23 / 94
第2章 屋台販売
第8話 下準備
しおりを挟む
蒼のトリエスタでの毎日は目まぐるしく過ぎていく。
(スローライフコースはどこいった!?)
なにがなんだかでやってきたこの異世界、程よく稼ぎ、ノンビリ暮らせる。屋台を始めたことろはそう思っていた。なのに今は祭りで出すお菓子の計画を練り、その後に控える領主の息子の贈り物計画にてんてこ舞いだ。
「屋台で売ってる焼き菓子総動員することにします!」
今回祭りの準備で蒼の右腕を務めるのは上級神官チェスティ。蒼の宣言を聞いて、待ってましたとワクワクしている。
「なんでもしますよ~!」
「とりあえずひたすら材料を混ぜてもらいます!」
(とりあえずアイスボックスクッキーを大量生産よ~えーっとあとは……)
シュガーパイ、バターのいらないパウンドケーキ、さらに溶かした砂糖でコーティングするフルーツ飴。
(いざとなったら砂糖飴も作ろう……)
なんとか材料を調整してお菓子の数を増やす手立てを考える。
ここでまた一つ、蒼の家のルールが発覚した。
「家電って持ち出せないの!?」
蒼の秘密を一部以外には話せない上級神官になら、彼女が元いた世界の調理機器を見せても大きな問題ないといそいそとキッチンから運び出す。しかしそれは未遂に終わった。
クッキーの生地を混ぜるためにフードプロセッサーを持ちだそうとした時の話だ。門の外に出た瞬間、蒼の手元から忽然と消えてしまった。そして元のキッチンの位置に戻っている。
「スマホも懐中電灯も持ち出せたじゃん!」
この違いはなにか、蒼はすぐに見当がついた。
「コンセントの有無かっ!」
通常コンセントが必要な家電は一切外に持ち出せず、電池やバッテリー式のものは持ち出せた。
(ここの家電にコンセントはついてないのに……ていうか! だから持ち出せるって思ったんだけど!)
いまいち管理官の考える基準はよくわからないが、リルケルラの顔を思い出すと、あまり深く考えていないような気がしないでもない蒼だった。
仕方ないので下準備は全て手作業だったが、それが当たり前である上級神官他お手伝いの神官達は少しの愚痴もこぼさず生地を混ぜ、形を整え、黙々とやるべきことを続けた。
「はまりますねぇ……」
「無心になれます」
と、好評ですらあった。
この間困ったのは屋台のメニューだ。
通常は惣菜パイ、ピザロール、串焼き、惣菜パン、キッシュ、肉まん、そしてスープをメインにお客に提供している。
(惣菜パイは無理ね……強力粉使ったメニューを増やすか)
もちろん、甘いものメニューはしばらくお休みだ。チェスティたちはそれを知って申し訳なさそうにしていたが、そもそも彼らは蒼の冷蔵庫の秘密を知らない。彼らだってきっと異世界からやってきた女性の秘密は知りたいはずだ。だが彼女のために聞かないという選択肢をしてくれている。
「いいんですよ~たまにはテコ入れしないと」
「テコ……?」
日頃出さないメニュー……三十食は用意できないが、それなりの数は準備できる料理はたくさんある。
焼き鳥にコロッケ、豚カツ、ハンバーグ、このあたりは店で出しても大丈夫というお墨付きもあったので、
「ちょっと今新メニュー考えてるんですよ~」
というコメントの元で売りに出すと、お客は目新しさに釣られて二品、三品と買って行った。
(いつも皆一食なのに!)
「食べない後悔はしたくないから……!」
と言って全種類買ったのはやはりアルフレドだ。
「祭りの準備はやっぱり大変?」
少し久しぶりにアルフレドと二人、夜の屋台で食事中だ。本日の夕食はトマトクリームリゾットとカボチャサラダ、オニオングラタンスープ。小麦粉系ばかりの料理をしているせいか、蒼は米がついつい食べたくなる。アルフレドも気にせず食べれるところを考えた結果の献立だ。
(まぁ~アルフレドなら和食でも食べてくれそうだけど)
いや~これはちょっと……と、彼が食べるのを遠慮する姿が想像できない。
「思ってたほどじゃないかな~手伝ってくれる人はいっぱいいるし」
「そっか。でもなにか俺に手伝えることがあったら言って。しばらく街からは出ないから」
「うん! その時は遠慮なくお願いするね」
その理由が蒼の料理を食べ逃したくないから、というのはレイジーから聞いていたのでなんだか蒼は照れくさい。
「それであの……ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
ドキマギとアルフレドが俯き加減にわざわざ彼女に質問する許可を求めた。
「え! うんうん! なんでも聞いて!」
通常であれば異世界の人からの質問にはドキリとするところだが、アルフレドが質問することは稀だ。この街では彼と仲良し、という自負がある分、蒼はそこに寂しさも感じていた。だから今、彼女はちょっぴり前のめりだ。
「あー……その、領主様のお屋敷でレイジーがアオイを見かけたって……厨房で……そこで働くのかな?」
明らかにアルフレドは挙動不審になっている。彼女が屋台を辞めて条件のいい領主の屋敷で働くのではないかと不安になっているのだ。
「いやいや! お屋敷へはちょっと用事があっただけ!」
「え!? そうなの!?」
蒼が? なんで? 大丈夫? と、それはそれで心配と表情に出ていた。
「うん。まあ一時雇みたいなもんだから。時間がある時だけね」
実はこれも蒼が忙しい原因の一つだった。
バジリオ・トリエスタ。この街の領主の家の次男として生まれ、現在は騎士として領地に尽くしている。そして上級神官チェスティに恋心を抱いている。
(ちょーっと……せっかちなんだよな~……)
チェスティの誕生日までまだかなりの時間があるというのに、ずいぶん前から準備するんだな、しっかりしているな、という印象はすでにない。
『チョコと薄力粉があれば簡単にできますよ』
と、バジリオにチョコレートクッキーのレシピを軽く伝えたのが悪かったのか、
『アオイ……すまない……教えてもらった通りに作ったつもりがうまくいかなかったのだ……』
『もう作ったんですか!? 材料は!?』
『いいものを揃えたのに……』
シオシオになった大男が度々神殿に蒼を尋ねてくるようになっていた。蒼のレシピは蒼の持つ材料があって初めてうまく出来上がる。この世界のものではやはりそう簡単にはいかない。
『豊穣祭が終わったら頑張りましょう!』
『そ、そうだな……つい気が急いてしまって……』
というやりとりを三度した後、蒼は諦めた。
『……これからお屋敷にうかがっても?』
『も、もちろんだ……!』
という訳で、まだまだ本番には時間があるにもかかわららず、蒼はバジリオのお菓子作りの特訓にも付き合っていた。
(チョコレートはお祭りメニューで使わないからいいけど……薄力粉はちょっと痛いのよね~)
なので毎回少量だけ持ち込んでいる。唯一困ったのが焼き時間だったが、
『やっぱお屋敷のって立派~うちの石窯と違うんでちょっとわかんないですねぇ』
とうまく誤魔化した。
(まあおかげで石窯でのなんとなくの焼き時間はわかったからいいけど)
試行錯誤の結果、豊穣祭でクッキーを焼くのにも役にたつ経験になった。これがなければ、豊穣祭の前日、蒼は家のオーブンで夜鍋してお菓子を焼き続ける必要があったのだ。
(バジリオ様の気合いを軽くみてたってことよね~)
それも同時に反省した。恋から生まれるパワーを舐めていたと。バジリオは今やいまやこの街一番のクッキーのプロだ。……蒼の食材限定だが。
◇◇◇
「ごちそうさま! 今日もすっっっごく美味しかったよ!」
アルフレドは蒼がいつもするように、空っぽの皿の前で手を合わせていた。この街の人はしない仕草だ。
「よかった……あーそれでちょっと言っておきたいことがあるんだけどね……」
彼に伝えておきたいことがあった。だから今日夕食に誘ったのだが、蒼はなかなか言いづらそうにして次の言葉が出てこない。アルフレドはじっと蒼の方を見て待っている。
「……まだ少し先だけど、この街を出ようと思ってるんだ」
「……そう……森に帰るの?」
「違う街に。旅に出ようと思って」
決心するような声だった。
(言っちゃった!)
これで後には引けない。トリエスタはいい街だ。居心地がよくてここにずっといてもいいかも、なんて気持ちももちろんある。だが初めに決めたことを実行したかった。
(海外旅行もとい異世界旅行ね)
心配性でなにかと新しいことを始めるのが苦手だと蒼本人は自覚があった。だからこそ蒼はこれはチャンスだと思っている。なんせ異世界に来たのだから、何にしたって全てが初めてになる。
「人生、楽しもうかと思いまして」
「そっか……そういえば俺の話、楽しそうに聞いてくれてたね」
月に照らされたアルフレドの顔は、きっと寂しそうだろうと蒼は思っていた。別れを寂しがってくれる程度の関係は築けていると。蒼だって彼とは離れ難い。彼に対してまだたくさんの秘密を抱えているのに、一緒にいて少しも窮屈に感じないのだ。そんな相手が貴重なことくらい彼女も知っている。
だが彼は想像していた表情と違った。蒼と同じで、覚悟を決めたようなピリッと気合いが入った顔つきになっている。そして彼の口から出てきた言葉はこうだ。
「アオイ、俺を護衛として雇わない? ……報酬は食事で」
(スローライフコースはどこいった!?)
なにがなんだかでやってきたこの異世界、程よく稼ぎ、ノンビリ暮らせる。屋台を始めたことろはそう思っていた。なのに今は祭りで出すお菓子の計画を練り、その後に控える領主の息子の贈り物計画にてんてこ舞いだ。
「屋台で売ってる焼き菓子総動員することにします!」
今回祭りの準備で蒼の右腕を務めるのは上級神官チェスティ。蒼の宣言を聞いて、待ってましたとワクワクしている。
「なんでもしますよ~!」
「とりあえずひたすら材料を混ぜてもらいます!」
(とりあえずアイスボックスクッキーを大量生産よ~えーっとあとは……)
シュガーパイ、バターのいらないパウンドケーキ、さらに溶かした砂糖でコーティングするフルーツ飴。
(いざとなったら砂糖飴も作ろう……)
なんとか材料を調整してお菓子の数を増やす手立てを考える。
ここでまた一つ、蒼の家のルールが発覚した。
「家電って持ち出せないの!?」
蒼の秘密を一部以外には話せない上級神官になら、彼女が元いた世界の調理機器を見せても大きな問題ないといそいそとキッチンから運び出す。しかしそれは未遂に終わった。
クッキーの生地を混ぜるためにフードプロセッサーを持ちだそうとした時の話だ。門の外に出た瞬間、蒼の手元から忽然と消えてしまった。そして元のキッチンの位置に戻っている。
「スマホも懐中電灯も持ち出せたじゃん!」
この違いはなにか、蒼はすぐに見当がついた。
「コンセントの有無かっ!」
通常コンセントが必要な家電は一切外に持ち出せず、電池やバッテリー式のものは持ち出せた。
(ここの家電にコンセントはついてないのに……ていうか! だから持ち出せるって思ったんだけど!)
いまいち管理官の考える基準はよくわからないが、リルケルラの顔を思い出すと、あまり深く考えていないような気がしないでもない蒼だった。
仕方ないので下準備は全て手作業だったが、それが当たり前である上級神官他お手伝いの神官達は少しの愚痴もこぼさず生地を混ぜ、形を整え、黙々とやるべきことを続けた。
「はまりますねぇ……」
「無心になれます」
と、好評ですらあった。
この間困ったのは屋台のメニューだ。
通常は惣菜パイ、ピザロール、串焼き、惣菜パン、キッシュ、肉まん、そしてスープをメインにお客に提供している。
(惣菜パイは無理ね……強力粉使ったメニューを増やすか)
もちろん、甘いものメニューはしばらくお休みだ。チェスティたちはそれを知って申し訳なさそうにしていたが、そもそも彼らは蒼の冷蔵庫の秘密を知らない。彼らだってきっと異世界からやってきた女性の秘密は知りたいはずだ。だが彼女のために聞かないという選択肢をしてくれている。
「いいんですよ~たまにはテコ入れしないと」
「テコ……?」
日頃出さないメニュー……三十食は用意できないが、それなりの数は準備できる料理はたくさんある。
焼き鳥にコロッケ、豚カツ、ハンバーグ、このあたりは店で出しても大丈夫というお墨付きもあったので、
「ちょっと今新メニュー考えてるんですよ~」
というコメントの元で売りに出すと、お客は目新しさに釣られて二品、三品と買って行った。
(いつも皆一食なのに!)
「食べない後悔はしたくないから……!」
と言って全種類買ったのはやはりアルフレドだ。
「祭りの準備はやっぱり大変?」
少し久しぶりにアルフレドと二人、夜の屋台で食事中だ。本日の夕食はトマトクリームリゾットとカボチャサラダ、オニオングラタンスープ。小麦粉系ばかりの料理をしているせいか、蒼は米がついつい食べたくなる。アルフレドも気にせず食べれるところを考えた結果の献立だ。
(まぁ~アルフレドなら和食でも食べてくれそうだけど)
いや~これはちょっと……と、彼が食べるのを遠慮する姿が想像できない。
「思ってたほどじゃないかな~手伝ってくれる人はいっぱいいるし」
「そっか。でもなにか俺に手伝えることがあったら言って。しばらく街からは出ないから」
「うん! その時は遠慮なくお願いするね」
その理由が蒼の料理を食べ逃したくないから、というのはレイジーから聞いていたのでなんだか蒼は照れくさい。
「それであの……ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
ドキマギとアルフレドが俯き加減にわざわざ彼女に質問する許可を求めた。
「え! うんうん! なんでも聞いて!」
通常であれば異世界の人からの質問にはドキリとするところだが、アルフレドが質問することは稀だ。この街では彼と仲良し、という自負がある分、蒼はそこに寂しさも感じていた。だから今、彼女はちょっぴり前のめりだ。
「あー……その、領主様のお屋敷でレイジーがアオイを見かけたって……厨房で……そこで働くのかな?」
明らかにアルフレドは挙動不審になっている。彼女が屋台を辞めて条件のいい領主の屋敷で働くのではないかと不安になっているのだ。
「いやいや! お屋敷へはちょっと用事があっただけ!」
「え!? そうなの!?」
蒼が? なんで? 大丈夫? と、それはそれで心配と表情に出ていた。
「うん。まあ一時雇みたいなもんだから。時間がある時だけね」
実はこれも蒼が忙しい原因の一つだった。
バジリオ・トリエスタ。この街の領主の家の次男として生まれ、現在は騎士として領地に尽くしている。そして上級神官チェスティに恋心を抱いている。
(ちょーっと……せっかちなんだよな~……)
チェスティの誕生日までまだかなりの時間があるというのに、ずいぶん前から準備するんだな、しっかりしているな、という印象はすでにない。
『チョコと薄力粉があれば簡単にできますよ』
と、バジリオにチョコレートクッキーのレシピを軽く伝えたのが悪かったのか、
『アオイ……すまない……教えてもらった通りに作ったつもりがうまくいかなかったのだ……』
『もう作ったんですか!? 材料は!?』
『いいものを揃えたのに……』
シオシオになった大男が度々神殿に蒼を尋ねてくるようになっていた。蒼のレシピは蒼の持つ材料があって初めてうまく出来上がる。この世界のものではやはりそう簡単にはいかない。
『豊穣祭が終わったら頑張りましょう!』
『そ、そうだな……つい気が急いてしまって……』
というやりとりを三度した後、蒼は諦めた。
『……これからお屋敷にうかがっても?』
『も、もちろんだ……!』
という訳で、まだまだ本番には時間があるにもかかわららず、蒼はバジリオのお菓子作りの特訓にも付き合っていた。
(チョコレートはお祭りメニューで使わないからいいけど……薄力粉はちょっと痛いのよね~)
なので毎回少量だけ持ち込んでいる。唯一困ったのが焼き時間だったが、
『やっぱお屋敷のって立派~うちの石窯と違うんでちょっとわかんないですねぇ』
とうまく誤魔化した。
(まあおかげで石窯でのなんとなくの焼き時間はわかったからいいけど)
試行錯誤の結果、豊穣祭でクッキーを焼くのにも役にたつ経験になった。これがなければ、豊穣祭の前日、蒼は家のオーブンで夜鍋してお菓子を焼き続ける必要があったのだ。
(バジリオ様の気合いを軽くみてたってことよね~)
それも同時に反省した。恋から生まれるパワーを舐めていたと。バジリオは今やいまやこの街一番のクッキーのプロだ。……蒼の食材限定だが。
◇◇◇
「ごちそうさま! 今日もすっっっごく美味しかったよ!」
アルフレドは蒼がいつもするように、空っぽの皿の前で手を合わせていた。この街の人はしない仕草だ。
「よかった……あーそれでちょっと言っておきたいことがあるんだけどね……」
彼に伝えておきたいことがあった。だから今日夕食に誘ったのだが、蒼はなかなか言いづらそうにして次の言葉が出てこない。アルフレドはじっと蒼の方を見て待っている。
「……まだ少し先だけど、この街を出ようと思ってるんだ」
「……そう……森に帰るの?」
「違う街に。旅に出ようと思って」
決心するような声だった。
(言っちゃった!)
これで後には引けない。トリエスタはいい街だ。居心地がよくてここにずっといてもいいかも、なんて気持ちももちろんある。だが初めに決めたことを実行したかった。
(海外旅行もとい異世界旅行ね)
心配性でなにかと新しいことを始めるのが苦手だと蒼本人は自覚があった。だからこそ蒼はこれはチャンスだと思っている。なんせ異世界に来たのだから、何にしたって全てが初めてになる。
「人生、楽しもうかと思いまして」
「そっか……そういえば俺の話、楽しそうに聞いてくれてたね」
月に照らされたアルフレドの顔は、きっと寂しそうだろうと蒼は思っていた。別れを寂しがってくれる程度の関係は築けていると。蒼だって彼とは離れ難い。彼に対してまだたくさんの秘密を抱えているのに、一緒にいて少しも窮屈に感じないのだ。そんな相手が貴重なことくらい彼女も知っている。
だが彼は想像していた表情と違った。蒼と同じで、覚悟を決めたようなピリッと気合いが入った顔つきになっている。そして彼の口から出てきた言葉はこうだ。
「アオイ、俺を護衛として雇わない? ……報酬は食事で」
447
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる