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白波ホールディングス編
解決?
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「伊崎様、お迎えにあがりました」
「お兄ちゃん、いつから偉くなったの?」
「夕方か、日を跨ぐかもしれん。あと、俺は生まれた時からこの世で最も偉い人間だ」
玄関にて。
南の頭にこの世で一番優しく手を置く。
「南」
「ちょっ! こんなの流行ってない!お兄ちゃんが壊れた!」
「南」
優しく呼びかける。
「な、何よ」
南。俺は今回、お前が成りたかった者に何でもさせられるように。
「ふっ、お前は俺と同じ伊崎の姓を持つ者だ」
「お兄ちゃんどうしたの?本当に壊れちゃった?」
「肝に命じなさい。お兄ちゃんは、南がどんな悪事を染めようと──南、俺はお前の味方だ。同じ姓を持つ者として当然の事だ」
「な、何? まるで何しても良いって言ってるように聞こえるけど」
「何を言うんだ南。当然じゃないか」
軽く発言する俺に、南は若干恐れている。
何をそんなに驚く。
俺は大陸で唯一、法則を無視した男だ。
そこら辺にいる女も、無職の男も、何をしても対価さえ払えば最後は皆笑っていたぞ。
と、ここは地球だと気付くのに、俺は数秒掛かった。
だが──根本的な思想に変わりはない。
「俺と同じ姓を名乗っているんだ。南が男を誑かそうと、殺人を犯そうと、店からパクろうと、欲しいものを欲しいといえば許させるのが俺だ」
「お、お兄ちゃん」
「大丈夫だ。お兄ちゃんは南の味方だと言う話だ。難しく考える必要はない。では行きましょうか」
「は、はい」
背後で敬礼している運転手と共に、俺は家を後にした。
*
「よく来たな! 伊崎くん!」
「ええ」
入った開幕。
会長が長机に様々な食事を並べて俺を待っていたようだ。
両手を広げ、満面の笑みで俺を出迎えてくれた。
ポケットから手を出し会長と厚い握手を交わす。
「さぁさぁ! 木村も座りなさい!」
「あはは」
「あー木村さんでしたね。この間はどうも」
木村という側近とも堅い握手を交わし、席に座る。
「伊崎さんとお呼びしても?」
「何を言いますか木村さん。あなたの方が年上でしょう?お好きなようにしてください」
「──いいえ」
木村は上品に首を横に振って、にこやかに笑って続ける。
「計上だと、もし伊崎さんの助言がなければ、白波は大幅どころではない大打撃を受けておりました。計算しただけでも数千億円に登る被害です。私は懐疑的でしたが、会長の英断によって解決しました」
「なーにを言っている!今はそれよりも食べよう!」
木村が会長に視線を向けると、嬉しそうに会長は目の前の西洋料理に釘付けである。
内心溜息をつきながら俺は食事を始める。
まだ昼前だってのに。
「伊崎くんはまだ若いから良さがわからないか?」
「私が伊崎さん頃の歳では白米に味噌汁で喜んだものです」
会長、馬鹿酔ってるぞ。
どうすんだこれ。
目の前に広がるのは和食、フレンチ⋯⋯だっけ?
とにかく大量の皿の上に乗っかる料理の数々を口に運んでいる。
「伊崎さん、これは旬の5種盛りです。この辺りが食べやすいと思いますよ」
「あ、すみません気遣って頂いて」
あんまり気にしたくもない俺だが、木村さんはわざわざ食べやすいように取り分けまでやってくれている。
あんま言いたくはないけど、日本の父って感じの上品さがあるからか、俺も思わずそんな言葉が出た。
「お肉もありますから。会長はあまり食べるお方ではないので、伊崎さんが平らげて貰っても構いません。あ、後はこの料理は伊崎さんのご家族にもお届けする予定ですから、要らぬ気遣いなどは不要ですよ」
なんて準備がよろしい事で。
ありがとう木村さん。
俺のアシスタントになってくれよ。
「ありがとうございます」
「いいんですよ。私も年頃の息子と娘がいますからね。多少伊崎さんの事をそういう目でみてしまうだけです」
と、少し離れた所で白波会長が既に馬鹿ほど一人で酔っているのを再度見つめる。
呑み始めてまだ30分も経ってないぞ?
「あぁ。会長から伊崎さんへの取引内容の精算を任されておりますのでご安心ください」
「それは良かったです。あの状態で上手く行くかどうか」
「ははは。あぁ見えても会長は昨日、とんでもない形相で事に当たってましたから。私も正直もうあの会長は見たくないですね」
一体何があったんだよ。
まぁ、確かに会長が上機嫌なのは俺も初めて見たけど。
「そろそろ結構食べましたね。あっ、食べながらで結構ですからっと。一応説明していきます」
と俺専用に分かりやすくまとめられているファイルを手渡しで受け取る。
「今回伊崎さんの取引で欲してるモノは汚れても良い場所、白波の中で子会社を一つ設立してほしい。そしてキャッシュの3つで大丈夫ですよね?」
「もちろんです」
「現金は会長の方から言うとのことでここは一旦スルーとさせて頂きますね。汚れても良い場所との事ですが、使用用途はどのような物に?」
「そうですね。一応汚物が多少出てくるので、流しても良い場所⋯⋯と言えばわかりますか?」
「⋯⋯配慮しておきます」
「いや違いますよ?その顔は信用していない人の顔でしたよ?」
「会長からも多少の配慮はしてやれと承っているので、そこは問題ありません。"やり返しも程々にな"だそうです」
ん? なんの事だ?
「これでも私達は白波ですよ? 既に伊崎さんの周辺状況はある程度理解しています。クラスメイトに結構酷い事をされているようだと理解していますよ」
こちらの顔色を見た木村がすぐに返してくる。
あぁ。なるほどね。
そうだったな確か。
「ありがとうございます」
「完璧ではないかもしれませんが、会長が何かあれば白波がバックについてるから安心しろ。なんて仰っていましたし」
「随分歩み寄ってくれたみたいで」
「まぁ⋯⋯誰でも死の前で救ってくれた人がいればそうなります。実際計算だけではなく、会長一家も危うかったのは事実ですし、あの後どれほどの規模になるかも確定しづらい不安要素ばかりでしたから」
⋯⋯だろうな。
実際あの事故は即座にニュースになったみたいだしな。
数兆の赤字から黒字に転換するまでにかなり掛かっていたしな。
「では、この近くの土地にちょうど頃合いの場所がありますし、そこにしますか? それとも候補があったり?」
「そうですね。目的にあった場所がいいので、そこがいいんですよね?」
「目的だけを見たらそうなります。騒音対策から周囲のバレないところまでバッチリです」
木村さんよ。そんな犯罪紛いの事を仮にも考えているような10代の青年にそれはすごい笑みを浮かべてやがるな。
「こちらとしては助かりますが」
「自分の息子だと思うと⋯⋯腸が煮えくり返りそうですよ。なんてことをしてくれてるんだ!って」
「そう言って頂けて何よりです」
「伊崎さんは随分大人なようで。と、場所は一先ずこの場所で?」
「ええ。あとは子会社の話ですよね?」
「はい。ではそっち詰めていきましょうか?」
そうして木村さんと話している内に、あっという間に天気は夕暮れになり、暗くなり。
話は投資関連の話題で盛り上がり。
この時代ではまだそこまで流行りではなかったはずだが?なんて思っていたが、木村さんが変わり者らしい。
テクロノジー系の話から現在の白波の事業内容やビジョン、色々な話が出たのだが。
うん。多分機密情報ダダ漏れ。
これでは不安になるぞ?
なんて思ったが、木村さんがそこまで信用してくれていると、こちらと悪い気はしない。
と、時間は0時を回り、気付けば会長も合わさって朝まで語り合った。
俺って──中学三年生だよな?
「お兄ちゃん、いつから偉くなったの?」
「夕方か、日を跨ぐかもしれん。あと、俺は生まれた時からこの世で最も偉い人間だ」
玄関にて。
南の頭にこの世で一番優しく手を置く。
「南」
「ちょっ! こんなの流行ってない!お兄ちゃんが壊れた!」
「南」
優しく呼びかける。
「な、何よ」
南。俺は今回、お前が成りたかった者に何でもさせられるように。
「ふっ、お前は俺と同じ伊崎の姓を持つ者だ」
「お兄ちゃんどうしたの?本当に壊れちゃった?」
「肝に命じなさい。お兄ちゃんは、南がどんな悪事を染めようと──南、俺はお前の味方だ。同じ姓を持つ者として当然の事だ」
「な、何? まるで何しても良いって言ってるように聞こえるけど」
「何を言うんだ南。当然じゃないか」
軽く発言する俺に、南は若干恐れている。
何をそんなに驚く。
俺は大陸で唯一、法則を無視した男だ。
そこら辺にいる女も、無職の男も、何をしても対価さえ払えば最後は皆笑っていたぞ。
と、ここは地球だと気付くのに、俺は数秒掛かった。
だが──根本的な思想に変わりはない。
「俺と同じ姓を名乗っているんだ。南が男を誑かそうと、殺人を犯そうと、店からパクろうと、欲しいものを欲しいといえば許させるのが俺だ」
「お、お兄ちゃん」
「大丈夫だ。お兄ちゃんは南の味方だと言う話だ。難しく考える必要はない。では行きましょうか」
「は、はい」
背後で敬礼している運転手と共に、俺は家を後にした。
*
「よく来たな! 伊崎くん!」
「ええ」
入った開幕。
会長が長机に様々な食事を並べて俺を待っていたようだ。
両手を広げ、満面の笑みで俺を出迎えてくれた。
ポケットから手を出し会長と厚い握手を交わす。
「さぁさぁ! 木村も座りなさい!」
「あはは」
「あー木村さんでしたね。この間はどうも」
木村という側近とも堅い握手を交わし、席に座る。
「伊崎さんとお呼びしても?」
「何を言いますか木村さん。あなたの方が年上でしょう?お好きなようにしてください」
「──いいえ」
木村は上品に首を横に振って、にこやかに笑って続ける。
「計上だと、もし伊崎さんの助言がなければ、白波は大幅どころではない大打撃を受けておりました。計算しただけでも数千億円に登る被害です。私は懐疑的でしたが、会長の英断によって解決しました」
「なーにを言っている!今はそれよりも食べよう!」
木村が会長に視線を向けると、嬉しそうに会長は目の前の西洋料理に釘付けである。
内心溜息をつきながら俺は食事を始める。
まだ昼前だってのに。
「伊崎くんはまだ若いから良さがわからないか?」
「私が伊崎さん頃の歳では白米に味噌汁で喜んだものです」
会長、馬鹿酔ってるぞ。
どうすんだこれ。
目の前に広がるのは和食、フレンチ⋯⋯だっけ?
とにかく大量の皿の上に乗っかる料理の数々を口に運んでいる。
「伊崎さん、これは旬の5種盛りです。この辺りが食べやすいと思いますよ」
「あ、すみません気遣って頂いて」
あんまり気にしたくもない俺だが、木村さんはわざわざ食べやすいように取り分けまでやってくれている。
あんま言いたくはないけど、日本の父って感じの上品さがあるからか、俺も思わずそんな言葉が出た。
「お肉もありますから。会長はあまり食べるお方ではないので、伊崎さんが平らげて貰っても構いません。あ、後はこの料理は伊崎さんのご家族にもお届けする予定ですから、要らぬ気遣いなどは不要ですよ」
なんて準備がよろしい事で。
ありがとう木村さん。
俺のアシスタントになってくれよ。
「ありがとうございます」
「いいんですよ。私も年頃の息子と娘がいますからね。多少伊崎さんの事をそういう目でみてしまうだけです」
と、少し離れた所で白波会長が既に馬鹿ほど一人で酔っているのを再度見つめる。
呑み始めてまだ30分も経ってないぞ?
「あぁ。会長から伊崎さんへの取引内容の精算を任されておりますのでご安心ください」
「それは良かったです。あの状態で上手く行くかどうか」
「ははは。あぁ見えても会長は昨日、とんでもない形相で事に当たってましたから。私も正直もうあの会長は見たくないですね」
一体何があったんだよ。
まぁ、確かに会長が上機嫌なのは俺も初めて見たけど。
「そろそろ結構食べましたね。あっ、食べながらで結構ですからっと。一応説明していきます」
と俺専用に分かりやすくまとめられているファイルを手渡しで受け取る。
「今回伊崎さんの取引で欲してるモノは汚れても良い場所、白波の中で子会社を一つ設立してほしい。そしてキャッシュの3つで大丈夫ですよね?」
「もちろんです」
「現金は会長の方から言うとのことでここは一旦スルーとさせて頂きますね。汚れても良い場所との事ですが、使用用途はどのような物に?」
「そうですね。一応汚物が多少出てくるので、流しても良い場所⋯⋯と言えばわかりますか?」
「⋯⋯配慮しておきます」
「いや違いますよ?その顔は信用していない人の顔でしたよ?」
「会長からも多少の配慮はしてやれと承っているので、そこは問題ありません。"やり返しも程々にな"だそうです」
ん? なんの事だ?
「これでも私達は白波ですよ? 既に伊崎さんの周辺状況はある程度理解しています。クラスメイトに結構酷い事をされているようだと理解していますよ」
こちらの顔色を見た木村がすぐに返してくる。
あぁ。なるほどね。
そうだったな確か。
「ありがとうございます」
「完璧ではないかもしれませんが、会長が何かあれば白波がバックについてるから安心しろ。なんて仰っていましたし」
「随分歩み寄ってくれたみたいで」
「まぁ⋯⋯誰でも死の前で救ってくれた人がいればそうなります。実際計算だけではなく、会長一家も危うかったのは事実ですし、あの後どれほどの規模になるかも確定しづらい不安要素ばかりでしたから」
⋯⋯だろうな。
実際あの事故は即座にニュースになったみたいだしな。
数兆の赤字から黒字に転換するまでにかなり掛かっていたしな。
「では、この近くの土地にちょうど頃合いの場所がありますし、そこにしますか? それとも候補があったり?」
「そうですね。目的にあった場所がいいので、そこがいいんですよね?」
「目的だけを見たらそうなります。騒音対策から周囲のバレないところまでバッチリです」
木村さんよ。そんな犯罪紛いの事を仮にも考えているような10代の青年にそれはすごい笑みを浮かべてやがるな。
「こちらとしては助かりますが」
「自分の息子だと思うと⋯⋯腸が煮えくり返りそうですよ。なんてことをしてくれてるんだ!って」
「そう言って頂けて何よりです」
「伊崎さんは随分大人なようで。と、場所は一先ずこの場所で?」
「ええ。あとは子会社の話ですよね?」
「はい。ではそっち詰めていきましょうか?」
そうして木村さんと話している内に、あっという間に天気は夕暮れになり、暗くなり。
話は投資関連の話題で盛り上がり。
この時代ではまだそこまで流行りではなかったはずだが?なんて思っていたが、木村さんが変わり者らしい。
テクロノジー系の話から現在の白波の事業内容やビジョン、色々な話が出たのだが。
うん。多分機密情報ダダ漏れ。
これでは不安になるぞ?
なんて思ったが、木村さんがそこまで信用してくれていると、こちらと悪い気はしない。
と、時間は0時を回り、気付けば会長も合わさって朝まで語り合った。
俺って──中学三年生だよな?
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