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ちょす氏

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相手に合わせるのも知能の差というもの

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 さて、皆さんは友達や職場で話している時、どれくらいの割合で会話ターンが分かれていると思う?
 あぁ⋯⋯別に責めたりしたいわけじゃない。

 まぁ色々だよな? 自分が多い時もあれば、相手が多い時もある。
 しかしたまに、自分が相手に対して話しやすいと思ったことはないだろうか?

 ⋯⋯そう。まさにこれは聞き役くんの能力である。
 こちらを気持ちよく話させてくれているのだ。

 是非皆さんもハッとしたら相手に対して話を振るようにしてみよう。
 ただ、こんな話している量で友達関係が云々言ってくるやつがいるのだが、それはクソだから聞かなくていい。
 ──友達なんだから。

 これはどうでもいい営業先や、ちょっと話す程度の職場の知り合い相手にしておくといい。
 いいか? 何事も程々が一番ってやつなんだ。

 え? なんでそんなことを今話すかって?

 「混血が一緒の馬車なんて最悪だぜ」
 「本当だよなぁ」
 「おい、お前スパイじゃねぇよな?」

 うん。こういうことさ。分かるだろ?
 クソほどだるい。

 「スパイなわけないだろ。なんでわざわざ参加するんだよ。なら」
 「現場の把握だのお偉いさんにはわからねぇがそういうのもあるだろ」
 「向こうの国なんかほとんど行ったことすらねぇよ。混血っつっても、色々あんだよ」
 「ハッ!どうだか」

 はぁ。だるいわぁ~。
 混血ってこれだから不便なんだよなぁ。
 というわけで。混血だなんだってあまりにもうるさいので、実力で黙らせようと思います!
 ⋯⋯主にフィジギフで。




 「お前⋯⋯すげぇな」
 「だから言っただろ? こんなにやってんのに」

 どれ見たか! 
 君たちにはわからないだろうが、荷物の運び方にはコツがあるんだよ。

 「ほら、おじさん。背筋伸ばして」
 「んぉ?こうか?」
 「そうそう」

 すると苦虫を噛み潰す顔をしていた不機嫌なおじさんの表情がみるみる明るくなっていく。

 「おぉ!なんだか身体が軽くなったみたいだ!」
 「おいおい⋯⋯少しやったくれぇで何言ってんだよ。どれ、俺にもやってくれよ」

 ⋯⋯やってもらいたいだけじゃねぇか。


 そうしてとりあえず馬車で同じ班となった奴らの印象操作と評判を持ち直して、お仕事をこなしていく。

 意外とやる事は多い。
 食糧を運ぶのに夕方近くまで掛かり、そしたら現地の騎士との確認作業。
 そしたら周りの安全確認と次の目的地に向かって新しい物を別の防衛地点まで運ぶ為の打ち合わせと段取り。

 現在ここは一番後方の、いわば最終防衛ラインであるボガン要塞。ここから全ての物資が各防衛地点に向かって運んで行く為、本番はむしろここからだ。

 夜の21時前。日本とは違う夜空の星を眺めながら、俺は水を片手に木に寄りかかり、色々な昔を思い出して黄昏れていた。

 出発してから2週間近くか。
 アイツらは元気にしているだろうか。

 「ほら、ノア!」
 「っと! ありがとよ」

 一番突っかかってきてたおじさんのセジと言ったか?
 今では一番関わってきてくれる。

 「にしてもよぉ、今回の戦争も、死人が出るよな?」

 隣に座ってきたと思ったら、どうしたんだ?
 何かあったのか?

 「当たり前じゃないか。おっちゃんは前線に行ったことがあるのか?」
 「⋯⋯あぁ。鉄と血のニオイが今でも忘れられないんだ」
 「大変だったな」
 「ガキに言われるまでもねぇ」
 「だな」

 ガキに言われてもって感じだよな。
 おっちゃんからの干し肉を齧りつつ空を一緒に見上げる。

 「お前は自身が混血だと分かってて、なぜここまで頑張る? あぁ、別に他意はない」
 「友達が」
 「ん?」
 「友達が前線で戦ってるんだ。せめて飯くらい食えるようにこの食糧を早く運んで、前線に行ってもらう必要があるから」
 「⋯⋯そうか。俺も妻が向こうで戦ってるんだ」
 「思う所はあるよな」
 「あぁ。守らなきゃいけないのによ」

 この世界はこういう所があって、ギフトによっては性差がひっくり返る事もある。
 このように、男が立場が弱くなるケースもしばしばよく見る光景だ。

 「前線かぁ⋯⋯もしかしたら、案外友達と喋ってるかもな」
 「あぁ。レンシアの野郎共、なんでこうもやりたがるかなぁ。戦争なんていい事ねぇっつーのに」

 この世界に来ても、戦争が良い訳ないなんてことはみんな根っこにある。
 しかし、みんな仕方なく向かってるんだ。
 胸がキュッとするよ。

 「無事に帰れるといいな」
 「あぁ」

 チリン、と少し高級そうなグラスを合わせる。
 俺も成人したから酒は飲めるが、こうして少しキュッとなって若干のイライラが残る酒は、久しぶりだ。

 ⋯⋯まだそんなに時間は経っていないが、早く終わる日が来ることを願って。
 俺は夜空を見上げて居もしない神様に向けてグラスを少し浮かせた。
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