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Ⅳ章
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魔王ミイデラゴミムシの放屁は強力だった。
「ぐああっ!?こ、こいつは堪らんぞぉっ!?」
「があああぁあっ!?」
実のところ、ミイデラゴミムシの放屁は自らを襲う天敵を追い払うことはできても、致命的な怪我を与えることはできない。
噴出した放屁は確かに悪臭で天敵を怯ませるが、臭いだけで怪我をさせることはできないし、噴き出される放屁の温度は100度近くなるとはいえ、霧状に噴き出されるためにすぐに温度が拡散して、びっくりさせる程度の熱さでしかないため、対象の生き物によっては火傷すら難しい場合がある。
人ならば一度経験をして、これくらいかと分かった上なら我慢できるくらいには割と大丈夫だったりする。
あくまでも天敵に襲われた際の防御手段であり、爪や牙のように攻撃に使用できるわけではない。
しかし、魔王ミイデラゴミムシの場合は違う。
まず魔力カノンスキルの詳しい説明をしよう。
実は魔王クリエイターによって創られるスキルは全てエルルが考えて、付与している。
スキルという形で想像をそのまま創造できる、ということである。
対象の性質から大きく外れるスキル、もとい想像が現実と乖離しているほどスキルの付与に必要な容量が増えていくと言う制限が存在するが、この場で言いたいのはそこではない。
エルルが一から考えるのはスキル内容だけではなく、スキル名もまた同じである。
つまり。
魔力カノンと言う名前のスキルは実は魔力カノンではない。
もとい、魔力カノンと言う言葉から推察できるスキル効果とは異なる。
魔力カノンと言う言葉からカノン砲を元にした…いわゆる大砲の中でも特に大きく、射程が長く、火力の高い大砲をカノン砲と地球では呼ぶが…カノン砲の魔力バージョン的な魔力を大砲のように射出するようになる、わけではない。
効果は至極単純。
魔力でミイデラゴミムシの放屁を強化すると言う効果である。
その効果から例えば他の魔王種達にこのスキルを付与したところで意味がない、魔王ミイデラゴミムシ専用スキルであった。
結論から言えば、霧状の放屁攻撃を魔力で強化することで普通の放屁より火力や射程などを上げるスキルとなる。
具体的には魔王ミイデラゴミムシの放屁するために必要な化学物質の量を少なくする節約効果。
魔力によって化学変化を強力に助けることが可能になる結果だ。
より多く、広範囲に、高頻度で放屁を行えるようになり、噴霧状ゆえに短かった射程も少しは改善されている。
次に温度だ。
これも強化され、その瞬間最高温度は魔王化される前の10倍以上である1200度近くにも達する。
まともに食らえば大火傷を負うのは言うまでもない。
さらには魔力により強化された霧状の放屁という名のガスは魔王化前のガスに比べて、霧状になっても温度の拡散が少なく、皮膚にこびり付くために熱いものを触ったり、火を浴びたりするとき以上に火傷しやすく、重症化しやすい。
最後に匂い。
これまた魔力によって強化された放屁は、明確に刺激物として分類されるくらいには強力で、不用意に浴びれば目の痒み、涙、痛みに襲われ、鼻水が止まらなくなり、咳や頭痛、めまいや吐き気を催す。
それを浴びた源流院と大郷寺の2人はと言うと、体の前面に大火傷を負い、火傷で皮膚をダメにしてからの刺激物としての効果が発揮されて、瀕死の重症アンドあまりの痛みにのたうち回る。
はずだった。
忘れてはならないのが、魔王エルルちゃんの超水魔法や超土魔法を使っても死ななかった盗賊達。
彼らが魔王エルルちゃんの超魔法シリーズを受けて死なないどころか五体満足でいられたのは、桜花神拳を学んでいたためである。
もちろんのこと、盗賊に落ちぶれずにしっかりと修行している桜花神拳の現役門下生である2人ならば当然のように魔王ミイデラゴミムシの放屁攻撃にも耐え得る。
まあ、耐えられるだけで効かない訳ではないし、痛いことには変わりないのだが。
「づぅあぅっ?…っぞらぁああっ!!」
源流院は体を火傷で痛めながらもその傷をモノともせずに避けるでもなく、下がるのでもなく、前へと踏み出した。
桜花神拳を扱う人間が超魔法シリーズを受けても傷を軽減できる理由はその体内魔力の運用法にある。
彼らはただの『魔力』を基本として、神経を辿る微弱な電流と魔力を合わせて練り上げた『霊力』、体内の熱力と魔力を合わせた『気』、魔力以外の2種エネルギーを創り出す。
さらにはその2種の『霊力』と『気』を混ぜ合わせた『魂力(呪力)』、『魂力』に再度、魔力を重ねて練り上げることによって創り出される『神気』。
この5種のエネルギーを扱うことにより桜花神拳を修めている人間は超人的身体能力を得る。
そして、桜花神拳にはその5種のエネルギーをどれだけ使いこなせるかによって、力量が決まる。
「桜花神拳奥義の一。
桜花萌拳ッ!!」
ずどん。
源流院が繰り出した拳はほんのりと桜色の気を撒き散らしながら、放屁を食らわせて倒しただろうと油断していた魔王ミイデラゴミムシの顔面へと叩き込まれた。
「むっ!?2束では足りぬか?」
さらに桜花神拳を扱う人間は5種のエネルギーのうち、『同時』に扱えるエネルギーの数によって赤みがかった桜色の蒸気のようなものを体表から発生させる。
桜花神拳の名の由来の一つである桜色の蒸気は2種以上のエネルギーを同時に体内で練り上げることで発生する。
源流院が2種類のエネルギーを右腕にこめて放った奥義は桜花神拳における十ある奥義の一つ。
一 桜花萌拳。
拳に込めた2種以上のエネルギーを相手に叩き込むだけのシンプルな奥義である。
2種のエネルギーで人間離れしたレベルに強化された拳はそれだけで岩をも砕く、大砲と化す。
さらには拳を当てると同時に2種のエネルギー自体もぶつけるために、さらに破壊力がアップ。
下手な銃器より余程威力の高い一撃を放つ技である。
まあ、魔王ミイデラゴミムシの甲殻には効果が薄かったようだが。
「ぐああっ!?こ、こいつは堪らんぞぉっ!?」
「があああぁあっ!?」
実のところ、ミイデラゴミムシの放屁は自らを襲う天敵を追い払うことはできても、致命的な怪我を与えることはできない。
噴出した放屁は確かに悪臭で天敵を怯ませるが、臭いだけで怪我をさせることはできないし、噴き出される放屁の温度は100度近くなるとはいえ、霧状に噴き出されるためにすぐに温度が拡散して、びっくりさせる程度の熱さでしかないため、対象の生き物によっては火傷すら難しい場合がある。
人ならば一度経験をして、これくらいかと分かった上なら我慢できるくらいには割と大丈夫だったりする。
あくまでも天敵に襲われた際の防御手段であり、爪や牙のように攻撃に使用できるわけではない。
しかし、魔王ミイデラゴミムシの場合は違う。
まず魔力カノンスキルの詳しい説明をしよう。
実は魔王クリエイターによって創られるスキルは全てエルルが考えて、付与している。
スキルという形で想像をそのまま創造できる、ということである。
対象の性質から大きく外れるスキル、もとい想像が現実と乖離しているほどスキルの付与に必要な容量が増えていくと言う制限が存在するが、この場で言いたいのはそこではない。
エルルが一から考えるのはスキル内容だけではなく、スキル名もまた同じである。
つまり。
魔力カノンと言う名前のスキルは実は魔力カノンではない。
もとい、魔力カノンと言う言葉から推察できるスキル効果とは異なる。
魔力カノンと言う言葉からカノン砲を元にした…いわゆる大砲の中でも特に大きく、射程が長く、火力の高い大砲をカノン砲と地球では呼ぶが…カノン砲の魔力バージョン的な魔力を大砲のように射出するようになる、わけではない。
効果は至極単純。
魔力でミイデラゴミムシの放屁を強化すると言う効果である。
その効果から例えば他の魔王種達にこのスキルを付与したところで意味がない、魔王ミイデラゴミムシ専用スキルであった。
結論から言えば、霧状の放屁攻撃を魔力で強化することで普通の放屁より火力や射程などを上げるスキルとなる。
具体的には魔王ミイデラゴミムシの放屁するために必要な化学物質の量を少なくする節約効果。
魔力によって化学変化を強力に助けることが可能になる結果だ。
より多く、広範囲に、高頻度で放屁を行えるようになり、噴霧状ゆえに短かった射程も少しは改善されている。
次に温度だ。
これも強化され、その瞬間最高温度は魔王化される前の10倍以上である1200度近くにも達する。
まともに食らえば大火傷を負うのは言うまでもない。
さらには魔力により強化された霧状の放屁という名のガスは魔王化前のガスに比べて、霧状になっても温度の拡散が少なく、皮膚にこびり付くために熱いものを触ったり、火を浴びたりするとき以上に火傷しやすく、重症化しやすい。
最後に匂い。
これまた魔力によって強化された放屁は、明確に刺激物として分類されるくらいには強力で、不用意に浴びれば目の痒み、涙、痛みに襲われ、鼻水が止まらなくなり、咳や頭痛、めまいや吐き気を催す。
それを浴びた源流院と大郷寺の2人はと言うと、体の前面に大火傷を負い、火傷で皮膚をダメにしてからの刺激物としての効果が発揮されて、瀕死の重症アンドあまりの痛みにのたうち回る。
はずだった。
忘れてはならないのが、魔王エルルちゃんの超水魔法や超土魔法を使っても死ななかった盗賊達。
彼らが魔王エルルちゃんの超魔法シリーズを受けて死なないどころか五体満足でいられたのは、桜花神拳を学んでいたためである。
もちろんのこと、盗賊に落ちぶれずにしっかりと修行している桜花神拳の現役門下生である2人ならば当然のように魔王ミイデラゴミムシの放屁攻撃にも耐え得る。
まあ、耐えられるだけで効かない訳ではないし、痛いことには変わりないのだが。
「づぅあぅっ?…っぞらぁああっ!!」
源流院は体を火傷で痛めながらもその傷をモノともせずに避けるでもなく、下がるのでもなく、前へと踏み出した。
桜花神拳を扱う人間が超魔法シリーズを受けても傷を軽減できる理由はその体内魔力の運用法にある。
彼らはただの『魔力』を基本として、神経を辿る微弱な電流と魔力を合わせて練り上げた『霊力』、体内の熱力と魔力を合わせた『気』、魔力以外の2種エネルギーを創り出す。
さらにはその2種の『霊力』と『気』を混ぜ合わせた『魂力(呪力)』、『魂力』に再度、魔力を重ねて練り上げることによって創り出される『神気』。
この5種のエネルギーを扱うことにより桜花神拳を修めている人間は超人的身体能力を得る。
そして、桜花神拳にはその5種のエネルギーをどれだけ使いこなせるかによって、力量が決まる。
「桜花神拳奥義の一。
桜花萌拳ッ!!」
ずどん。
源流院が繰り出した拳はほんのりと桜色の気を撒き散らしながら、放屁を食らわせて倒しただろうと油断していた魔王ミイデラゴミムシの顔面へと叩き込まれた。
「むっ!?2束では足りぬか?」
さらに桜花神拳を扱う人間は5種のエネルギーのうち、『同時』に扱えるエネルギーの数によって赤みがかった桜色の蒸気のようなものを体表から発生させる。
桜花神拳の名の由来の一つである桜色の蒸気は2種以上のエネルギーを同時に体内で練り上げることで発生する。
源流院が2種類のエネルギーを右腕にこめて放った奥義は桜花神拳における十ある奥義の一つ。
一 桜花萌拳。
拳に込めた2種以上のエネルギーを相手に叩き込むだけのシンプルな奥義である。
2種のエネルギーで人間離れしたレベルに強化された拳はそれだけで岩をも砕く、大砲と化す。
さらには拳を当てると同時に2種のエネルギー自体もぶつけるために、さらに破壊力がアップ。
下手な銃器より余程威力の高い一撃を放つ技である。
まあ、魔王ミイデラゴミムシの甲殻には効果が薄かったようだが。
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