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よっしぃ

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酒と紫色のスライム

第157話 酒の問題はかなり根深い

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 ロキュスの眷属スライムから吐き出された酒はいわゆるワインという種類。
 果実が原料の醸造酒に相当する。

 だが労働者層や貧困層と言われる人々の口に入るのは質のかなり悪い、混じり物がかなりの割合で混入している所謂混成酒となる。

 この世界ではあまり蒸留酒は発展していなかったりする。
 ここで問題なの混成酒。
 醸造酒に付加価値を高める為に色々な物を混ぜるのだが、安い酒は醸造酒をより安くさばきたいがために得体のしれない何かを混ぜている。
 酷い場合には飲用に適さないエタノールを混ぜる。
 このせいで悪酔いしたりするのだが、売る側にとっては知ったこっちゃない状態。

 こんな状態でロキュスがスライムを用いた酒を得る手段を国に奏上してしまった事により、話が変わってきた。

 何せロキュスのスライムが原料としているのは城の中にある果樹園からえられた果実。
 質は最高品質。そんな品質の素材をスライムがワインにしているのだ。
 質が悪いわけはない。
 だがここで止まっていれば、王家で飲用、で済んだのだが、最近王都近郊で大規模な果樹園の造成が行われ、すさまじい勢いで果樹園が出来上がりつつある。
 この規模で出来上がってしまえば、既存の酒を扱う面々は商売あがったり。
 まだあいつの良い酒を扱う酒蔵はいい。
 特定の購買層が存在し、ルートも出来上がっている。
 だが、薄利多売で労働層や貧困層が飲んでいる酒を造っている酒蔵などはたまったものではない。

 質の向上は、貧困層への酒の提供の断絶に繋がる。

 これがあるため国王と言えどもおいそれと質の改善を推し進められないでいる。

 しかし今回、国王は重い腰を上げざるを得なくなった。

 ロキュスのスライム。
 この効果は絶大で今回、酒に関しても間違いはないだろう。
 大規模果樹園が完成すれば、安く質の良いワインが流通する。
 しかも国が全てを管理できるので国にとって何一つ悪い事はない。
 しかしそれでは多くの酒に関わってきた面々を路頭に迷わす事となる。

 さてどうするか。

 現在国では酒に対し今後どうするか話し合いが進んでいた。

 何故かロキュスも同席をしている。
「レネーさん、僕には何が問題なのか分からないんです。」
「それはね、質の悪い、そしてそれは安い酒なんだけど、安くするために色々と混ぜるとよくないものを混ぜているのよ。」
「入れてはいけないものを入れたらおいしい酒にはならないよね。うーん、お酒ってどうやって作ったり売ったり、それを誰が許可をするのかな?」
「え?許可って、そんなの誰もしないわよ。聞いた事もないかしら。」
「じゃあ簡単です。お酒を販売するには国の許可を得ないと駄目にしたらいいんです。毎年許可を得る様にすれば、質の悪いお酒は駆逐されるんじゃないかな。」
 それを聞いていた宰相は、
「ほう、ロキュス殿は変わった考えをお持ちだ。いや、別に悪いという意味ではない。むしろ新鮮でいい。だが同時に安い酒が無いと労働層に酒が買えなくなってしまうぞ。」
「それはお酒の元になる果実の質を向上させればいいんですよ。ワーム達なら土をよい状態にしてくれますから、きっと果実もよい状態で実りますよ。よい果実をお酒にすれば、いいお酒が出来ます。それにワームが元気にしてくれた土で育った果樹は沢山の実りを実現しますから、変な混ぜ物をしなくてもお酒は安く出来ると思いますよ。」

 皆酒にできるスライムばかりに目がいっていて、そもそも原料の質をよくする考えを見落としていた。
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