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新たな領地
第198話 ようやく完成したネックレス
しおりを挟む「レネー、とっても似合っているよ。君の美しさを引き立てるとっても素敵なネックレスとなったね。」
「まあロキュスったら。今更私を口説いてどうするつもり?」
今日、やっとネックレスが完成しました。
かれこれ15年以上経った気もします。
ドラゴンのドラちゃんが縄張りにしていた山から算出した2つの大きな石。
それをこうしてネックレスに納めるべく職人が日夜加工を行っていましたが、15年かかってしまいました。
先に王笏を完成させたこともあり、ネックレスは遅れに遅れ、やっと・・・・
「口説くって、ありのまま、感じた事、見た事を言っただけだよ。」
「それが口説くって言うのよ。」
あまりにもレネーが美しすぎて、もう神々しいと言っていいほどなので、僕は崇めてしまいたくなるのを堪えるのに必死です。
「それより陛下はどうなんだい?」
「ええ、父の具合は悪いのよ。ロキュスの従魔、眷属に治療をしてもらったけれど、駄目だったわ。強力な呪いと思うのよね。」
呪いに打ち勝つスライムはいます。そのスライムをもってしても陛下の状況はよくなりません。
「つまり、強力な何かを媒介に、スライムが治療してもまた呪いが発動しているって事だと思うんだ。」
「それほど強い呪いなのに、術の発動場所が分からないって歯がゆいわね。」
「既にミヒル王太子の戴冠式は準備が整っている。ネックレスも完成した。後は陛下の回復を待つのみなんだけど。」
その時王妃様がやってきました。
「レネー、そしてロキュスさん、陛下が呼んでいるので直ぐに来て。」
僕とレネーは久しぶりに城へ来ているんだ。
普段はエルメリンス公爵領で執務を行っているけれど、ネックレスが完成したと聞いてこうしてやって来たんだ。
それに陛下の事もあるしね。
陛下の具合が悪くなったのはここ3ケ月ぐらい。
これは何かありそう。そう予感させるんだ。予知の事もある。
18年ほど前のレネーによる予知。
僕とレネーは予知を直接その身に受けたけれど、断片的にしか覚えていない。
それも予知が発動中に王妃様が目撃し、感じた事から何となくわかっている事柄なんだけど。
それによればもうすぐ行われる戴冠式、つまりミヒル王太子が国王になるんだけど、その時僕が襲われるらしい。
レネーの兄で、既に国外追放されているアルティール・・・・だったかな?元王太子による襲撃。
先に捕縛できればいいんだけど、結局行方は分からずじまい。
今回の呪いはアルティールが行っているのでは、との憶測もあるんだ。
そんな事を考えつつ、僕とレネーは王妃様と陛下の元へ急いだ。
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