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外伝 リュークとエリザヴェータ

何を言っているのだろう

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「さて、2人の事は片付いた。後は君だ。」
「は、はい、お手柔らかに・・・・」
 ああ、僕は一体何を言っているのだろう。
「ロゼ、疲れたでしょう?リュークとは私が話すわ。」
「いえ、全く疲れていませんが。」
「まあそう言わず、喋りっぱなしだったんだから、少し何か飲みなさいな。」
 譲らない姫さま。
「はーこうなると姫は頑固ですから。仕方ありません。少し喉を潤しましょう。」
「じゃあリューク。貴方の事だけど、やっぱり冒険者になるのかしら。」
 何故僕はロゼさんではなく姫さまとなんだろう。
「ええ、それしか道はないですから。」
 ヴェニアミンとユッテはある意味ラッキーだ。
 ヴェニアミンは、危険があるとはいえ戦場で戦わないで済みそうだし、ユッテは安全なお針子の仕事。
 普通僕達孤児には就く事が叶わない仕事だ。
 僕達孤児が成れるのは冒険者。
 場合によっては兵士。
 女の子の孤児なんて兵士にも成れないから冒険者以外に道はない。
 それぞれ片目片腕を失ったとはいえ、運がいい。
 亡くなった3人の分も幸せに・・・・

 ロゼさんがメイドさんに何か言っている。
 出ていくメイドさん。
「えっと・・・・リュークのスキルと能力だけど・・・・えっ!何これ!空間魔法と回復魔法??リュークって見た目は・・・・あまり関係ないかしら。魔法の才能があったのね。私も魔法の才能があったのだけれど、私のとはちょっと違う魔法よね。」
 姫さまも魔法を使うんだ。
 凄いな。でも何の魔法なんだろう。
「で、リュークはこの魔法は使えるのかしら?」
「えっと、全く。空間魔法は先の戦いで何となく使えたみたいですが、回復魔法は心当たりが全くありません。使い方とか知らないですし。」
「では暫くここで魔法の使い方を覚えるといいわ。丁度回復魔法はシグネが使えるし。」
 なんか凄いタイミングでメイドさんがシグネさんを連れてきました。
「お呼びでしょうか?」
「ちょうどよかったわ。ねえシグネ、リュークはなんと回復魔法が使えるのよ!一寸教えてあげれないかしら?」
「姫様、こちらの少年・・・・リュークさんだったかしら。彼が回復魔法を使えるのですか?私も覚えたてで人に教える程の知識はありませんが。」
「大丈夫よ。ほんの一寸きっかけを教えるだけでいいから。リュークはまだ回復魔法を扱えられないから、最初のきっかけだけでも教えてほしいのよ。」
「・・・・・確か姫さまも回復魔法のスキル持ちですよね。では2人一緒に教えましょうか?」
「やってくれるのシグネ!ありがとう!じゃあリューク、暫くはシグネを先生に、一緒に学びましょうね!」
 あれ?そう言えば最初姫さまって僕の事さん付けだったけれど、いつの間にやらリュークって言っている。
 まあいいか。
 そして、姫さまと一緒に魔法を学べるとか、これってすごい事なんじゃないだろうか?
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