レンタル従魔始めました！

ロキュス・目覚める

第141話 空気が読めない人って何処にでもいるよね

　僕とレネーさんは誰にも邪魔される事なく冒険者ギルドに到着しました。

　そのまま建物へ入っていきます。
　今は昼より少し早いぐらいなので、冒険者の方々はあまり見かけないようです。

　開いている受付へ行きました。
「ようこそ冒険者ギルドへ。本日は如何なさいましたか？」

　周囲の視線がいた・・・・くはなく、何だか恥ずかしい視線です。
　何だか微笑ましい物でも見たかのようなそれ、止めてもらません？めっちゃ恥ずかしいんですけれど。
　尤も原因は僕が握っているレネーさんなのでしょうが、だからと言って手放しませんよ？分かっているのかどうか、レネーさんの僕を握る手に力が入ります。
「本日はお金を受け取りに来たのよ手続きをお願いね。」
　僕が何かを言う前にレネーさんが先に言っちゃいましたね。
「何かご依頼を受けていらっしゃいましたか？」
「ロキュスさんどうなのかしら？？常駐依頼扱いかしら？」
「あー、えっと多分レンタルしていたので、契約だから依頼ではないです。まあカードをお渡ししますので、入るだけ入れちゃって下さい。」
　はて？といった感じで首をかしげている受付の女性ですが、レンタルって誰もしていないのかな？
　あ、借りる側ではなく貸す側って意味ですけれど。

「よくわかりませんが、一度カードをお預かりいたしますわ。ではここへカードを置いて下さい。」

　受付のカウンターには商人ギルドもそうですが、魔道具が置いてあります。
　そこにカードを置いて、色々手続きを行うみたいです。

　カードを置いて、受付の女性が早速操作をしていますが、

「え？何ですかこれは。え？ええ？ええ？えええ？あ、そのちょっとお待ち下さいね・・・・ギルド長！ちょっとこちへ来てください！」

　大声を上げながらどっかへ行っちゃいました。

　するとその声に引き寄せられるかのように・・・・酔っ払いがやってきました。
「おうおうあんちゃん、受付嬢に何をやらせているんだ、ああ？」

　うわ！昼前なのに既に息が臭すぎます。

「お金を受け取りに来たんですが、何か問題があったようですね。ところでまだ昼前ですが、活動しなくていいんですか？」
「ああいいんだよ俺様は。それよりなんだ金って。依頼でもこなしたか？」
「ええ、僕は従魔を所持していて、そこから増えた眷属をレンタルしていたので、そのお金を受け取りに来たのですよ。」
「あん？あんちゃんテイマーか？」
「はい。」
「ふーん、どうせホーンラビットかなんかのちいせえのだろう？そんな事よりテイマーならフェンリルでもテイムしてみろ！俺様が相場の10倍で借りてやろうじゃないかはははは！」

　この頃になると、騒ぎに気が付いたこの人の仲間と思われる人が慌てて戻っていました。
「ちょっと何子供に絡んでるのよ！ちょっと目を離したすきに・・・・ごめんねおふたりさん。」
「うっせえ！こいつテイマーていったからフェンリルテイムしろって言ったんだよ！」
「馬鹿な事を言ったら駄目じゃない。ねえ、君本当にテイマーで、このろくでもなしがそんな事を言ったのかい？」
「そうよ！ロキュスさんは凄いテイマーなんだから！フェンリルぐらい訳ないのよ！いいわその依頼受けてあげうしＷ＠ＰＫＪそあ」
　僕はレネーさんの口を押さえました。そんな事を簡単に請け合っちゃ駄目だよ。
「おう別嬪の嬢ちゃんは分かっているじゃねえか！うひひ、明日にでも連れて来いよ！連れてこなかったら今から受け取る金は全部俺様のもんだ！」
　レネーさんが僕の手を振り払った！
「貴方分かっていないわね。ロキュスさんならフェンリルぐらいあっという間にテイムするから、貴方こそ自分で言いだしたのだから、相場の10倍だったかしら？ちゃんとお金を用意しておきなさいよ！」
「ちょっと、そんな事を簡単に約束して大丈夫なのかい？こいつが一文無しになるのは構わないけれど、対象はフェンリルよ？」
「問題ありませんわ。」

　そう言ってレネーさんは僕の手を引き外へ向かっていきました・・・・その前にカードを回収しないと。
　あーフェンリルのテイムかあ。フェンリルって何？
　これって指名依頼なのかな？
　レネーさんも困ったもんだよねえ。

　あーお金が・・・・