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2 なんとなくもやもやする、のはなぜなのかと。
え? そちらからの攻撃は想定外でした。
しおりを挟むすみません。19日の投稿に不備があり、話がずれていました。
二話前に抜けた分が差し込まれています。
読み飛ばされていたら、もう一度戻っていただくと話がつながるはず。
ほんごごめんなさい。
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誰かがいたずらでもう一回入れたんだろうか。同じ歌を二回は歌いたくないなぁ と思っていたら、佐藤君がすたすたステージに向かって行って、私がしたように本体のキーを触る。ピピピピピって、五キー以上下げた。
「なに、佐藤、お前この曲知ってんの?」
「知ってるよ。でも別バージョン」
友枝さんの問いかけにそう答えた後、佐藤君が歌い出したのは、非公式だけどこちらも物凄い再生数を誇る男性バージョン。この曲を男の子の視点で歌った、実は両思いでしたってオチがつくような歌詞の。
でも当然、画面には普通の歌詞が出ていて、つまり佐藤君は男性バージョンを覚えてしまっているんだ。
曲が始まって、さっきのバラードの優しい歌い方から一転、低くて力強い声で歌っていく。
この曲は、サビが異様に高いのに、メロがまた低いから、音域が広くないとうまく歌えないんだ。
最初こそびっくりしすぎてぽかんとしてしまったけど、徐々にその声に引き込まれていく。
佐藤君の声が男性ボーカロイドに似てるって思ってたけど、真似してるのかサ行の発音を甘くして歌うから、よけいそっくりに聞こえる。
徐々に聞いてて楽しくなってきて、気づいたら頭がリズムを取っていて、最後には一緒に男性バージョンを歌っていた。
その最後の歌詞を、佐藤君もセリフっぽく呟く。内藤さん達が黄色い悲鳴を上げている。
「すごぉい!! 佐藤君の方が全然上手い!! なんて曲ですかぁ? 私も練習しようかな」
歌い終わった佐藤君に、内藤さんが立ち上がって拍手している。
マスカラで縁取られた大きな目を潤ませて、本当に感動しているらしい内藤さんの前を佐藤君はそのまま素通りして、私の目の前にやってきた。
「帰るんでしょ? 送るよ。駅までだけど」
内藤さんを完全無視。
にっこり笑って、自分のと私のコート、そして私のカバンを右手に、そして左手で私の右手を取って、友枝さんに短い挨拶をして、私の手を引っ張って部屋の外へ誘う。
中途半端に視線を残していた室内に、立ったまま呆然としている内藤さんがいて、一瞬だけ目が合った。
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