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第1章:TS勇者は学習しない
TS勇者が出てこない前フリ
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世界に名前などあるのだろうか。己の住う世界を離れ異なる世界を右と左に眺めることがあれば、あるいはそれぞれに名前が必要かと思うこともあるかもしれない。しかし多くの者にはそんな機会は訪れない。であれば唯一無二である世界に名など必要はない。世界は世界、それで良いのだ。
名など持たずともそうあれかしと世界はそこに在り、在る以上は世界は生命の営みに満ち溢れていた。生まれ、育ち、子を産み育て、やがて死に至る。地に落ち、芽吹き、根を張り、花を咲かせ、種を飛ばし、土に還る。様々な営みの形があり、そのいずれの営みをも神々は愛した。
そう、神々は世界に生命の営みが満ちる様を愛する。しかし、営みそのものを愛でるということはないのだ。失われる生命も、滅びようとする種も、亡びようとする国も、神が愛するには矮小すぎる。一つの喪失が新たな営みの糧となり、世界に新たな営みが生まれ満ちてゆく。失われた営みと生まれ出た営み、それぞれを祝福するのもまた神々の正しいあり方であった。
しかし、そんな神々でも災厄に対しては座して見守ることはできない。災厄とはすなわち、生命の営みを飲み干すものだからだ。連綿と続く生命の営みを脅かし、断ち切り、無に還す。災厄から新たに生まれ出る営みは何もなく、その暴食を放置すれば世界はやがて虚無に至る。
それを見過ごすことは神の愛ではないのだ。愛すべき世界とそれを満たす営みを守るため、神々は災厄を討ち滅ぼす力を遣わす。
生きとし生けるもの達は、それを【勇者】と呼んだ。
名など持たずともそうあれかしと世界はそこに在り、在る以上は世界は生命の営みに満ち溢れていた。生まれ、育ち、子を産み育て、やがて死に至る。地に落ち、芽吹き、根を張り、花を咲かせ、種を飛ばし、土に還る。様々な営みの形があり、そのいずれの営みをも神々は愛した。
そう、神々は世界に生命の営みが満ちる様を愛する。しかし、営みそのものを愛でるということはないのだ。失われる生命も、滅びようとする種も、亡びようとする国も、神が愛するには矮小すぎる。一つの喪失が新たな営みの糧となり、世界に新たな営みが生まれ満ちてゆく。失われた営みと生まれ出た営み、それぞれを祝福するのもまた神々の正しいあり方であった。
しかし、そんな神々でも災厄に対しては座して見守ることはできない。災厄とはすなわち、生命の営みを飲み干すものだからだ。連綿と続く生命の営みを脅かし、断ち切り、無に還す。災厄から新たに生まれ出る営みは何もなく、その暴食を放置すれば世界はやがて虚無に至る。
それを見過ごすことは神の愛ではないのだ。愛すべき世界とそれを満たす営みを守るため、神々は災厄を討ち滅ぼす力を遣わす。
生きとし生けるもの達は、それを【勇者】と呼んだ。
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