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よっしぃ

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ロキュス・目覚める

第154話 マデロンとハンス

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 ロキュスとレネーが冒険者ギルド内で色々お話をしている頃、外ではもう一つの話題で持ちきりだった。

 そう、ロキュスがフェンリルをテイムした事による、ハンスの扱いだ。

 注:141・142話参照

「おいハンス、ざまあねえな!よりにもよってフェンリルを相場の10倍でレンタルってか!」

「う、うっせええ!」
 周囲の突っ込みにそう言うしかないハンス。
「馬鹿ねハンスさん。あの時パーティーを解散しておいてよかったわ。」

「お、おいマデロン?あれは本気じゃないよな?」
「本気も本気、ギルドで確認したらいいわ。」
 相手の女性冒険者は、酔っぱらったハンスと同じパーティーだったマデロン。
 そしてフェンリル騒ぎでついに愛想をつかし、見切りをつけたのだ。

 そして急いでギルドの建物に入ろうとするも・・・・
「ま、マデロン、い、今中に居るんだよな・・・・い、一緒に来てくれよお。」
「・・・・今更何を言っているのよ。何で私が一緒に行かないと駄目なのよ。いやよ。」

 そういいつつ一緒に中へ入るマデロン。

「英雄だぜ!」
「女傑だろう?」
「ヒロインなのよ!」

 入織周りから言われているが、無視して建物へ入る。

 因みに今建物の中にはギルドの職員とロキュス・レネー・そして護衛が数人しかいなかったりする。
 皆恐れ多くて中へ入れないのだ。

「あ!」
 ハンスの対応をしていた受付嬢が思わず声を上げてしまった。

 ロキュスとレネーが思わず振り返る。
 ハンスと目が合った。
 レネーはマデロンを見てしまった。

 ロキュスはハンスの所へ向かい、
「こんにちは・・・・お名前は何だったでしょうか?僕ってどうも物覚えが悪くて。」

「あ・・・・ああ、そういえば名乗ってなかったな。俺は・・・・ハンスだ。」
「ハンスさんですね!僕はロキュスと言います。昨日の約束ですが、確か本日フェンリルを連れてこいとの事でしたので、ハンスさんの依頼を達成すべくテイムをしに行っていたんですよ。」

 まさかの依頼扱い!
「あ、あの、私はマデロンと言います。ロキュス様、まさかと思いますがハンスとのやり取りは依頼扱いなのですか?」
「え?当然ですよ?貴女・・・・マデロンさんもあの場に同席していたと思うので、事情は分かると思いますが・・・・依頼、それも指名依頼ですよね。」
 まさかまさかの指名依頼!

 大人しそうな顔をしてかなりきつい性格だと感じたマデロン。
「た、確かにあの場でハンスの暴走を止められなかったこちらにも落ち度はある。」
「落ち度ですか?こちらとしてはこうしてフェンリルをテイムしたので、後は借りて頂くだけなんですが、期間とかどうします?それと一体フェンリルで何をするつもりだったんでしょう?」
 因みに今ロキュスろれねーの周りにはどう見ても小さな仔犬が5匹と、ほんの少し大きな・・・・ずばり小型犬が1匹が居るだけだ。

「その、ロキュス様、まさかとは思いますが、今足元におられる仔犬にしか見えないのがフェンリルなのでしょうか?」
「あ、ごめんなさい。忘れていました。元の大きさだと建物に収まりきらないので小さくなってもらっています。折角ですので借主には見てもらった方がいいですよね?」
 え?どういう事?まさかと思うけれど、ロキュス様は天然?
「さあハンスさん、こちらへどうぞ。レネーさんも行きませんか?」
「え?えーっと・・・・わかったわ。」

 この後無理矢理外へ連れ出されたハンスと後へ付いて行ったマデロンだが、外にはまだこの場に集った人々の大多数が残っていて、
「すいません、もう少し離れてもらっていいですか?はい、それでいいです。」

「じゃあリーフェさん、お子さん達も本来の姿になってもらっていいですか?あ、周囲に被害が及ばないようにはお願いしますね。」
【分かりました我が主。では皆、本来の大きさに戻るのですよ。但し我が主の言った通り、周囲の建物と人間に影響のないように行いなさい。】

【【【【【はいお母様!】】】】】

 こうして6体のフェンリルが本来の姿に戻り、騒ぎは最高潮を迎えた。



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