レンタル従魔始めました！

騒動

第108話 異変を察知したマルセル

　マルセルは商人ギルドで仕事をしていた。

　2日前にロキュス君から新たなスライムの報告を受けていて、その対応に追われていたからだ。
　注：92話参照

　今回は食べ物関連。
　少し前に【ソーイ】から得られるスライム数体と、【ウィート】から得られるスライム。
　これらはランメルト伯爵様指揮の元、既に増産体制に入りつつあるのだとか。
　軌道に乗る前だったが、王都へ急ぎやって来たらしい。

　そして本日、A級パーティー【幻影神話】の護衛の下、新たなスライムを得たとか。
　臭い消しと何かの甘みがあるスライムだとか。
　これは今後具体的にどう活用していくか調べる必要がありそう。
　まだきちんと増えていないので、僕はこのスライムは預かれていない。
　預かったのは、
　乳白色・黄土色・白茶色のスライム達。

　ソーイやウィートは門の外、街道沿いにも自生しているからそれらを取り込んでもらって増やしてみるか？

　そんな事を考えていると、急に騒がしくなった。
「きゃあ！ど、どうしちゃったの？急にこの子達動かなくなっちゃったわ！次のお客さんに渡さないといけないのに・・・・ってそれどころではないわ！」


　どうやらスライム、特に青いスライムを預かっている職員達から発せられた、悲鳴じみた声のようだ。
　因みに白いスライムは基本トイレに常駐なので、こうした回収はしていない。

「ま、マルセルどどどどうしよう！あんたスライムには詳しいでしょ！ちょっと見てよ！」

「先輩さっきからどうしたんですか？」
「こ、この子達を見て！固まっちゃったのよ！さっきまで元気だったのよ！」
　そう言いつつ、そこには丸くなって完全に固まってしまった青いスライムが。
「え？ちょっと見せて・・・・因みにこの子だけ？」
　その後他のスライムも固まっている事が発覚。
「・・・・この子は動いているわ。確かテイマー君の従魔から直接増えた子よ。」
　ロキュス君が王都にやってきてからも青いスライムは順調に増え、今や100匹体制となっている。
　しかし従魔から増えたスライムは、王都の商人ギルドでは1体のみ。
　我が家にも１体いるから2体しかいないのか？

　この後所謂眷属スライムから増えたスライム・・・・この場合の眷属スライムとはロキュス君が所持している従魔スライムから増えたスライムという事になるのだが・・・・眷属スライムは健在で、そのスライムからさらに増えたスライムは全滅した模様。

　これが後に大きな問題となっていくのだが・・・・一体何が起こったんだ？
　つまりロキュス君か、ロキュス君が所持している従魔スライムに何かが起こったという事か？

　たしか今彼は城の中で王妃様の解呪をしているはずだ。正確には従魔スライムが生み出した解呪専門のスライムなんだが。