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よっしぃ

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酒と紫色のスライム

第156話 紫色のスライム

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 ロキュスはハンスの事を考えていた。

 多分ハンスは一般的に冒険者と言われる人々の象徴のような、つまり通常冒険者というのはああいう行動をする、つまり日中・・・・今回日中から飲んだくれてはいたが、普段はきっと冒険者として活動、夕方に帰ってから質の悪い酒を水のように飲み、悪酔いして潰れてしまう日常を繰り返していたんだろうなあと。
 しかもハンスさんは酒に弱い。
 そして質の悪い安酒を大量に飲む。
 最後には悪酔いして潰れてしまう。

 これでは近いうちに身体を壊してしまいますね。

 そういえばお酒を、果実からお酒を得る事のできるスライムが居ましたっけ。あの子達は今何処に?

【紫は今果樹園で活動しています。】

 スラちゃんありがとう。
 じゃあそのお酒は何処へ行っているのかな?僕知らないんだけど。
【苑囿にいます。】

 そうだった。
「レネーさん、苑囿に果樹園みたいのがあると思うんだけど、王都周辺に似たような環境って存在しているか分かるかな?」
「ロキュスさん、果樹園ですか?確か紫色のスライムが果実を取り込んでお酒を輩出していましたね。今度はお酒に注目ですの?ハンスという冒険者を見ての事かしら。」
「うん、そうなんだ。僕にできる事はそんなにないけれど、もっと良質なお酒を提供できないかなあって。ハンスさんの酔いは、所謂悪酔いだよね。せめてそんな事態にならないように、そう思ったんだ。僕はお酒を飲まないからスライムが吐き出すお酒の質ってどんなのかは分からないのだけど。」

 僕は考え込むレネーさんを見ました。
 あまり女性の顔をジーッと見るのもどうかと思いましたが、何だかレネーさんの考え込む姿に惚れ惚れしてしまって。
「実は既に父上がお酒については手を打ち始めているのよね。そうは言っても苑囿で育っている果樹はそう多くはないのよね。だから得られる果実にも限度があって。だから今、果樹をどうにかならないか大規模な果樹園を検討中なの。アスワムちゃんをはじめとするロキュスさんの眷属ワームであれば、一度場所を定めればあっという間に立派な果樹園になりそう。あ、やっぱりロキュスさんありきになってしまうわ。」

 僕ありきでは何がいけないのかな?
「何か問題があるのかな?」
「ええ、お酒に関しては色々としがらみもあるのよね。昔から酒蔵というのがあって、発酵させたりそう言った色々なノウハウがあるじゃない?それをスライムは全てすっ飛ばしちゃっているからどうしようと思ったのよ。」
 うーん、もしスライムから吐き出されるお酒が普及して、彼らが路頭に迷ったら確かに色々大変そうだね。
「だけど冒険者達が飲むお酒は質が悪すぎると聞いています。質が改善されればスライムに頼る必要は無いと思うのですが、どうなのかな?」

 実はこれが根底にある問題だったりするのを、ロキュスは知らない。
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