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騒動
第107話 鏡の向こう側
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苑囿に到達した国王達。
しかしそこには誰も居なかった。ただ、苑囿の一部が不自然な状態だという事を、この場にいた全員はすぐに気が付いた。
「これはスライムが出てきた穴か?」
国王は家臣が止めるのも聞かず、自ら不自然な場所を確認していく。
「変です。このような場所であれば、ワームが綺麗に地均しを行い元に戻している筈なのです。現に昨日埋めた時には一見何処に埋まっているのかわからない程でした。」
そう答えたランメルトだが、ロキュスがこんな状態で居なくなるはずはない。
そう確信するも、一体何が起こったのか、これでは・・・・その時ランメルトは地面に違和感を感じて、しゃがみ込み目視を。
「陛下!ここで争いが起こったようです。ここでございます!これは血です。」
国王も一緒に見た。確かに血が地面に滴った後のようだ。
「まさかと思うが、これはテイマーの血だと思うか?ランメルトよ。」
「ロキュス殿の従魔には人へ直接危害を加えられる個体はおりません。少なくとも私は知りません。それにロキュス殿は実際非力でございます。とてもではありませんが、護衛をかいくぐり王子を切りつけるなど、無理でございましょう。」
「アルテュールか、護衛のセルファースがテイマーを切ったとみるべきか。しかしもし死んだとして、まず死体が無い。そして件のスライムは何処へ消えたのだ?つい先ほどまで居たのだ。」
この後暫く周囲を探すも特に異変はなく、アルテュール王子に直接確認するしかあるまい、と結論付け、そのまま一行はアルテュール王子の自室へ向かうのだった。
・・・・
・・・
・・
・
アルテュールは何とか自室にロキュスが中に入っていると思われる塊を隠し終えた。
小さいと言っても人の大きさがある。
そう簡単に隠しきれるものではないのだが、元々部屋にはいくつか仕掛けが存在していた事もあり、その1つがちょうどよい大きさだったのだ。
因みに場所は大鏡の裏。
大鏡には当然ながら枠があり、このうちとある2ヶ所を同時に触れると動く仕掛けとなっている。
本来、壁である部分。
城にはよくあるのだが緊急時、城を脱出する必要があった場合、秘密裏に用意してあった通路の1つ。
それが偶然?アルテュールの部屋にあったのだ。
そこへ隠したアルテュール。
鏡を元に戻した後、父が突然やってきた。
「アルテュール!テイマーをどうした!」
焦るアルテュールだが、何故余がここに運んだとばれたんだ?
誰にも見られなかったはず。
「ち、父上、どういういう事ですか?確かに私はテイマーと一緒でしたが、用が済みましたのでセルファースへ義母上の治療をするよう、テイマーを案内させたのですよ。」
焦ったがこういう事にしておこう。我ながら名案だ。
それに今頃セルファースは・・・・生きてはいまい。
くくく!完璧だ!
● 作者からのお知らせ ●
100話で次章を【ロキュス・目覚める】としていましたが、本来は後で入れるつもりだった【騒動】を先に投入してしまった事で、騒動の次となります事、ご了承願いたく・・・・申し訳ありません。
土曜にはいよいよ新たな章へ入る事になると思いますので、もう暫く主人公が登場しないのが申し訳ありませんが、お待ち下さりますよう宜しくお願いいたします。
しかしそこには誰も居なかった。ただ、苑囿の一部が不自然な状態だという事を、この場にいた全員はすぐに気が付いた。
「これはスライムが出てきた穴か?」
国王は家臣が止めるのも聞かず、自ら不自然な場所を確認していく。
「変です。このような場所であれば、ワームが綺麗に地均しを行い元に戻している筈なのです。現に昨日埋めた時には一見何処に埋まっているのかわからない程でした。」
そう答えたランメルトだが、ロキュスがこんな状態で居なくなるはずはない。
そう確信するも、一体何が起こったのか、これでは・・・・その時ランメルトは地面に違和感を感じて、しゃがみ込み目視を。
「陛下!ここで争いが起こったようです。ここでございます!これは血です。」
国王も一緒に見た。確かに血が地面に滴った後のようだ。
「まさかと思うが、これはテイマーの血だと思うか?ランメルトよ。」
「ロキュス殿の従魔には人へ直接危害を加えられる個体はおりません。少なくとも私は知りません。それにロキュス殿は実際非力でございます。とてもではありませんが、護衛をかいくぐり王子を切りつけるなど、無理でございましょう。」
「アルテュールか、護衛のセルファースがテイマーを切ったとみるべきか。しかしもし死んだとして、まず死体が無い。そして件のスライムは何処へ消えたのだ?つい先ほどまで居たのだ。」
この後暫く周囲を探すも特に異変はなく、アルテュール王子に直接確認するしかあるまい、と結論付け、そのまま一行はアルテュール王子の自室へ向かうのだった。
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アルテュールは何とか自室にロキュスが中に入っていると思われる塊を隠し終えた。
小さいと言っても人の大きさがある。
そう簡単に隠しきれるものではないのだが、元々部屋にはいくつか仕掛けが存在していた事もあり、その1つがちょうどよい大きさだったのだ。
因みに場所は大鏡の裏。
大鏡には当然ながら枠があり、このうちとある2ヶ所を同時に触れると動く仕掛けとなっている。
本来、壁である部分。
城にはよくあるのだが緊急時、城を脱出する必要があった場合、秘密裏に用意してあった通路の1つ。
それが偶然?アルテュールの部屋にあったのだ。
そこへ隠したアルテュール。
鏡を元に戻した後、父が突然やってきた。
「アルテュール!テイマーをどうした!」
焦るアルテュールだが、何故余がここに運んだとばれたんだ?
誰にも見られなかったはず。
「ち、父上、どういういう事ですか?確かに私はテイマーと一緒でしたが、用が済みましたのでセルファースへ義母上の治療をするよう、テイマーを案内させたのですよ。」
焦ったがこういう事にしておこう。我ながら名案だ。
それに今頃セルファースは・・・・生きてはいまい。
くくく!完璧だ!
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100話で次章を【ロキュス・目覚める】としていましたが、本来は後で入れるつもりだった【騒動】を先に投入してしまった事で、騒動の次となります事、ご了承願いたく・・・・申し訳ありません。
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