有栖と奉日本『垂涎のハローワールド』

ぴえ

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第八章_一日前

一色_8-3

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 一色は腰に手を添えて、警棒を取り出すことを考えたがそれを止めた。相手が人間ならともかくロボットならば攻撃を与えるにしても破壊するまでのダメージが必要となる。それが一撃で可能か、と検討するだけ無駄なことだと判断したのだ。その検証に時間を要する時間が彼には惜しい。
 
 ――行きたい場所はこの先やけど……

 一色の視線はロボットの向こう側にあるドアへと向いた。そして、そこに行くにはロボットを越える必要がある。

 ――最短距離はロボットを越えることやけど、戦闘の時間はロスや。せやったら、他の経路を選択して回り込んだ方が早い

 そう決断すると、一色はロボットが上れないであろう階段に向かって走り出す。当然のようにロボットは彼を追ってきたが、それでも階段までに追いつくことは出来なかった。
「よし」
 一色は二階へと上がり、軽く後ろを振り返るが、やはりロボットが追ってくる気配はない。しかし、
「――!!」
 二階に上がると、先程見た同型のロボットが数体設置されており、右手方向の通路を塞いでいる。そちらを避けるように、一色は通路を選択するが進むと再びロボットがおり、彼を認識すると追ってくる。慌てて、別の通路を選択する――これを繰り返した。

 ――誘導されとるな

 不自然なロボットの配置。そして、追走はしてくるが追いつく様子がないこと。逃げられているようで、道を選択させられていることに一色は気づいていた。
 気がつけば、三階。そして、一つの部屋に入ると――
「……お待ちかねってとこかな?」
 一色が入った部屋。その広々としたフロアには双子の青年――彼方と此方が立っていた。
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