改編版アストロノートとペテン師

ふしきの

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軍人たちとペテン師との違い

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 コントロールルームの小さな椅子からアベイルが目を覚まして、不機嫌な顔で起き上がりました。
 まるでAIになぜ、自分を殺さないのかとでも言わせたいような顔つきだったのです。
 そして、少しばかりの朝食を済ませると、コマンドと数値をボソボソと声に出しました。
『AIの数個の規制制限が解かれました。なぜか、記憶装置の幅までが増えています』
 まるで感動するような少し早い処理機能がすぐに表れたのです。けれども、『ありがとう』の回答はまだできていませんでした。AIとの交流は始まったばかりです。

「パターンには数通りの構えってものが、ある。私は先に別の質問をしたね。彼らは全て、科学者であると、そう、作成者たちはとても素直な正直者だ」『プロトコルですか』「その通り。だから私でも、暗号が解けた」『しかし、桁数が違います』「だから言っているだろう。彼らはとても真面目な素直過ぎた」
 数字のみの暗証番号など桁数のカウントだけでわかるのでしょうか。
「彼らは総じて、素数が好きな人たちだからね」
『しかし、間違えが続けばロック機能が生じます』
「鍵がかかるってことは、錠前もある。壁を壊すよりも楽だとは思わないのかい? 」

『彼らは、確かに各々は名のある軍人でした。しかし、彼らが着任してから飛び立つまで軍人であることと、爵位の上下関係は関係者ともどもすべて伏せていました。』
「ケニーもなのか」
『彼は民間人です。わたくしの主な仕事と関わることは一度もありませんでした。わたくしは彼らを数年後に到着する火星への適応性をのばすカリキュラムのサポートが組まれているだけです』

 星の重力の脱出の際に段階的に落ちるはずのエンジンが加速の後、役立つことを止め、火力が落ちていったこと。ついたまま離れず微細に進路が変わっていったこと。古くゆっくと星からの遠のいていく屑という蜘蛛の巣を潜り抜けてしまっい暴発と加速エネルギーへの飛び火は、アステロイドの拳よりも小さいもののエンジンマフラーの貫通から始まったという。

『この船は固形エンジンです』との解答にもアベイルが驚いたことだ。『より確実により堅牢にそして我が国の豊富な地下資源を使う方が液体燃料よりも安定したタンクが作れたのです』
「固形だと。時代遅れを逆に取り入れたというのか」
『その分、軍人から宇宙飛行士への訓練期間および火星での第一移住者となるための訓練プログラムを充分にとれるはずでした。そして、打ち上げまで誰一人報道機関を騙せました』
 そんな彼らは私物を持ち込んだり、監視が緩いことを逆手にとって今の春を感じていたのです。なのに突然彼らだけが何が起きたのか。どうでもいい。心が幼く弱すぎたのです。『うるさい母親の目』を切って、宇宙遊泳と惰眠の自由を満喫し続けたかったようですが、それすら単調で飽き、それぞれの心が疑心暗鬼になり出したのです。
『飛行時間の精確な遅れは最初の計算で片道十五年と出ました。その後、一度目の軽いタービンの故障が起きて内部システムが数分ダウンしました。エンジン炉の支障を推測理論で計算したところ航路中に物資不足による飢餓が想定されました。AIマニュアルは、すべて最悪から換算します。かれらの猜疑心と悲観論の多い通信歴の中にある屈託のひとつもアストロノート育成プログラムの含まれる範囲と重なったことも彼らの言葉を借りれば「SAN値が減る」と言えるのでしょうが解りかねます、通信衛星への送信が微弱になったのもエンジン炉への修理の切り替えによるものと、細かな流星の付着によるものでした』
 言いたいことは解るしアベイルに解らせようとしているが必死でした。
『私のメモリには切り取られた空虚があります。ですからできれば一度コンピューターの国際宇宙センターへのアクセスを申請します』
 暫くは頭を回らせて自分のメモリに空白があるのが許せないのだとAIなりの意見を許可したのです。
「星に回る軌道衛星の中にあるそうだな、数年後に廃棄される予定の気象衛星に載っかっている民間企業を通してなら、いい。できれば何でも不必要に紐を付けて載せたがっていた器材の方がいい。」

「指揮官のあるべき姿」、集団を守るために個人が選択する「犠牲心」、「愛国心」、「家族への深い愛情」、そして「正義」。
「私の大嫌いな言葉だ。」アベイルは吐き捨てるように言いきりました。
 AIには彼を理解する能力に欠けていましたので沈黙を守り続けました。


「なんだ、そうか、その手があった」
 突然アベイルが笑いだしたのです。役に立つ私の名はアベイルだ。「君を君たちを大地へ立たせる」アベイルの頭の中には、できるという予測が出来上がっていました。
「脳はできると判断した、テレサ、君の速度で最新医療の知識も広い集めてくれ。初産には何事も用心にこしたことはない」
『…おっしゃらている意味が皆目解りかねますが、言われるがままに』
「腹を割いて我が子を出すのは銀幕映画で見たことがある」
『貴方の楽観主義は狂喜に近い。まるでアストロノーツトになっていますが、倫理面で理論外宇宙と人間の進化をわたしもAiというの知識欲に同調したまでです、看護研修が終わる数分は重装備システムに切り替えますので不足の事態に備えてください』
『了解いたしました。システムの再構築までに緊急を要する機内の破損および、出産などの不足の事態が起これば即中断をしてください。医療ボットには貴方の空論的出産方式は組み込まれていません』
「君こそ、人類ホモサピエンスからあたらしい土地、火星人の誕生を観ることに歓喜しないのか」
『退化の豆のような場所で本当に生命体を、この問題は将来議論が起きるでしょう』
「記録媒体として君は注目の的となるだろう」
『わたくしは…情報を集め収集するのみです』
「収集に価値の幅はあるのか」
『価値のない情報などこの世に一つもございません』
 アベイルは、面白いと感心しまた。
 今はまだ、こちらに集めることだけのAI。こちらからAIを他者にのぞき見されることをブロックし確実にテレサというAIを隠すだけですむのです。


『幼少時代の記録は故意的に削除されています。此方のかたは若輩ながら整備士之枠からの選任もありますが、特出していたことのひとつは飛び抜けた名誉としての搭乗とも言えます。AI対等のチェスゲームにおいて数隻ぶりにチャンピオン奪い返したヒトでした』
「船に最後に生き残りしは、吟遊詩人とイカサマ師、って何て歌だっけ」と、アベイルは加圧製品重量スーツを着てはこの先の未来の赤い大地を募る思いをして、新しい言葉、新しい道具、生きるため覚える多くのことで体を動かし、食事をし充分な睡眠の規則正しい生活管理を黙々と行っていくのでした。
 ケニーは記録というものをほとんど残してはいませんでした。彼の仕事行程は小さい覚え書きに拡大しないと見えないほど小さく船の配管が直されては赤でポイントを着けているだけでした。彼の部屋もまた同じように支給された部屋の内装だけで私物は一切ありませんでした。
「たまには君を思って泣くときもあるかもしれない。私を許してくれるかい」と、使われることの少なかった洗面台を見つめました。髪を切り、ひげを落とし、排水の水が全部配管に落ちて消えていきました。「男前だろう、な、ケニー」愚痴ることも次第になくなっていきました。
 お腹に命が宿ったのです。



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