
「きゃあーーーー!!!!!!」
セシルは体を浮かせたりする魔法は使えなかった。
落下に身を任せるしかない。
どこまで続くか分からない大穴。
奈落の底とも言われるその穴の底にそのまま自分の身体は叩きつけられるのだろうか?いや、その前に遊び人狩りのターゲットにぶつかりそう。
ごめんなさい。
自分だけではなく赤の他人まで不幸にしてしまう・・・・
大方の狙い通り、セシルはその見知らぬ人にぶつかってしまう。
しかしセシルには幸運の女神が付いていたのか、セシルは知らずその幸運をつかんだ。
いや、相手に掴んでもらったのだが、その後必死にしがみ付いた。
この日を境にセシルの運命は変わった。
運命の人。
セシルは気が付いた時そう感じた。
何せ目の前にはいつか見た神童と言われた少年がいたからだ。
デルク・コーネイン
セシルより1つ年上の少年。
この日よりセシルはデルクと共にずっと生きようと決心をした。
・・・・
・・・
・・
・
「セシル、どうしたの?」
「デルク、一寸思い出していたんだ。」
「そう?よくわからないけれど、ヘールトがぐずっているんだ。」
「それはすまない。ヘールト、母ですよ。」
「マー!!!!」
セシル19歳。
17でデルクと結ばれ、約1年前にヘールトと言う息子を授かった。
2人の愛情を一身に受け、すくすくと育っている。
将来コーネイン伯爵となる予定。
「それと、一寸出掛けてくる。」
「いよいよ教会と?」
「たぶんそうなんだろうね。遊び人部隊はしっかりと育っているし、教会からのちょっかいは日を追う毎に悪質になっていくし・・・・」
最近の嫌がらせは、主要街道に肥え・・・・つまり人糞だが、それをぶちまけたり、城壁を臭くしたりと姑息な嫌がらせを頻繁に行うようになった。
しかしこれは真の目的から目をそらさせるための陽動ではないかとの・・・・あの陛下からの指示があって、そろそろ時が満ちたという事らしい・・・・
「気を付けて。」
「うん。油断はしないよ。では行ってきます。」
デルク20歳。いよいよ遊び人部隊を率い皇国へ?
そして幼少時からお世辞にも幸せな人生を歩んでいるとは言い難い、いわゆる不幸を背負っているような女の子だった。
だがセシルは持ち前の性格なのか、その事に関して一切の文句を言った事がない。
周囲の他の子供と比べ、明らかに劣る自身の環境。
そんな中セシルは自分の出来る範囲で努力をしてきた。
残念ながらセシルは器用な方ではなかったので、ひとつ覚えるのに人の3倍もの時間がかかってしまっていた。
だが一度覚えてしまえば決して忘れる事のないというセシルの強みもあり、徐々に力をつけていった。
そんなある日・・・・セシルが9歳の時、転機が訪れた。
選定の日である。
本来ならば10歳を待たねばならないが、丁度赤の日。
この時に選定を受ければより良いジョブを得られる確率が上がるので、上は12歳程から、下は8歳程までが赤の日に選定を受ける。何せ5年に一度の貴重な時だからだ。
そんな時セシルは、自分の前に神童と言われていた少年の姿を見た。
彼は周囲の期待を一身に背負い、一体どんな職業に就けるのだろうと、特に司祭様が注力していた。
司祭様の秘蔵っ子。
だがその期待はあっさり裏切られた。
遊び人を選定してしまったからだ。
セシルも遊び人については聞いた事がある。
よくわからないが教会が目の敵にしているという。
セシルも人伝にデルクと言う目の前にいる少年がその危険性を認識し、万が一遊び人を選定してしまった場合の対処法を周囲の・・・・主に私塾に通う生徒に伝えていた事を。
セシルも一応頭に入れてはいたのだが・・・・
あろう事かこの少年は3回も選定を受け、全てが遊び人・・・・
そして去って行った。その後、誰が最初に選定を受けるかで一悶着があった。
何せ3度も遊び人を引いた後だ。
次も遊び人になるのではないか?
そう思い誰もが嫌がった。
そして白羽の矢がセシルに立った。
不幸な少女であると周囲が認識していた彼女ならいいだろう、と。
勿論セシルも知っていたが、知らない振りをして選定を受けた。
その結果・・・・
神聖騎士と言う、選定を受けて得られるジョブのうち、最も上位の1つとされる超レアなジョブを射止めた。
その日から周囲のセシルに対する扱いは変わった。
自分はやっと日の目を見、今までの不幸から脱却し、幸運をつかんだのだ・・・・
そう思ったのもつかの間、実際は幸運などではなく、期待されていただけにその成長速度の遅さから徐々に煙たがれ、やがて捨てられるという憂き目に遭ってしまう。
ダンジョンの大穴から突き落とされたのだ。事故で死んだ事にしてしまおうという算段。
「きゃあーーーー!!!!!!」
セシルは体を浮かせたりする魔法は使えなかった。
落下に身を任せるしかない。
どこまで続くか分からない大穴。
奈落の底とも言われるその穴の底にそのまま自分の身体は叩きつけられるのだろうか?いや、その前に遊び人狩りのターゲットにぶつかりそう。
ごめんなさい。
自分だけではなく赤の他人まで不幸にしてしまう・・・・
大方の狙い通り、セシルはその見知らぬ人にぶつかってしまう。
しかしセシルには幸運の女神が付いていたのか、セシルは知らずその幸運をつかんだ。
いや、相手に掴んでもらったのだが、その後必死にしがみ付いた。
この日を境にセシルの運命は変わった。
運命の人。
セシルは気が付いた時そう感じた。
何せ目の前にはいつか見た神童と言われた少年がいたからだ。
デルク・コーネイン
セシルより1つ年上の少年。
この日よりセシルはデルクと共にずっと生きようと決心をした。
・・・・
・・・
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・
「セシル、どうしたの?」
「デルク、一寸思い出していたんだ。」
「そう?よくわからないけれど、ヘールトがぐずっているんだ。」
「それはすまない。ヘールト、母ですよ。」
「マー!!!!」
セシル19歳。
17でデルクと結ばれ、約1年前にヘールトと言う息子を授かった。
2人の愛情を一身に受け、すくすくと育っている。
将来コーネイン伯爵となる予定。
「それと、一寸出掛けてくる。」
「いよいよ教会と?」
「たぶんそうなんだろうね。遊び人部隊はしっかりと育っているし、教会からのちょっかいは日を追う毎に悪質になっていくし・・・・」
最近の嫌がらせは、主要街道に肥え・・・・つまり人糞だが、それをぶちまけたり、城壁を臭くしたりと姑息な嫌がらせを頻繁に行うようになった。
しかしこれは真の目的から目をそらさせるための陽動ではないかとの・・・・あの陛下からの指示があって、そろそろ時が満ちたという事らしい・・・・
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