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よっしぃ

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新たな領地

第196話 聞いていないよ?

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 僕はレネーさんと結婚すれば、レネーさんは王族から抜ける、そう思っていたんです。
 何故かと言えば、僕はルーペルト家への養子ではなく、ロキュス・エルメリンスとして、エルメリンス公爵家を興した事になっているので、家名もエルメリンスとなると聞いていたからです。
 レネーさんもレネー・ルーペルトではなく、レネー・エルメリンスとなる、そう思っていたんです。

「え?ロキュスさん、何か思い違いをしている、若しくは聞いていないのかしら?」
 何の事でしょうか。
「レネーさん、何の事かさっぱりわかりませんよ。つまり何も聞いていないんです。」

「えっと、その、王族の女性が王族以外の男性を婿に迎える事になるので、家名は2つ、となるのですわ。」
 ・・・・どういう事でしょう?

「ごめんなさい、そういう仕組みが理解できません。」
「貴族でもよくある事なの。だけど皆さん失念していたのではないでしょうか、ロキュスさんは今までそう言った知識とは縁が無かったうえに、貴族の方は常識と思っていた節がありますわ。そしてマルセル夫妻に関して、爵位を受ける前に結婚なさっているのでそもそも知らなかった可能性が・・・・つまり私の名は、レネー・ルーペルト・エルメリンスとなるのですわ。ロキュスさんも、ロキュス・ルーペルト・エルメリンスとなります。一応ルーペルト姓が真ん中に来るのは、子の姓をどうするか決められるよう、特にエルメリンス家は長男が公爵家を引き継ぐのが慣例となりますので、次男以降でルーペルト姓を誰かが引き継ぐ事が出来るのです。順番は引き継ぐ優先度ですわ。尤も子の王籍への選択は時の国王に委ねられますの。」

 つまり僕は知らない間に王族へ加わった、という事?
 うーん、確かそんな話じゃなかったと思ったんだけど。
「もしかして、私と結婚すれば王族となる事をロキュスさんが躊躇する可能性を考えて、伏せていたのかしら。」
「まあいいよ、今更。レネーさんが王族であろうとなかろうと、僕のレネーさんに対する気持ちは変わらないし、王族になるのが嫌だからってレネーさんと結婚しないという選択肢はないからね。だけど、僕は今後何かする必要があるのかな?」
「差し当たっては従魔及び眷属の融通と、例の5つの石、その活用法を王家と共に話し合う事かしら。時間が無かったので急ぎ指輪を用意し、ティアラをあしらったのだけど、これらの所有をどうするか、残りの2つをどうするか。これらは後の王家へ引き継がれる重要な事柄なので、責任は重大ね。」
 うーん、石は従魔によって発掘してもらったから僕は何もしていないんだけどなあ。

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