平和な日常は終わりを告げた――体格に恵まれぬ三十路の兵士が手にしたのは、触れた能力を己の力に変える『天賦転換』絶望から始まる遅咲きの英雄譚

よっしぃ

文字の大きさ
17 / 139
30歳になったので兵役を終えてもいい?駄目?

第16話 用は済んだといわんばかり

「おい、回復したのなら礼に酒ぐらい持ってくるのが筋ってもんだろう?」
 酒乱のおばちゃん、まだ酒いるんか―い!と言いたくなった。

「渡すもんは渡した。これで貸し借りは・・・・まだあるかもしれねえが、一旦これでチャラにしてくれると有り難い。」
 そう僕に言い残し、親方はおばちゃんに後で持ってくるってばよ、とか言いながらさっさと帰ってったんだ。
 何やらおばちゃんが言い始めたのが原因と思われる。
 酒の催促とか・・・・本当に聖女なのだろうか。

「それよりも女子を長く待たすのは感心せぬな。どうじゃあの女子、ミランダというたか、女性騎士とはいえほれ、顔もスタイルもよい、嫁にどうじゃ。」
 ・・・・他国から逃げのび・・・・この場合亡命?そんな女性と結婚とか、治療したから無理矢理とか思われるのがオチだろうし・・・・もし好みの女性でも、無いな。

「おばちゃん、自分の年齢考えて発言してよ?」
「うん?あんな綺麗どころそうそうおらぬぞ?それとも姪っ子がよいか?まだ16歳・・・・其方10代がよかったのか?」
 どうしてそうなる?
 それよりこのままここに留まっていると、ダンジョンが遠のいてしまいそう!
 もう数日で30歳なのに!
 このままでは帝国に攻め滅ぼされたらしいオランド王国を奪還すべく、オランド王国から逃げのびたエグランティーヌ・マルティーヌ・エリーヌ・オランド姫・・・・見た目10歳程度で実年齢13歳らしい・・・・が必ず復活させるって言っていたし、お付き、若しくは護衛を務める女性騎士のミランダさんはそんな姫さまを見、そして僕を見つめてくるんだよ・・・・やめてその目で見るのは!このままではオランド王国を奪還すべく天賦転換で得た能力・裂空斬を使って協力して欲しいと言われそうだ。
 正直綺麗な顔立ちで、20代半ばぐらいと思われる妙齢の女性に懇願されたら、独身彼女無しの僕はチョロイン宜しく、呆気なく承諾しそうで怖い!
 あ、そうだ。まだ動くのが辛いとかそんな感じで数日を過ごそうよしそうしよう。

「そんな心構えではあのような上玉、つまり佳人は手に入らぬぞ。」

 おばちゃん、女性をモノ扱い、手に入らんぞって酷いよ?
「今はいいんで、それより疲れたので暫く休みます。」
「そんな消極的では折角名声を得たというのに全くヘタレだ!そうだ!酒を飲んで勢いで突き進め!そうしろ!」
 いやいや何でそこで酒が出てくるの?
 さっきまで持っていなかったはずなんだけれど。
「ミランダ、添い寝をせよ。」
「ぶは?!エグランティーヌ姫の命令とあれば、誠心誠意添い寝をいたし、姫の意を汲んだ結果となるよう誘導いたします!」
 誘導って・・・・せめて導くとかないの?
 しかし若い女性が独身男性と添い寝?ないない。
「どうやらレクスというのはヘタレらしい。これは好機じゃ!」
「は!必ずや使命を達成いたします・・・・しかし具体的にはどうすれば?こう言っては何ですが、そのような教育は受けておりませんので、どうすればいいのかさっぱりなのですが?」
「まだ成人しておらぬ私に聞くのか?そこにおる聖女殿に聞けばよかろう。恐らく歴戦の勇者と見た。」
「歴戦の勇者・・・・聖女殿、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。」
「残念じゃが、聖女というのはそのような男女の機微に関しては無知でのう。ある意味清い身体でないと聖女の祈りは発動せぬのでな。今回の意には沿わぬ故、指導は無理なのだ。」
「そ、そんな!ではどうすれば!」
「無理にあれこれせずとも、ほれレクスの隣で寝ればよかろう。そして耳元でそっと囁くだけでいい。」
「そ、そんな・・・・殿方と同じ床で寝るなど・・・・破廉恥すぎて耐えられましょうか?」
 ・・・・添い寝ってそう言うもんだと思うけれど、何故姫の言葉を了承したんだ、この女性。
 流石の僕でも色々な兵士から話を聞いていたから、いかに独身彼女無しといっても変な知識を聞かされているからある程度理解しているんだよ。

 うーん、どうすべきか・・・・親方の所へ逃げるか?
 それでは何かに負けた気もする。
 あー困った。
 困った時は・・・・寝て忘れよう・・・・おやすみ。

 レクスは現実逃避を選択した。
感想 2

あなたにおすすめの小説

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )