【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏

文字の大きさ
198 / 247
世界征服編

閑話:上に立つ人間、強者という存在

しおりを挟む
 「石田のアニキー」

 「はぁ。お前ら⋯⋯」

 ベッドの横にパイプ椅子を持ってきてはどっこらせっとジジ臭くスマホを開く馬鹿ども。

 大体俺達こんなところで普通にしていい身分じゃないだろ。

 まぁ、こいつらも英語は若干しか話せないしな。
 
 とはいえ飯は食えてるし女も近くのラウンジ行けばいくらでも会えるし、暇っちゃ暇か。

 少なくとも──俺の周りで携帯をいじるくらいには。

 「アニキ~なんでそんな真面目に仕事してるんすか」

 カタカタ俺はノートパソコンでやることが毎日ある。

 むしろ動けないのを口実に仕事ばかりしているのが実情だ。

 「何言ってんだ。
 お前らの仕事作ってやるために毎日奮闘してるんだろうが」

 PMCもやっと形になってきたことだし、色々展開を伊崎さんと練ってはいるが。

 ブン、と通知が。

 [株式会社とりま]

 メールをパパっと返す。

 するとまたブン、と。

 [株式会社ゲンホー]
 今年の売り上げ、展開の件

 打ち返す。
 だが。

 「くそっ、何回返信しても色んな会社がここぞとばかりに俺にメールを送るのをやめない!!」

 「だから言ったじゃないっすか~。
 仕事なんてしてないで、もっと遊びましょうよ~」

 「⋯⋯そうも言ってられん」

 「伊崎のアニキですか?」

 「あぁ。
 俺達は10代真っ只中の一人に人生助けられてんだぞ?自覚あんのか?馬鹿が」

 タイピングしながらそう問うと、後輩たちはうーんと首を傾げて唸る。

 「なんだ、月収は60万も貰って、不満か?」

 「いやぁ?そういう訳じゃないっすけど」

 「電気、飯、ガス、一通りの金だってあの人のポケットから出てんだぞ?

 煙草代ですらあの人が出してるのに、俺達が何を言うことがあるんだ」

 「いや、なんと言いますか⋯⋯こう⋯⋯実感がなさ過ぎるというか⋯⋯なんというか」

 「なに?」

 画面から視線を外して睨むと、少し仰け反って後輩は手を振る。

 「いや、怒らないでくださいよ。
 最近どうしちゃったんですか?アニキ」

 一人がそう言うと、近くにいる奴らも乗ってくる。

 「そうっすよ、明らかに伊崎のアニキの肩を持ちすぎな気がするすけど」

 「そりゃあ持つだろ。
 俺達全員、人から奪う事なく完結出来る。
 陽の目を浴びながら生きて行けることに感謝すべきだろう」

 「それはそうなんすけど⋯⋯」

 「なんだ?
 お前らは人様を殴ってカネを回収することが当たり前だと?

 お前らこそ最近たるみ過ぎじゃねぇか?
 ええ?」

 「いや、と言っても、俺達頑張ったところで上がる金なんてたかが知れてるじゃないっすか」

 「そらそうだろ。
 60万円分の価値のある仕事⋯⋯お前ら見つけてやれんのか?」

 危険手当なんて言ってるが、実際は何も理不尽なしでいくら付与されてると思ってるんだ。

 「極道の世界だったらもっと⋯⋯」

 「そうっすよ!
 俺達、アニキたちとテッペン獲って悪から奪って俺達がって!

 それを安全が理由でなぁなぁになってる気がして」

 「しかも、当の本人あんな女を連れてやりたい事成すこと大量。

 他も十分耐えてる方っすよ」

 確かに。
 こいつらが言う通り、俺が肩を持っているのは事実だ。

 でもあの日。

 あの日を見てから俺のあの人に対する態度は特に変わった様な気がする。







 「ふぅ⋯⋯やっぱり、朝風呂からの一発は最高だな」

 「はいはい。
 一応もう海外に行く準備は出来てますけど、今日の予定は⋯⋯これ、なんすか?」

 株式会社とりま?
 なんだそれ?

 その場で調べてみても、特に検索に引っかからない。

 しかも、俺に伝えてすらいない謎の企業。

 「伊崎さん」

 「ん?」

 俺は流しで色々必要な書類と決済を見せながら、とりまを混ぜる。

 「これって何の企業です?
 今日視察というか、予定に組み込まれてますよね?」

 「あー、これね。
 個人的な件」

 個人?
 あの下半身に脳みそがある伊崎さんが休日に外出する理由が?

 


 「あっ!伊崎さん!ようこそ!」

 「鈴木さん、一月ぶりですね」

 握手を交わしている相手はどう見ても金を持ってそうな感じではない。

 むしろ逆だ。
 
 「あら、今日は執事さんを連れて?」

 「あっ。石田龍司と申します」
 
 名刺を渡すと中年女性の目つきが変わる。
 というより、俺もすっかりビジネスマンになったなと心底思う。

 「え!?アルケミの!?」

 「あぁ言ってなかったっけ?」

 「凄いわぁ。
 凄い人の周りにはスゴい人が集まるって本当なんですねぇ」

 そんな世間話を終え、中に入るのだが。
 入るとすぐに目が入るのは⋯⋯小さい工場?
 伊崎さんが?

 汚れるのが嫌だから視察に行かないのに?
 まぁでも、見回した様子だと、清潔にはなってるか。

 「今月の収益は?」

 歩きながら伊崎さんが聞いている。
 
 「今月は利用者が50名を超えたから⋯⋯700万円ってところです」

 なんの話だ?
 700万って。

 「黒字ラインは?」
  
 「はい。10万ほどです」

 「それは"適切"に運営して、だな?」
 
 伊崎さんらしくないくらい鋭い目つきだ。
 見られているおばさんは少し仰け反りそうになっているほど。

 「はっ、はい!
 確認いただくことも可能ですが」

 「目を見れば分かる。
 いつも感謝している」

 「こちらこそ!!
 利用者も喜んでいます!」

 「俺のシステムは結構上手く行ってそうか?」

 「あっ、それはむしろ職員が大喜びでして」

 付いて行くと、すれ違う職員が伊崎さんを見るとすぐに会釈しては神のように崇めてすらいた。

 「おぉ、上手く行ってるようだな」

 「伊崎さん、あれは?」

 ちょこっと歩いて見えるのは、コンビニっぽいところ。

 見える限りでも、衣類や食品、割となんでもあるように見える。

 ラインナップも変ではなくて、本当に人気なもので揃えられて。

 「就労支援施設だここは」

 「っ、あ」
 
 障害⋯⋯者施設?

 「俺はこのとりまで全国展開している。
 既に10個程展開していて、国からの補助金で正統に運営している。

 さすがに全国を回るわけには行かないが、金ならあるんだからやれる事をやるべきだ」

 なんとも言えないほどのインパクトが全身を駆け抜ける。

 なんでそんなことをわざわざやるんだ?

 「あっ、昌平」

 「こんひにち!」

 伊崎さんに声を掛けてきたのは、発声がままならない作業服を着た若い男の子。

 「ひさしぶりだな。
 げんきにしていたか?」

 わざわざ喋り方まで遅くして、ゆっくり喋っている。

 どうやらお昼休憩のようで、二人は意気揚々と食堂の椅子に座って喋っている。

 「石田さんは知らなかったのですね」

 隣にやってきたおばさん。

 「え、ええ」

 「初めの頃は信じられなかったんですけど、行政の人とか、なんか高圧的な人たちに対してとんでもない暴言を吐いていて凄いんだけどねぇ⋯⋯ああやって施設の人とよく喋ったり、あっ、ほら見て」

 周りには気付けば利用者たちが伊崎さん囲んで嬉しそうに何かを渡している。

 「あれは?」

 「あれは今日作ったクッキーです。
 普段は箱詰めなどの単純作業をしています。

 あっ、勿論ある程度から始めていますけどね。

 でも。今日は伊崎さんが来ると言ったらみんなが張り切っていつもは集中できないみんなが一生懸命仕事そっちのけで作ったんです」

 おばさんから大体の概要を聞く。

 全く金にならない現実。
 善意で成り立っている構造。
 その中にやってきたのがあの男。
 
 「そー!かっこいい!」
 
 「俺はいつでもカッコイイぞ」

 「伊崎さん、このコンビニシステムを作ったんですよ」
 
 「コンビニシステム?」

 「えぇ。
 黒字化すれば最小限でいいからと、補助金をこの施設独自のとりあえず満足ポイントというものをあそこのコンビニで交換をする事で、飲み物や食べ物、靴下や様々な物と交換出来るんです」

 「へ、へぇ」

 「最初なんでそんな事をするんですか?と聞いたんです。

 運営していくなら他の作業所は腐るほどあるじゃないですか」

 「く、詳しくないのであんまり言えませんが」

 「でも、あの方はこう言ったんです。
 それで食費と衣服代が浮けば生活が楽だろう?って」

 「⋯⋯⋯⋯」

 「年上だけど、素直に尊敬したんです。
 あんな真っ直ぐな子に会えたのは。

 闇を見ても、それを決して見放さずに寄り添おうとしている姿が」

 「やっぱり切迫しているんでしょうか」

 「やっぱり、えぇ。
 生活保護、グループで面倒を見るのも容易じゃありませんから。

 月にここでの利用者は5万円"も"貰えるんです」

 「少なくないですか?」

 「リアルは3000円くらいですよ」

 「⋯⋯は?」

 「ビジネス風に言えば、金にならない仕事しか彼らに任せる事ができないんですよ。

 だから、こういうところで利益を出しながら上手くやるには色々工夫が必要だから闇が深いって言われている業界なんです」

 俺の目には、沢山の笑顔が溢れた大人の子たちが伊崎さんに構ってほしいそうに周りをウロチョロしている。

 「そー!
 ゲームやろ!!」

 なんなんだよ、あのクソガキは。
 俺達の前ではあんな言動と態度のくせに。

 裏でこんなことをやっていたのか。

 「なんだ、箱詰めで1位獲ったのか?」

 「うん!凄い!?」

 「やるじゃねぇか」

 「へへへへー!」

 「⋯⋯⋯⋯」



 それから。
 色々喋り終わった俺達は時間になったので次の場所はと向かわねばならない。

 「またねー!!」

 「⋯⋯またな」

 見送られ、俺は移動の車内で訊ねた。

 「なんで言わなかったんです?」

 「ん?」

 「最初からそう言えば良かったのでは?」

 「良い行いを言う必要はない。
 世界は循環なのだから何も自慢することでもない」

 「循環?」

 「金なんていくら持ってても、使わなきゃ意味ない。

 世界は廻っている。
 自然、俺達、全てのものに。

 お金は一つのエネルギーであり、そのエネルギーが偏れば均衡はおかしくなる。

 今の世界みたいにな」

 「またなんか不可解な事を」

 「まぁ、要するに、特定の部分に集中することをルールが許さないって話だ」

 「なるほど」
 
 「て、言うがな」

 窓の外を見ながら、伊崎さんは何やら考えている。

 「実際、どうやったら世界ってよくなるんだろうな」

 お金も持っていて、力もある。
 女に困っていなければ何も困っていない。
 
 そんな人間が発するには、あまりにも何かじんと来るものがあった。






 「石田のアニキもそう思いません?」

 なんだかなぁ。
 
 「お前らはお前ららしくていい事だとは思うが、見えてるモノが全てじゃないってことは覚えとけよ」

 「「なんか小難しい事言おうとしてます?」」
 
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

異世界帰還者の気苦労無双録~チートスキルまで手に入れたのに幼馴染のお世話でダンジョン攻略が捗らない~

虎柄トラ
ファンタジー
 下校帰りに不慮の事故に遭い命を落とした桜川凪は、女神から開口一番に異世界転生しないかと勧誘を受ける。  意味が分からず凪が聞き返すと、女神は涙ながらに異世界の現状について語り出す。  女神が管理する世界ではいま魔族と人類とで戦争をしているが、このままだと人類が負けて世界は滅亡してしまう。  敗色濃厚なその理由は、魔族側には魔王がいるのに対して、人類側には勇者がいないからだという。  剣と魔法が存在するファンタジー世界は大好物だが、そんな物騒な世界で勇者になんてなりたくない凪は断るが、女神は聞き入れようとしない。  一歩も引かない女神に対して凪は、「魔王を倒せたら、俺を元の身体で元いた世界に帰還転生させろ」と交換条件を提示する。  快諾した女神と契約を交わし転生した凪は、見事に魔王を打ち倒して元の世界に帰還するが――。

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

処理中です...