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帰還
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こんにちは!
まずは書きたかったこの過去の一部分でございます。
全部で100もないと思いたいですが、この作品はちゃんと完走させます!
(えろえろ描写がないため)
やっとかけるーーー!
(全然本編進んでないのに)
場所は羽田空港の裏口。
そこは通常の人間が出入りすることのないVVIPのみが許されるエリア。
ただの成金が居られる訳でもないこのエリアで、1機着陸する姿があった。
その状況を見た数人のCAがすぐに上に報告し、何十人のCAとパイロット達が外へと走り出す。
1機の飛行機がゆっくり着陸し、完全に止まると、タラップ車がやって来る。
その場に走ってきた数十人の職員達がタラップから裏口までの道のりを両脇に並んで作り上げ、VVIPの姿を待つ。
すると、一分ほど経過したとき、中から一人の中年男性が禿げた頭に流れる汗を拭き取りながら先頭で並んで待っている一人の職員に話し掛ける。
だが、その様子は何処か親しげな雰囲気を醸し出していて、他の職員も知っての事なのか、誰もその会話に入ろうともせずにただ姿勢を正して待っているのみ。
「まだ降りてこないようなので、もう少しお待ちいただけ、遠藤」
「かしこまりました」
「いやー、やっと帰って来てくれたよ」
「あ、今回は聞かされていませんでしたが、例の?」
遠藤という職員がそう尋ねると、中年の男はガハハと豪快に笑ってこう返す。
「もう何百回も電話したさー! 日本の状況が非常に悪いから、形だけでも帰ってきてくれないかってな」
「もう数年も居なかったんでしたっけ?」
「あぁ! 勘弁して欲しいくらいだ。我々と同じ日本人なのに、海外の奴らと仲良くするなんてありえん! ここはしっかり──」
そう話していると、機内から笑い声が聞こえ、すぐに中年男は表情を変えながら機内の方へ慌てて向かう。
「ささ! お荷物はお持ちいたしますよー!」
「いらん、退いてろ」
「はいー!」
急いで脇にずれ、そのまま遠藤率いる職員と共に中年男は位置についた。
「来日頂きありがとうございます!!」
『ありがとうございます!!』
数十人にも上る男女が一斉に一人の"少年"に頭を下げる。
全員が下げる対象は一人。
⋯⋯タラップ車から降りてくる一人の少年である。
「お疲れ様です、お時間をお作り致しますか?」
「いやいい、一先ず煙草が吸いたい」
「どうぞどうぞ!何処でも一服なさってくださいませ!!」
様々な場所から少年に対して了承の声が舞う。
「そうなのか、すまないな」
そう言って少年はデュポンライターを取り出して火をつける。
「⋯⋯⋯⋯」
少年は深く一吸いすると、快晴の空を見上げる。
その姿を見た一同は少年のあまりにも美しい顔に思わず息をするのを忘れた。
肩まで伸びる白い髪。
一切の汚れもない肌。
切れ長で顔全体もキリッと。
しかも少年とは思えないほどクールな印象で、目鼻立ちも総じて黄金比。
少年ではあるが、170cmを優に超えるスタイル。
全てを兼ね備えているといえる容姿は、男女関係なく固唾を呑むレベルであった。
そんな少年が空を見上げ、煙草を片手に煙を吐く姿は⋯⋯まさに映画のワンシーン。
全員がその姿をしばらく目に焼き付けたまま、少年が動くのを待っていた。
「久しぶりの日本だ。随分と空気が良いな」
「まさに"神城"様をお迎えする絶好の日だと空も仰っていますよ!!」
「⋯⋯だといいが」
職員で作り上げた両脇の道の真ん中を、神城と呼ばれる少年は堂々と進む。
そしてその両隣には政治家らしきスーツを着ている二人が話し掛けている。
「本日この後お食事でもいかがですかな?」
「最近は新鮮な魚介が入ったと聞きましてな!」
「ほう、そうか。メンツは誰になる?」
「山方と大津、それから大臣の石川です」
「石川の野郎、この間クソッタレみたいな連絡を寄越したんだが、アイツは何なんだ、馬鹿なのか?」
「何か神城様に対して粗相を?」
まずいといった表情で右側で歩いている男が尋ねる。
「アイツ、折角俺が出してやった養護施設の資金をもう少し多くしないか? なんて言いやがった。⋯⋯どうせ横領してんのに」
「お、横領だなんて、石川がそんな馬鹿なことをするはずが無いはずですが」
「ウチの奴らから連絡があったんだ。一億くらい計算が合わないって。明らかに使われているのが見え見えだ。アイツ次あったら根性焼きでもしねぇと気がすまん」
少し少年がそう言うと両隣にいる大の大人が平謝り。
少年たちが通り過ぎ去るまで、誰一人として信じられない場面を見て動揺すら感じていた。
少年たちがこの場から消えたあと、遠藤はそのままの姿勢で止めて良いと一言告げると、全員が深呼吸したまま「だぁー!」と深い溜息が何処もかしこも出ている。
「重圧感凄かったすね」
「あれ、少年なの本当に?」
そんな声があちらこちらから聞こえる。
この場にいる中でリーダーである遠藤は、最初に会った時のことを思い出していた。
⋯⋯もう3年になるのか。
随分時間が経ったな。
あの時彼はまだ7歳そこらだったのに、今じゃ10歳の少年なはずなんだがなー。
──あれじゃもう少年皇帝じゃないか。
ここももうほとんどあの少年の私物と化しているし。一体誰が信じるっていうんだよ⋯⋯。
たった10歳の子供が、政治家たちを跪かせ、機嫌を取らせるなんてよ。
──まぁ、かくいう俺も見るまで信じられなかったが。
「とりあえず今日の業務は終わりだ、今後プライベートで来られる事もあるかも知れないから、またVVIPが来たら即報告するように!」
遠藤の号令で一斉に元の業務へ戻り、この場には平和が訪れたのである。
まずは書きたかったこの過去の一部分でございます。
全部で100もないと思いたいですが、この作品はちゃんと完走させます!
(えろえろ描写がないため)
やっとかけるーーー!
(全然本編進んでないのに)
場所は羽田空港の裏口。
そこは通常の人間が出入りすることのないVVIPのみが許されるエリア。
ただの成金が居られる訳でもないこのエリアで、1機着陸する姿があった。
その状況を見た数人のCAがすぐに上に報告し、何十人のCAとパイロット達が外へと走り出す。
1機の飛行機がゆっくり着陸し、完全に止まると、タラップ車がやって来る。
その場に走ってきた数十人の職員達がタラップから裏口までの道のりを両脇に並んで作り上げ、VVIPの姿を待つ。
すると、一分ほど経過したとき、中から一人の中年男性が禿げた頭に流れる汗を拭き取りながら先頭で並んで待っている一人の職員に話し掛ける。
だが、その様子は何処か親しげな雰囲気を醸し出していて、他の職員も知っての事なのか、誰もその会話に入ろうともせずにただ姿勢を正して待っているのみ。
「まだ降りてこないようなので、もう少しお待ちいただけ、遠藤」
「かしこまりました」
「いやー、やっと帰って来てくれたよ」
「あ、今回は聞かされていませんでしたが、例の?」
遠藤という職員がそう尋ねると、中年の男はガハハと豪快に笑ってこう返す。
「もう何百回も電話したさー! 日本の状況が非常に悪いから、形だけでも帰ってきてくれないかってな」
「もう数年も居なかったんでしたっけ?」
「あぁ! 勘弁して欲しいくらいだ。我々と同じ日本人なのに、海外の奴らと仲良くするなんてありえん! ここはしっかり──」
そう話していると、機内から笑い声が聞こえ、すぐに中年男は表情を変えながら機内の方へ慌てて向かう。
「ささ! お荷物はお持ちいたしますよー!」
「いらん、退いてろ」
「はいー!」
急いで脇にずれ、そのまま遠藤率いる職員と共に中年男は位置についた。
「来日頂きありがとうございます!!」
『ありがとうございます!!』
数十人にも上る男女が一斉に一人の"少年"に頭を下げる。
全員が下げる対象は一人。
⋯⋯タラップ車から降りてくる一人の少年である。
「お疲れ様です、お時間をお作り致しますか?」
「いやいい、一先ず煙草が吸いたい」
「どうぞどうぞ!何処でも一服なさってくださいませ!!」
様々な場所から少年に対して了承の声が舞う。
「そうなのか、すまないな」
そう言って少年はデュポンライターを取り出して火をつける。
「⋯⋯⋯⋯」
少年は深く一吸いすると、快晴の空を見上げる。
その姿を見た一同は少年のあまりにも美しい顔に思わず息をするのを忘れた。
肩まで伸びる白い髪。
一切の汚れもない肌。
切れ長で顔全体もキリッと。
しかも少年とは思えないほどクールな印象で、目鼻立ちも総じて黄金比。
少年ではあるが、170cmを優に超えるスタイル。
全てを兼ね備えているといえる容姿は、男女関係なく固唾を呑むレベルであった。
そんな少年が空を見上げ、煙草を片手に煙を吐く姿は⋯⋯まさに映画のワンシーン。
全員がその姿をしばらく目に焼き付けたまま、少年が動くのを待っていた。
「久しぶりの日本だ。随分と空気が良いな」
「まさに"神城"様をお迎えする絶好の日だと空も仰っていますよ!!」
「⋯⋯だといいが」
職員で作り上げた両脇の道の真ん中を、神城と呼ばれる少年は堂々と進む。
そしてその両隣には政治家らしきスーツを着ている二人が話し掛けている。
「本日この後お食事でもいかがですかな?」
「最近は新鮮な魚介が入ったと聞きましてな!」
「ほう、そうか。メンツは誰になる?」
「山方と大津、それから大臣の石川です」
「石川の野郎、この間クソッタレみたいな連絡を寄越したんだが、アイツは何なんだ、馬鹿なのか?」
「何か神城様に対して粗相を?」
まずいといった表情で右側で歩いている男が尋ねる。
「アイツ、折角俺が出してやった養護施設の資金をもう少し多くしないか? なんて言いやがった。⋯⋯どうせ横領してんのに」
「お、横領だなんて、石川がそんな馬鹿なことをするはずが無いはずですが」
「ウチの奴らから連絡があったんだ。一億くらい計算が合わないって。明らかに使われているのが見え見えだ。アイツ次あったら根性焼きでもしねぇと気がすまん」
少し少年がそう言うと両隣にいる大の大人が平謝り。
少年たちが通り過ぎ去るまで、誰一人として信じられない場面を見て動揺すら感じていた。
少年たちがこの場から消えたあと、遠藤はそのままの姿勢で止めて良いと一言告げると、全員が深呼吸したまま「だぁー!」と深い溜息が何処もかしこも出ている。
「重圧感凄かったすね」
「あれ、少年なの本当に?」
そんな声があちらこちらから聞こえる。
この場にいる中でリーダーである遠藤は、最初に会った時のことを思い出していた。
⋯⋯もう3年になるのか。
随分時間が経ったな。
あの時彼はまだ7歳そこらだったのに、今じゃ10歳の少年なはずなんだがなー。
──あれじゃもう少年皇帝じゃないか。
ここももうほとんどあの少年の私物と化しているし。一体誰が信じるっていうんだよ⋯⋯。
たった10歳の子供が、政治家たちを跪かせ、機嫌を取らせるなんてよ。
──まぁ、かくいう俺も見るまで信じられなかったが。
「とりあえず今日の業務は終わりだ、今後プライベートで来られる事もあるかも知れないから、またVVIPが来たら即報告するように!」
遠藤の号令で一斉に元の業務へ戻り、この場には平和が訪れたのである。
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