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第四章:三極-3-
有栖_4-3
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有栖は真っ直ぐに走りながらも、身体を上下左右に振りながら動き、銃口の狙いを定めさせないようにすると、相手が引き金を引く前に腕を掴んだ。
そのまま銃を持つ手を押さえると、銃口を床に向ける。
「くそっ!」
三回発砲するが、弾丸は床にめり込むだけで有栖は怯まず、手を離す様子もない。それどころか、相手の手に膝蹴りを数回当てて、無理矢理に銃を引き離した。
「よっと」
銃が床に落ちると、有栖はそれを蹴る。階段の方へと滑っていくのを確認したが、
「うわっ!」
伏見が足払いで有栖を転倒させた。仰向けに倒れた彼女が認識したのは素早く、腰に両手を回した伏見だった。左手には白鞘、右手には白刃――彼は腰に短刀を隠していたのだった。
「げっ……」
伏見は抜刀し、鞘を投げ捨てると、刃の切っ先を有栖の顔面に向かって突き刺そうとした。
ガキン、と刃は床へと刺さる。有栖は首だけを捻って避けて、そのまま転がって伏見との距離を取った。
――動きに無駄がない。躊躇い無く殺そうとする辺り……やっぱり強敵だな。
短刀を引き抜く伏見を見据えながら、有栖はそう確信した。
そのまま銃を持つ手を押さえると、銃口を床に向ける。
「くそっ!」
三回発砲するが、弾丸は床にめり込むだけで有栖は怯まず、手を離す様子もない。それどころか、相手の手に膝蹴りを数回当てて、無理矢理に銃を引き離した。
「よっと」
銃が床に落ちると、有栖はそれを蹴る。階段の方へと滑っていくのを確認したが、
「うわっ!」
伏見が足払いで有栖を転倒させた。仰向けに倒れた彼女が認識したのは素早く、腰に両手を回した伏見だった。左手には白鞘、右手には白刃――彼は腰に短刀を隠していたのだった。
「げっ……」
伏見は抜刀し、鞘を投げ捨てると、刃の切っ先を有栖の顔面に向かって突き刺そうとした。
ガキン、と刃は床へと刺さる。有栖は首だけを捻って避けて、そのまま転がって伏見との距離を取った。
――動きに無駄がない。躊躇い無く殺そうとする辺り……やっぱり強敵だな。
短刀を引き抜く伏見を見据えながら、有栖はそう確信した。
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