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2 なんとなくもやもやする、のはなぜなのかと。
感情と体感とありもしないものがなくなったような違和感。
しおりを挟むもう仕方ないから、私は佐藤君にひっぱられるまま夜の雑踏を抜けていく。ものの三分もかからない場所に大手のカラオケ店が入ったビルが見えて、佐藤君は迷わずその中に入っていった。
受付で先に来た団体と合流することを伝えると、友枝さんも伝言を残してくれていたらしく、すんなり部屋番号を教えてもらえた。
そのまま手を引かれて、大人が四、五人も乗ったらいっぱいになりそうな狭いエレベータで三階へ。
狭い箱に入ってやっと、佐藤君の手が私の腕から離れる。
ほっとするのと同時に、ここまで佐藤君が握っていた部分が一気に熱を失うようで、建物の中の、さらに小さな場所だから外よりも暖かい場所のはずなのに、すっと寒くなったような気がした。
距離なんてそんなに離れてないし、肌が触れていた部分なんて微々たるものなのに、なんでかぴゅうっと隙間風が吹いたみたいに感じる。三階フロアに着くと、あらかた部屋が埋まっているのか、そこここから誰かの歌が漏れてくる。
佐藤君が前を行きながら部屋番号を呟き確認していく。受付で教えられた番号を一番奥で見つけて、佐藤君はノックせずにそのドアを開けた。
途端に押し寄せてくる音、音、音。
思わず立ちすくんだ私の、腕じゃなくて手を、佐藤君が握って引っ張る。
十人以上入れそうな広いカラオケルームには、内藤さん達、うちの総務は勢揃い、佐藤君達の方は、何人かいない。大峰さんも小畑さんも来ていないみたいだ。
ステージになったところで、総務の女性陣内藤さん達が三人で歌いながらお尻を振って踊っている。最近はやってる韓国の女性ユニットの曲だと言う事は分かるけど、サビくらいしか聞いたことがない。
「遅せぇ 飲み物、適当に頼んどいたぞ。街宮さんはウーロン茶でよかった?」
コートを壁にかけていると、友枝さんが歌に負けない声で話しかけてくれる。
空いている席はあるものの、内藤さん達がどこに座っているのかわからなくてどうしようかと思っていたら、友枝さんの隣に座った佐藤君の隣、四角い背もたれのないソファの一番隅っこに、佐藤君にぐいっとそのまま手を引かれて座ってしまった。
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