猫奴隷の日常

ハルカ

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閑話 4

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「予定では明日ですね」

夕食の席で、何やら嬉し気にそう言いだしたのはセバスだった。

「レイが帰ってくるのね?」
「ええ。もちろんエイベル様もです」
「二人がいないとつまらないわ」
「本当ですね」
「盛大に迎えましょう」
「いい考えですね。レイの好物でもカイに作ってもらいましょうか」
「そうね。で、どうかしたの?カイ」

テーブルに頬杖をついて二人の会話を聞いていたカイが、はっとしたような顔をした。
どうやら珍しく考え事をしていたようだ。

「どうしたの。ぼんやりしてる」
「や、どーもしねーけど」

なぜか歯切れ悪く言うカイを、サヤはじっと見つめた。

「そういえば、夕方遅かったのね。何してたの」
「なんもしてねーって」
「・・・カイ」
「ンだよ?」
「隠さなくていいのよ」
「はっ、はぁ!?」

突然のサヤのセリフに、カイとセバスは目を見開いた。

「分かってるのよ。私には」
「サ、サヤ・・・」

サヤの、全てを見通すような茶色の瞳がカイを見据えている。カイは思わずセバスを見た。

「いいえ、私は何も言いませんよ?」

カイはため息をついた。

「・・・ばれちゃあしょうがねーか」
「私に隠し事はできないわ」
「それは分かってたつもりだったんだけどよ」

カイは遠い目になった。

「一体いつからなの」
「それは・・・ 言えねー」
「今更隠したって無駄よ」

サヤは追求の手を緩めない。さながら尋問官のような真剣な面持ちでカイを見つめている。

「オレにも分かんねーんだよ。いつの間にかこうなっちまってたからよー」
「どうするつもりなの」
「分かんねーから考えてんだろーが」

投げやりともいえる言い方をするカイを、サヤは鼻白んだように見た。

「そんな悠長なこと言ってていいの?」
「・・・どーゆう意味だよ?」
「もう余裕なんてないってことよ」
「なっ!・・・鈍そーなウサギにすらそー見えてんのか?」
「当たり前よ。カイに全て託されてるんだから、なんとかしてよね」

カイは絶句し、それからため息をついた。サヤもそれを見て一緒にため息をついた。

「二人がいなくてサボってたから、もう食材がなくてレイの好物が作れないんでしょ」
「アイツ性欲強そうだかんな・・・ いや、なんでアイツの性欲解消がオレに託されんだよ」

お互いの言葉がハモって、サヤにもカイにもお互いの言葉は聞こえなかった。
セバスだけが首を傾げた。

「おや?どうやら話が食い違ってるようですが・・・ まあ、放っておきましょうか」

そろそろ食後の紅茶が欲しいところだったが、二人ともそれどころではなさそうである。セバスは紅茶を入れ、二人の前に出しておいた。
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