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デルク

第296話 素朴な疑問

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 僕とレイナウト、そしてヴィーベさんの3人は、トゥーニスさんと共に陛下の元へ向かいました。

 しかしながら・・・・今更だけど、陛下って確か自らを国王ヴィッテヴェーン16世と名乗ってたけど、どこかで見たのですが、時々陛下の名前がシーグヴァルドとなっているのです。

 陛下のフルネームはアウフスタイン・シャーク・ノルベルト・ルドルフ・ヴィッテヴェーン

 シーグヴァルドってどこから来たのだろう?
 
 陛下の本名にシーグヴァルドと言うのはありません。
 しかしこれは何らかの理由があるのでは?
 まさかと思いますが、本当はシーグヴァルドも名前の一部で、本人の名前ってもっと長いとか?

「何?シーグヴァルドってどう言う事だ?なかなか面倒な事を聞くな、デルクは。」
 今更知っても、と思うのですが、何故か妙に気になってしまって。

「ああ、それだがな、元々シーグヴァルドと名乗っていたのだよ。それも大昔の話だがな。」

 途中で名を変えたって事ですか?

「もう300年か400年ほど前の話だし、本当の所どうなのかはもはやわからぬようだが、最初の国王はシーグヴァルドという名だったようだ・・・・つまりシーグヴァルドと最初に名乗った俺のご先祖様の事だが、当時はヴィッテヴェーンと言う姓ではなかったようだ。」

 国の名もヴィッテヴェーン
 この都市の名も城の名もヴィッテヴェーン

 もしかして冒険者時代にそう名乗っていたの?

 何でだろう?

「ぶっちゃけ俺も知らんのだ。まあ、何かがあって改姓したのだろう。」

 もっと掘り下げて聞きたかった気もしますが、もう謁見の間です。

 今はもう、陛下のおふざけは僕達には意味を成さないので、陛下も普通に会って下さいます。

 で、謁見の間に入ると、既に陛下は玉座に座っていました。
 どうやら別の誰かと話しているようです。

 暫くすると終わり、僕達の番に。

 と言うか突然呼び出されたので、今の状況がいまいちわかっていません。

「おおデルクよ!突然呼び出して済まぬな!」

 僕達の前の人はもういいのでしょうか?

「おい親父、いいのかあれ?なんか大事な話だったんじゃねえのか?」

「たいした事はない。皇国の動向を探らせておるんだが、単なるその報告だ。」

 いやそれ大事じゃないですか!
 何せ今から事を構えようとしているのは、皇国なのですから。でも皇国って・・・・国の名前ってなんだろう?皇国としか知りません。

「それより親父、デルクは知りたい事があるようだ。親父は冒険者時代シーグヴァルドって名乗ってるのに、シーグヴァルドって本名に無いのは何でだ?俺も知らんから答えられなかった。」

「・・・・後で話そう。」

 別に教えてもらわなくてもいいのですが、しかもあの陛下の顔を見たら、知らない方が良い気がします。

「それよりいよいよ皇国と事を構えるのか?」
「ああ、いよいよじゃ。どうやら新たな教皇が誕生したらしい。叩くなら今じゃ。」
 え?もしかしてさっきの人が報告してくれたの?

 それにしては呼び出されたタイミングが微妙・・・・

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