竜の背に乗り見る景色は

蒼之海

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第一章

第78話 明日へ向かって

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 右翼が銀幕を貫き空けた穴は、突入口と同時に大切な脱出口でもある。ここを守り抜く事が、残された者たちに課せられた最大の使命だ。

 航空戦闘部と保安部の共闘で、既に空賊の撃退に成功していた。

 それでも万が一の事態に備え、今も尚十数機の人翼滑空機スカイ・グライダーが空から警戒監視を続けている。

 ヴェルナードを始めとする保安部員たちは、銀幕に開けられた穴の周りに円陣を敷き、死をもいとわず突入した突撃隊の帰りを今か今かと待ち侘びていた。


「我らが風竜様……そして母竜様。どうか……どうかお願いです。皆の……カズキの無事をお守りください……!」


 保安部の若き部員———ジェスターは、片膝を地に着け目を瞑り、祈りを捧げている。

 特に名前をあげたその少女———カズキの無事を祈るならば、彼女はもう風竜ここには帰ってこない。カズキの望みは元の世界、そして家族の元へ帰る事であるからだ。

 だが、それでもジェスターは祈らずにはいられない。自分を変えてくれたその少女の為に。そして初めて恋心を抱いたその少女の為に。

 突撃隊の帰還を待ち祈っている時間は、ジェスターには随分と長く感じられたが、実際の所は20分くらいだろう。

 悠久に思えたその祈りにも、ようやく終わりが訪れる。


「お、おい! あれを見ろ!」


 保安部の誰かが声を上げ、ジェスターは弾かれた様に上を見た。

 銀幕が伸びる先———空の遙か上の方が薄らと光を帯び始めた。

 保安部員たちがどよめく中、その光は段々と強くなっていく。

 光量が限界点を超え、空が眩しく輝いた。


 「———っっ!!」


 激しい光は銀幕を注視していた保安部員の網膜を、一時的に麻痺させた。もちろんジェスターも例外ではない。

 暫くするとブラックアウトした視界にも徐々に色彩が戻り出す。

 見ると、銀幕が上部から崩れ始めた。空には銀幕の破片がキラキラと、陽の光を乱反射させて舞い散っている。

 まるで虹色の雨の様だとジェスターは思った。


「ぎ、銀幕が崩れていく。……やった……やったぞ! 突撃隊がやってくれたんだ!」


 部員の誰かがそう叫ぶと、目の前の出来事に対してようやく現実味を帯びたのか、そこにいる誰しもが雄叫びを挙げた。……いや、一人を除いては。

 その歓喜の輪から抜け出す様に、ジェスターは走り出していた。

 銀幕の雨と共に帰還する突撃隊の人翼滑空機スカイ・グライダーが見えたからだ。


「誰でもいい……教えてくれ! カズキは無事なのか……無事にアイツの世界に帰れたのかを!」


 荒い呼吸の合間から、ジェスターを走らせるその理由が溢れ出る。

 ジェスターは師と仰ぐアルフォンスから以前聞いた事を思い出していた。

 加護を切らした人翼滑空機スカイ・グライダーは着陸の負担を軽減させる為、町の北の草原に降り立つ事を。

 その予想は正しく、一機、二機と草原に人翼滑空機スカイ・グライダーが着陸していく。そのほとんどの機体には、加護の力は残されていなかった。

 加護の力を使い切る程の激闘。ジェスターの脳裏に不安がよぎる。

 右翼の付け根まで直走ひたはしる。今回の作戦の為に設置されたハシゴを上り、風竜の背まで辿り着いた所で足元がグラリと揺れ動いた。

 風竜が元の航路へと戻る前兆だ。揺れで危うくハシゴから落ちそうになる体を持ち直して、ジェスターはどうにか風竜の背の上へと這い上がる。

 四つん這いになりながら呼吸を整え空を見ると、陽に重なったいくつかの機影が瞳に映った。

 逆光に目を細めながらジェスターが目にしたものは。


 ———五機の人翼滑空機スカイ・グライダーに守られる様にして、一回り大きく、方舟が取り付けられている竜翼競艇機スカイ・ボート


 どの機体もやはり加護の力は尽きている様で、風を頼りに飛行している。

 そして竜翼競艇機スカイ・ボートには人が乗っている気配はない。


 ……そうか、無事に帰れたのか。カズキ、よかったな……。


「おーい! ジェスター! 戻ってきたよー!」

「か、カズキ!!」


 太陽を背に方舟から身を乗り出して、明るく手を振る少女の姿が飛び込んできた。

 ジェスターは再び走り出す。

 何故帰らなかったのか。それとも帰れなかったのか。聞きたい事は山程ある。

 だけど今この時は、カズキが帰ってきた喜びだけがその足を動かしていた。

 全機が無事に草の海原へと着陸すると、カズキはひらりと竜翼競艇機スカイ・ボートから飛び降りる。

 そして前部の開閉式ハッチを開け、マクリーをそっと抱きかかえた。


「はぁはぁ……か、カズキ! お前どうして……」

「しー! ちょっとジェスター静かにして。……マクリーが寝てるから。今はゆっくり寝かせてあげたいんだ」


 愛おしそうにマクリーを撫でるカズキの姿に、ジェスターは無事の帰還を喜びつつも軽い嫉妬も同時に覚える。

 そんなジェスターの微妙な心情はつゆ知らず、小さな竜はすーすーと寝息を立てながら、心地良さそうに眠っていた。

 程なくして、馬蹄の音が近づいてきた。

 ヴェルナードら主だった者たちが草原へ集結する。全員が下馬すると、無事に帰還を果たした突撃隊の元へと歩み寄った。

 先頭を歩くヴェルナードが、クラウスの前で立ち止まる。


「……クラウス。無事の帰還を心から嬉しく思う。そして銀幕の破壊、見事だった」

「はは。それに関しちゃ後でしっかり報告しますが、俺たちだけじゃどうする事もできなかったんです。……な? 嬢ちゃん」


 クラウスは振り向くと、ニカリと笑顔をカズキに向ける。


「……してカズキ。其方は元の世界に戻る手掛かりを見つけられなかったのだろうか?」

「それも、後で話すよ。たくさんたくさん話さなきゃいけない事があるんだ、ヴェルナードさん」


 カズキは少し顔を伏せると、困窮した顔に変わる。

 この世界の元凶とも言えるマーズの存在は、元の世界が生み出した悪意の集塊しゅうかいなのだ。

 マーズの誕生がカズキの生まれる前だとしても、他人事ではいられない。どうしたっても後ろめたさは消せやしない。

 ———だが、それよりも。


 カズキは意を決した顔付きで、ヴェルナードを真っ直ぐに見据え直した。


「……ボクは残るよ。そして残りの銀幕を皆と一緒にやっつける。……いいかな? ボクがもう少し『モン・フェリヴィント』にいても……」


 最後の方はちらりと伺う様に少し不安げな表情を見せるカズキに、ヴェルナードはいつもの微妙な笑顔を返した。


「……何を今更。其方が選択した行動を尊重すると、言って置いた筈だが。もう忘れてしまったのだろうか」

「……いや、言ってたけどさ! そんなの社交辞令かもしんないじゃん! ホントは嫌だとか思ってたりしてるかもしれないでしょ! ……確認だよ、カ・ク・ニ・ン!」

「いつもの図々しい其方らしくもない。銀幕内で何があったかは知らないが、これだけは伝えておこう。……我々は、仲間を決して見捨てたりはしない」

「そうだよね……仲間だもんね。……へへっ、やっぱボクは間違っちゃいなかったんだ。……よかった」


 目に薄らと涙を溜めたカズキを見てヴェルナードは少しだけ困った顔をしたが、またいつもの真顔に戻る。

 その顔にも、ある種の決意が込められていた。


「カズキ……其方と以前、『国』について話した事を覚えているだろうか」

「ん……ああ、そんな事話したかもしれないね」

「私はこの世界に再び『国』を作りたいと願っている。……皆が同じ方向を向き、生き甲斐を共有し、協力し合い、夢を育み、そして誰もが幸福に生涯を全うできる『モン・フェリヴィント』という『国』を」


 その場にいた誰しもが、ヴェルナードの決意表明に絶句した。

 広い様で狭い竜の背で生きてきた彼ら彼女らにとっては、まさに青天の霹靂だろう。……そしてここでもやはり、ただ一人を除いては。


「いいねヴェルナードさん! 『国』だよ! 皆が『モン・フェリヴィント』で暮らしたいって思える『国』を作ろうよ! ……大体さ、軍隊なんて堅苦しくて危なっかしくて汗臭くて、今時流行らないって!」

「……そういうものだろうか」

「そういうもんだよ」


 一人拳を振りかざして賛同するカズキに、淡々としながらもヴェルナードはどこか嬉しそうだ。

 だけど自分の発言が容易ではない事は、ヴェルナード自身が一番理解している。

 長い年月をかけ不和が高じた地上の民との軋轢あつれきも解かねばならないし、風竜以外の三体の神竜で暮らす民たちとも、連携を取らなければならない。

 それが出来なければ残りの銀幕撃破など到底不可能となる。『国』を作る以前の問題だ。

 有言実行にはやる事が山積だが、ヴェルナードに悲壮感は少しもない。

 決められた航路だけがすべてで、眼下の小さな世界のみに目を向けていた。


 だけど、今は違う。


 マクリーという次世代の希望が生まれ、母竜に世界を託された。

 そして何より、自分の狭い視野を広げてくれたカズキがいる。


「……カズキ、これを受け取って欲しい。そして銀幕破壊と建国に、其方の力を貸してくれ。……すべてはこの世界の者たちの為に」


 ヴェルナードが胸のポケットから取り出したそれは、将校月持ちの証。『1つの月章ファーストムーン』の紀章だった。


「え、えええええええええ! マジで?」

「ふっ……嬢ちゃんならもう航空戦闘部ウチで立派に『隊』を持てるって。この俺が保証するぜ」

「え? そ、そうかな? えへへへへへへ……」

 クラウスがそう持ち上げると、元よりお調子者感が否めないカズキは簡単に浮いてしまう。

 照れながらそそくさと紀章を受け取ろうとするカズキの手を、カトリーヌの広い掌が優しく制した。

「……ちょっと待った。本来ならさ、紀章を授与される時は皆の前で、家族とか近しい人が最初に付けてあげるんだよ。なんてったって将校月持ちになる事は、『モン・フェリヴィント』じゃ名誉な事だからね。……そうだジェスター、アンタがカズキに付けてやりなよ」

「え……お、俺ぇぇ!?」

「うむ。それはいい。主はずっとカズキの無事を祈って」

「う、うわああああああああ! アルフォンス師匠! それは今言わないでください!」


 ジェスターが慌ててアルフォンスに飛び掛かる。その場にいた全員から笑顔が溢れた。

 これ以上アルフォンスに余計な事は喋られたくないと観念したジェスターが、うやうやしい振る舞いでヴェルナードから紀章を受け取る。

 カズキはカトリーヌにそうっとマクリーを預けると、赤の救命胴衣カポックを脱ぎ空色の制服を露わにする。

 ジェスターは少し赤くした顔を隠す様に俯くと、片膝を地に着けて、震える手でカズキの左胸に紀章を付けた。

 顔の火照りも収まって、ようやく上を向く事ができたジェスターを待っていたのは、眼前まで迫り来るニヤけたドヤ顔だった。

 両手を腰に当てながらカズキが言う。


「へへーん。これでボクも将校月持ちだね。……ジェスター。明日からボクの事を『カズキ殿』って呼んでもいいよ」

「な、何をぉ! お前が将校月持ちでもなぁ、俺がお前の先輩なのは変わらないんだからな!」


 いつもと変わりない少年と少女のやり取りが、周りの大人たちの生温かい目と笑いを誘う。

 後方の空は銀幕の破片で埋め尽くされて、虹色に輝いている。

 それはまるでカズキの士官を祝福するかの様だ。


 カズキの胸に着けられた『1つの月章ファーストムーン』の紀章も陽の光を受けると、負けじとキラリと輝いてみせた。
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