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2 なんとなくもやもやする、のはなぜなのかと。
不本意なのは、おそらくあなただけではない。
しおりを挟むいつも通りの格好で会社についてそこでなんだかいつもより膨らんでる気がするカバンを開けたら、あのキャミが突っ込まれていた。いつの間にッ。
「街宮さん」
更衣室のロッカーの前でカバンを覗きこんで愕然としていたら、背後から突然声を掛けられた。
振り返ると、かわいい私服の内藤さんが、心持ち足を開くようにして、小柄な体に似合わない威圧感をかもしながら立っている。
後ろには、いつも取り巻いている先輩方。内藤さんちやほや部隊も勢ぞろいである。
そう、内藤さんってすごいなと思うのは、同性の味方をいっぱい引き連れてることだ。異性に積極的にアプローチするタイプって、割と同性に嫌われがちな傾向が高いと思うんだけど、彼女は部内の先輩方にも上手に取り入って、いつの間にかみんなの女王様みたいになっていた。
私にも下僕にしてあげていいのよって感じの何かを発していたような気がするけど、多分気のせいだと躱し続けたら軽い無視くらいの程度で落ち着いたんだっけ。
佐藤君が来始めてからちょっと絡まれるようになったけど。
「あ、おはようございます」
気圧されながらカバンをロッカーに突っ込んで、制服を出しながら挨拶をしても、彼女はそこから動こうとしない。
「今晩、佐藤君たちの会社の人と飲み会やるけど来る?」
「は!?」
なんだか怒ってるような顔。でもなんでと思いかけて、昨夜来た佐藤君からのメッセージを思い出して、頷こうとした時、内藤さんが重ねて聞いてきた。
「別に用事あるなら来なくていいけど」
「……え、あの。じゃあ、行きます」
断れって態度で示してる人に、そう言うのは物凄く勇気と気力が必要だったけど、何とか絞り出すように答えたら、内藤さんがちょっと鼻白んだような顔をした後、洋服と合った小さなバッグから紙を一枚取り出した。
「これ、場所だから。時間は六時半」
ぺらんと渡されたのは、何かのマップ。地図の真ん中に星印がついている。昨日、斉藤君が送ってくれたヤツに似ている。
「はぁ ありがとうございます」
わざわざ渡すためにプリントアウトしてくれたらしい。お礼を言うと、フンと鼻で息を吐いて自分のロッカーに向かってしまった。
聞こえるように取り巻きの皆さんがなにやら盛り上がっていらっしゃったので、さっさと着替えて更衣室を出るに限る。
ああ、すでになんか、おなかいたい。
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