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よっしぃ

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ロキュス・目覚める

第113話 セルファースの告白

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「陛下、何処にも隠し通路へ向かう入り口が見当たりません。」

 そんなはずはないのだけれど。

 今は隠し通路への入り口を見つける事に皆注力しているようだけど、私は見た。あいつは何処かをチラチラ見ている。
「仕方がない・・・・あいつを連れて来い。」

 あいつって誰?

 暫くして40歳ぐらいの男性が連れられてきたわ。愚か者はかなり驚いていたようだけれど。

「き、貴様!何故生きている!」
 連れられてきた男性は、
「お久しゅうございますアルテュール殿下・・・・・・・・。かれこれ15年程振りでございましょうか。」
「そんな事はどうでもいい!何故セルファースが生きているのだ!確かに処刑させたはずだ!」
 こいつ大丈夫なの?今聞いてはいけない事が聞こえたわ。
「相変わらずアルテュール様はお変わりないようで。この国の暗部を当時仕切っておりましたのは父でございますが、事実上私が全てを管理していたのですよ。なので身代わりを用意し、こうして生き延びたという訳ですよ。残念なのは陛下の目を欺く事が出来なかった事でしょうか。城を脱出した後、数年は何とかなっていたのですが、ランメルト侯爵・・・・・・・に捕捉されてしまいましてね。当時はまだ伯爵だったかなあ。そんな事より陛下、わざわざこんな所へ私を連れて来るとはどういう事でしょう。」

「ルーペルト公爵の地位と、其方の治療を約束しよう。」
 父は何を言っているのかしら?
「それは事実でございますか?」
「ああ、セルファースの知っている事と、この部屋にある隠し通路への入り口を教えろ。そうすれば全てセルファースの手に入る。」
「そんな事を言って、知らせたが最後、私を処分するつもりではないでしょうね。」
「ここには娘と息子がいる。そんな事にはならん。」

 暫く悩んでいるようね。
「分かりました。もう知っておられるでしょうが、ロキュス殿を切ったのは私です。それをお命じになったのがアルテュール様です。」
「な、何を言っているんだ!そ、そんな命令をする訳が無かろう!」
「今更ですよ殿下。そのとばっちりで私は灰色のスライムより殿下同様呪いを受けましてね。皆さまもご存知でしょうが、アルテュール様は子に恵まれておりません。それは私もです。何故ならばあの時灰色のスライムが素早い動きで脱出、恐らく王妃様を解呪しに行ったのでしょう。私はロキュス殿を仕留めきれなかったので再度攻撃を開始したのですが、スライムに阻まれましてね。当時所持していた剣が砕けてしまいましたよ、ははは・・・・・その後戻って来た灰色のスライムは私と殿下に何かを吐き出しましてね。その直後ロキュス殿共々スライムが固まってしまいまして。ああ、剣が砕けたのはこの後だったかな?もう15年も前ですからその辺りは記憶が曖昧ですね。」
「あ、あれは呪いだったのか?余は未だ子を得られておらぬが・・・・なんて事だ!くそ!あの忌々しいテイマーめ!ってそうじゃない!余はあれから、そ、そうだ、予は用が済んだ故セルファースに父上の所へ向かうよう案内させたのだ!そうだったはず!」

 誰もそんな事は信じないわよ?で、あれの言葉を無視するとかもうあの男性は開き直っているわね。

「その後殿下と2人して、この塊をどうするか考えましてね。殿下の部屋へ運んでしまうのが一番とその時は思いまして。ロキュス殿は12歳の子供としてはかなり小さく軽かったので、簡単に持ち上がりましたよ。そして殿下の部屋にはちょうどいい場所がありましてね。当初は何かで隠そうと思いましたが、隠し通路に置いておき、その後隠ぺいしたのですよ、ほら、この鏡の向こうですよ。」
 そう言えばあいつは鏡をチラチラ見ていたわね。でも鏡は調べていたわよ?本棚も調べて仕掛けが無かったようだからと・・・・何かあるのね。しかも鏡の向こうって壁だから本来何もないのよね。

「宜しいですか?」
「だ、黙れ!そして下がれ!」
「申し訳ありませんが、この方を何とかして下さらないでしょうか?ではいいですか?ここにこう手を入れまして・・・・」
「黙れと言っている!し、死ねえ!」
 あ、あの愚か者、よりにもよって剣を抜いたわ!
 ガキン!

「残念ですが殿下、もう何年も拘束されていましたがこれでもかなり鍛えておりましてね。殿下のような体型で、しかも素人相手に引けは取りませんよ。」

 因みにあいつはお肉の塊だ。あんなのが次期国王?無理無理・・・・って確か予知ではミヒルが戴冠式を・・・・
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