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世界征服編
差別
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まぁ。
一言で言えば情報過多だ。
『CEOエリック、爆弾投下』
『血迷ったか!?
改革と謳った反逆!?』
新聞とテレビの二大メディアから入る情報を見て⋯⋯そして読みながら、俺はというと年齢不相応なホテルの最上階でガウン着てワイン片手に王者を気取っている。
「エリックもやるもんだ」
どのチャンネルを見ても話題は俺達の計画。
プロジェクトゼウス。
中々なネーミングセンスだ。
あっ、俺が決めたわけじゃないぞ?
テレビでは、既に様々な方向から俺達に向けての総攻撃が始まっている。
まぁそんな事分かりきってるけどな。
「伊崎さん、至急会議室に!」
勢い良く入ってきた通訳。
「うるせぇなぁ。
とりあえずゆっくりしようぜ」
ゆったりと着替え、廊下を通訳と共に抜けて、会議室の扉へ。
通訳が押し開けたその先には、重役が沢山。
うへー。
俺としてはこんなお堅い会議なんざどうでもいいんだがな。
「ソウも来たことだし、早速始めよう!」
まぁこんなかったるい会議なんて聞いてたってしょうがない。
要約すると、このプロジェクトゼウス。
これには段階がある。
一つはこの施設自体を賄えるほどの電力を生み出していくというのが一段階目。
そして次に日本で言うところのなんとか街くらいまでの範囲を生み出せる程に行くまでが二段階。
そのまま規模感を上げていくことで、見せつけていきながら自分たちの優位性を見せていく予定らしい。
合わせてロケットの方も順調に進めていくようで。
俺としてはやる事がない。
ゲームで言ったらニートレベル極みだ。
「既に生み出せている事を考えるに、今年中に進展は続々と始まっていくだろう!
皆もチーム日本との結束を忘れずに行こう!」
だいぶ日本贔屓してくれているようでありがたい。
「ソウ!」
会議は終わり、エリックが笑いながら頬杖をつく俺の横へとやってくる。
「今年中とは言ったが、実際はもっと早く進むだろう。
資金はいくらでも調達できるからな。
電力コストを抑える事ができれば更に加速的に進んでいく」
「なるほどな。
俺はやることがないから困ってしまうな」
通訳を通じてのほほんと喋る。
俺の本音は変わらない。
現状、俺のやる事と言えば、ただカジノで遊ぶ事と地元の小規模ギャンブルをやるくらいだから。
「さっ、俺は仕事だ!
人生を賭けてやる仕事は最高だ!」
⋯⋯ふっ、この仕事人間が。
パタンと閉まった会議室に俺と通訳の二人のみ。
「伊崎さん、どうする予定ですか?」
「んー。
あまり予定は決まってないが、ここらで何か面白いのはないのか?」
「特にこれと言ったものはありませんが、やはりどこも日本と比べればかなり危険な地域が多いですから、おいそれと遊びに行くものでもありません」
*
「えーい!!!ふぅー!!!」
と、通訳の話は至極真っ当なのだが。
略してツキロウのいつものお店で呑気に仲良くやっている。
もう1ヶ月は毎日入り浸って。
「ソウお前どこからこんな金があるんだ!
俺達に分けろー!」
樽の上で飛び跳ねるドレッドヘアーの偉丈夫、デイビッド。
「馬鹿言うなデイビッド。
こんな金持ってる奴なら、働き口を紹介してもらうのが一番だろう」
とは言いながら、ブラックジャックで負けて悲しみに暮れてテーブルの上で両肘抱えて丸まっているのはエマ。
ブロンドのロングヘアーで、珍しく女性。
何やら怪しい取引で金儲けをしているのだとか。
まぁわかりやすいくらい海外らしく日本人が思うような綺麗な感じの人だな。
「ソウ、お前勝ちすぎだぞ!!
俺に寄越せ」
肩を振らされ、俺の全身がどっか吹っ飛びそうではあるが、この空間は俺がよく見ていた景色と似ている。
日本人のような真面目さは皆無。
だが昔の人たちのようなラフで、秩序はないが居心地の良い場所みたいな感覚。
みんなが欲求に素直で、女も女。男も男。
わかりやすい視線や思惑が交錯するような場所。
「エマ!お前脱げ!俺と夜を明かそう!!」
「おい、お前この間エマに振られてただろう」
「うるさい!!
エマが俺の子供を産むまで諦めん!!」
野次も飛ぶ。
だが律儀にデイビッドは一々反論して返し、しかもエマには正々堂々ヤリたいと告げた上でもうアプローチ。
清々しくておもろい。
「ねぇー、ソウー」
俺の片腕を抱いて、上目遣いで助けを求めてくる。
「何だエマ、デイビッドは嫌なのか?」
明らかに当てている。
女も女で分かりやすい。
「だってあんなスキンヘッド野郎なんて嫌よ」
「なっ!なんてこと言うんだ!
ソウ!お前分かってるな!?エマを抱いたりなんてしたら!」
「ハイハイわかってるよ。
⋯⋯だってさエマ」
「別に数回身体を重ねるだけじゃないー」
海外は性に結構奔放というが、どうやらマジらしい。
「でも」
甘ったるい香水の匂いが一気に近付く。
横目で見ると、エマが小声で吐息混じりに囁いてくる。
「⋯⋯暑くなったら言ってね?」
もう隠す気もない服の隙間を見せながら妖艶に誘ってくるエマと、数秒見つめ合うとフフッと笑い合う。
「おいてめぇら⋯⋯!」
「ハイハイ悪かった悪かった」
エマちゃんは24歳らしい。
いやーいいね。
匂いといい身体つきといい。
⋯⋯堪らん。
「ソウ、明日も来るのか?
女は何人置いとく?」
扉に手をかけるとデイビッドに軽口を叩かれる。
「とりあえ⋯⋯ずー10」
「本当わけぇのに女好きだな」
「そりゃ溜まるもんが多いからねぇ」
ヒューと口笛を吹くデイビッド。
「そんじゃな」
キシキシ歪む木の扉を押し開け、俺は夜のツキロウでも探索しようかと出る。
煙草をくわえ、俺は一本道であるこの通りを歩く。
「やっぱこうでないとな」
思わずそんな言葉が漏れてしまう。
日本は綺麗過ぎてしまって落ち着かない。
そこら中に散らばってあるなんのゴミかも分からん袋にカラスがつつき、腐敗臭なのか異臭なのか分からん鼻がひん曲がりそうになるこのニオイ。
「ん?」
そんな事を頭に思っていると、近くで殴るような音が聞こえる。
近くに寄って見る。
こういうのは見物するのが楽しいからな。
「⋯⋯?」
そこには、喧嘩ではなく、ただただ暴力の光景が広がっていた。
複数の白人らしき子供たちが無理やり髪を引っ張って黒人の少年をこれでもかというほど虐めている光景だ。
無抵抗だ。
殴られている方は無抵抗にただ受け入れている。
勝ち目がないと踏んでいるのか、それとも意識がないのか。
ただ、俺はこれと言って思う感情はない。
よく見る光景。
感情は動かない。
「ったくつまらないものを見たな」
そう踵を返そうとした時。
「あれ、モンキーモンキー!」
無邪気な子供の声。
他にも見ていた子どもたちの視線が俺に集まる。
「あれ?こんなところでなにやってんの?
イェローモンキーー!チンチョン!」
すぐにうるさい子どもたちの声は静かになる。
ズボッと、俺は貫通した手を引いて汚くなった手を払う。
「汚え。
クソガキが、教育がなってないようだな」
ーー獣人の僕達をなんで助けてくれるの?
頭に過る言葉。
俺は他にもいた子供たちを鎖で拘束しては一人ずつ土下座をさせて俺は尊大に頭を踏む。
「ご、ごめん!!冗談!!」
足元でビクつきながら俺の足を参ったと叩くクソガキ共。
「これだからクソガキは駄目なんだ」
ドスッ、ドスッと。
靴底が少し擦り減っているのを見た。
「はぁ。これ新品なんだけどな」
側にいる最後の冗談だと言った一人のクソガキも、俺と視線が合うと震えて声も出ないらしい。
「お前もだ」
「お、俺は何も⋯⋯!!」
ジュルッと捻れた音と雑巾を絞ったような気味悪い音。
「なんで助けるかって?」
⋯⋯そりゃ簡単だ。
上から落ちてくる返り血の雨を浴びながら、俺は興奮して嗤う。
「獣耳は触り心地が良いんだよ。
そんでエロい」
一言で言えば情報過多だ。
『CEOエリック、爆弾投下』
『血迷ったか!?
改革と謳った反逆!?』
新聞とテレビの二大メディアから入る情報を見て⋯⋯そして読みながら、俺はというと年齢不相応なホテルの最上階でガウン着てワイン片手に王者を気取っている。
「エリックもやるもんだ」
どのチャンネルを見ても話題は俺達の計画。
プロジェクトゼウス。
中々なネーミングセンスだ。
あっ、俺が決めたわけじゃないぞ?
テレビでは、既に様々な方向から俺達に向けての総攻撃が始まっている。
まぁそんな事分かりきってるけどな。
「伊崎さん、至急会議室に!」
勢い良く入ってきた通訳。
「うるせぇなぁ。
とりあえずゆっくりしようぜ」
ゆったりと着替え、廊下を通訳と共に抜けて、会議室の扉へ。
通訳が押し開けたその先には、重役が沢山。
うへー。
俺としてはこんなお堅い会議なんざどうでもいいんだがな。
「ソウも来たことだし、早速始めよう!」
まぁこんなかったるい会議なんて聞いてたってしょうがない。
要約すると、このプロジェクトゼウス。
これには段階がある。
一つはこの施設自体を賄えるほどの電力を生み出していくというのが一段階目。
そして次に日本で言うところのなんとか街くらいまでの範囲を生み出せる程に行くまでが二段階。
そのまま規模感を上げていくことで、見せつけていきながら自分たちの優位性を見せていく予定らしい。
合わせてロケットの方も順調に進めていくようで。
俺としてはやる事がない。
ゲームで言ったらニートレベル極みだ。
「既に生み出せている事を考えるに、今年中に進展は続々と始まっていくだろう!
皆もチーム日本との結束を忘れずに行こう!」
だいぶ日本贔屓してくれているようでありがたい。
「ソウ!」
会議は終わり、エリックが笑いながら頬杖をつく俺の横へとやってくる。
「今年中とは言ったが、実際はもっと早く進むだろう。
資金はいくらでも調達できるからな。
電力コストを抑える事ができれば更に加速的に進んでいく」
「なるほどな。
俺はやることがないから困ってしまうな」
通訳を通じてのほほんと喋る。
俺の本音は変わらない。
現状、俺のやる事と言えば、ただカジノで遊ぶ事と地元の小規模ギャンブルをやるくらいだから。
「さっ、俺は仕事だ!
人生を賭けてやる仕事は最高だ!」
⋯⋯ふっ、この仕事人間が。
パタンと閉まった会議室に俺と通訳の二人のみ。
「伊崎さん、どうする予定ですか?」
「んー。
あまり予定は決まってないが、ここらで何か面白いのはないのか?」
「特にこれと言ったものはありませんが、やはりどこも日本と比べればかなり危険な地域が多いですから、おいそれと遊びに行くものでもありません」
*
「えーい!!!ふぅー!!!」
と、通訳の話は至極真っ当なのだが。
略してツキロウのいつものお店で呑気に仲良くやっている。
もう1ヶ月は毎日入り浸って。
「ソウお前どこからこんな金があるんだ!
俺達に分けろー!」
樽の上で飛び跳ねるドレッドヘアーの偉丈夫、デイビッド。
「馬鹿言うなデイビッド。
こんな金持ってる奴なら、働き口を紹介してもらうのが一番だろう」
とは言いながら、ブラックジャックで負けて悲しみに暮れてテーブルの上で両肘抱えて丸まっているのはエマ。
ブロンドのロングヘアーで、珍しく女性。
何やら怪しい取引で金儲けをしているのだとか。
まぁわかりやすいくらい海外らしく日本人が思うような綺麗な感じの人だな。
「ソウ、お前勝ちすぎだぞ!!
俺に寄越せ」
肩を振らされ、俺の全身がどっか吹っ飛びそうではあるが、この空間は俺がよく見ていた景色と似ている。
日本人のような真面目さは皆無。
だが昔の人たちのようなラフで、秩序はないが居心地の良い場所みたいな感覚。
みんなが欲求に素直で、女も女。男も男。
わかりやすい視線や思惑が交錯するような場所。
「エマ!お前脱げ!俺と夜を明かそう!!」
「おい、お前この間エマに振られてただろう」
「うるさい!!
エマが俺の子供を産むまで諦めん!!」
野次も飛ぶ。
だが律儀にデイビッドは一々反論して返し、しかもエマには正々堂々ヤリたいと告げた上でもうアプローチ。
清々しくておもろい。
「ねぇー、ソウー」
俺の片腕を抱いて、上目遣いで助けを求めてくる。
「何だエマ、デイビッドは嫌なのか?」
明らかに当てている。
女も女で分かりやすい。
「だってあんなスキンヘッド野郎なんて嫌よ」
「なっ!なんてこと言うんだ!
ソウ!お前分かってるな!?エマを抱いたりなんてしたら!」
「ハイハイわかってるよ。
⋯⋯だってさエマ」
「別に数回身体を重ねるだけじゃないー」
海外は性に結構奔放というが、どうやらマジらしい。
「でも」
甘ったるい香水の匂いが一気に近付く。
横目で見ると、エマが小声で吐息混じりに囁いてくる。
「⋯⋯暑くなったら言ってね?」
もう隠す気もない服の隙間を見せながら妖艶に誘ってくるエマと、数秒見つめ合うとフフッと笑い合う。
「おいてめぇら⋯⋯!」
「ハイハイ悪かった悪かった」
エマちゃんは24歳らしい。
いやーいいね。
匂いといい身体つきといい。
⋯⋯堪らん。
「ソウ、明日も来るのか?
女は何人置いとく?」
扉に手をかけるとデイビッドに軽口を叩かれる。
「とりあえ⋯⋯ずー10」
「本当わけぇのに女好きだな」
「そりゃ溜まるもんが多いからねぇ」
ヒューと口笛を吹くデイビッド。
「そんじゃな」
キシキシ歪む木の扉を押し開け、俺は夜のツキロウでも探索しようかと出る。
煙草をくわえ、俺は一本道であるこの通りを歩く。
「やっぱこうでないとな」
思わずそんな言葉が漏れてしまう。
日本は綺麗過ぎてしまって落ち着かない。
そこら中に散らばってあるなんのゴミかも分からん袋にカラスがつつき、腐敗臭なのか異臭なのか分からん鼻がひん曲がりそうになるこのニオイ。
「ん?」
そんな事を頭に思っていると、近くで殴るような音が聞こえる。
近くに寄って見る。
こういうのは見物するのが楽しいからな。
「⋯⋯?」
そこには、喧嘩ではなく、ただただ暴力の光景が広がっていた。
複数の白人らしき子供たちが無理やり髪を引っ張って黒人の少年をこれでもかというほど虐めている光景だ。
無抵抗だ。
殴られている方は無抵抗にただ受け入れている。
勝ち目がないと踏んでいるのか、それとも意識がないのか。
ただ、俺はこれと言って思う感情はない。
よく見る光景。
感情は動かない。
「ったくつまらないものを見たな」
そう踵を返そうとした時。
「あれ、モンキーモンキー!」
無邪気な子供の声。
他にも見ていた子どもたちの視線が俺に集まる。
「あれ?こんなところでなにやってんの?
イェローモンキーー!チンチョン!」
すぐにうるさい子どもたちの声は静かになる。
ズボッと、俺は貫通した手を引いて汚くなった手を払う。
「汚え。
クソガキが、教育がなってないようだな」
ーー獣人の僕達をなんで助けてくれるの?
頭に過る言葉。
俺は他にもいた子供たちを鎖で拘束しては一人ずつ土下座をさせて俺は尊大に頭を踏む。
「ご、ごめん!!冗談!!」
足元でビクつきながら俺の足を参ったと叩くクソガキ共。
「これだからクソガキは駄目なんだ」
ドスッ、ドスッと。
靴底が少し擦り減っているのを見た。
「はぁ。これ新品なんだけどな」
側にいる最後の冗談だと言った一人のクソガキも、俺と視線が合うと震えて声も出ないらしい。
「お前もだ」
「お、俺は何も⋯⋯!!」
ジュルッと捻れた音と雑巾を絞ったような気味悪い音。
「なんで助けるかって?」
⋯⋯そりゃ簡単だ。
上から落ちてくる返り血の雨を浴びながら、俺は興奮して嗤う。
「獣耳は触り心地が良いんだよ。
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