5 / 22
第1章:TS勇者は学習しない
TS勇者は学習しない
しおりを挟む
(ちゅぴ♪ ちゅんちゅん♪ ちゅぴちゅっちゅ♪ )
鳥のさえずりがゆっくりとオレの意識を覚醒させた。身体中をずっしりと鉛の重しで押さえつけるような感覚、この疲労感は現実の身体に戻ってきた証らしい。視界に入るのは見慣れた天幕の骨組み。どれくらい眠っていたのか知らないが、天幕から透けてくる日差しが少し眩しい。寝汗でぐっしょりと濡れた着衣が張り付いていて良い寝起きではなかったが、鳥のさえずりで迎えられるのは悪い気分ではなかった。
(いい寝覚めでなかったといえば、夢の中のこととはいえ、散々な目にあったな…)
意識を失って倒れている間に、女神に散々な目に合わされたことを思い出して、オレは憂鬱な気分に浸る。使命を果たしたご褒美をもらうだけなのに、なんであんな目に合わないといけなかったのか。冷静に考えれば考えるほど、あれはエロ女神の趣味だったんじゃないかと思えてくる。
(しかしまあ、これでオレも晴れて元の体に戻れるし、クソ女神とも縁が切れる。やっと開放されるんだ!)
よっしゃぁ!と喜声とともに、勢いよく身体を起こす。
介抱された時に魔王との戦いで身に着けていた女神の鎧は脱がされてるみたいだ。鎧の下に着ていた鎧下の、むき出しの肩にふわりと蜂蜜色の長い髪がかかる。手入れさえしていればサラサラで収まりのいい髪なのだが、戦闘の後でろくな手入れもしていなかったせいで、あちこちで絡んでたり枝毛になったりしてる。これは手入れ大変だなぁと億劫な気持ちで髪を撫でるオレ。
「って、もう男に戻ったんだから短くしちゃえばいいかっ」
勢いをつけて身を起こすとぐっと伸びをする。おそらくそこそこ長く寝ていたせいだろう、あちこち固まっている身体の筋が伸びるのが気持ちいい。ぐうっと胸を張って背を伸ばして、くうぅ~っと気の抜けた声を漏らすオレ。
(ふよん)
続いて、ぐりんぐりんと両腕を大きく回して、バキバキに固まってる肩甲骨の周りの筋肉を解す。前に後ろにと何度も腕を回してほぐしていく痛気持ちよさに気だるさも少しずつ抜けていくみたいだ。
(ふよん、ふよん、ふよん、ふよん、ふよん)
おかしい、なんだかおかしい。
男に戻ったはずなのに、なぜか身体の前面に違和感がある。
なんというか、柔らかい脂肪の塊が二つばかり付いてるような感覚。
(いやー、まさかそんなはずないよな?まさか、まだおっぱいがついたまんまとか、そんなバカな、ハハハ)
天幕の天井を仰いで乾いた笑いを浮かべるオレ。ちょっとした現実逃避というか、心の準備ってやつだ。おそるおそる、胸元に手を持っていく
(ふにゅん)
柔らかな膨らみがオレの手にすっぽり収まった。大きさは慎ましやかだけど、形は良くて、多分てっぺんには桜色の蕾が乗ってる。感度は困ったことに割といい。つまり、勇者にされて以来の付き合いのオレの胸だ。
(あれぇっ? 男に戻ってなくないか?! あんだけ、精神世界で恥を忍んで駄女神のおもちゃにされたってのに、オレの身体、もとのままじゃね?!)
意を決して視線を落とす。
目に飛び込んできたのは、鎧下の下で小さいながらもしっかり自己主張する形の良い二つの膨らみ。鎧下の短めの裾から覗く健康的な肌触りの良さそうな白い太ももが目に飛び込んでくる。つまり、未成熟の少女のままじゃねぇか!
「うぉい!ちくしょー!また騙しやがったな、あのクソ女神!
今度は夢オチとか前よりひどいじゃねーか!」
オレは怒りに任せて地面を力任せに殴りつけた。薄い敷布の下の地面を殴りつけた痛みで少し後悔するが、そんなことで冷静になれるわけがない。
「勇者になれば女の子にモテモテとかいうから引き受けたのに、オレを女にして女の子と仲良くできたでしょ?とか、そんなんばっかじゃねーか、あいつ!」
そもそもの出会いからして気に食わなかったのだ。イライラが募りまくって腹の底がムカムカする。
(むくり)
あの女神はだいたい、頼んだことをまっとうに叶えた試しがないのだ。いままであったあれやこれやのすれ違いが改めて記憶から蘇ってきて、オレは大いに悪態をついた。
(むくり)
ひとしきり悪態をついたあと、下半身になにやら異変を感じて改めて視線を自分の下腹部に向ける。
「んっ? なんで、ここ膨らんでるんだ?」
オレの股間のど真ん中あたり、そのあたりから何者かが鎧下の裾を持ち上げていた。そして、なにやらムズムズと落ち着きのない感覚をオレは下腹部に感じていて、どうもそれは鎧下の裾を持ち上げる何かと密接に関係する予感がした。
「まさかなー、ここだけ戻ってるなんてことは…」
乾いた笑いを浮かべること、本日二度目。誰もが振り返るような日向のような笑みこそ似合っている美少女の身体には似つかわしくない笑いだ。健康にも良くない。とにかく、暗鬱とした気分を隠そうともしないままに、そろりそろりと裾をあげ、そこに予想通りのものを見つけてオレは盛大に溜息を漏らした。
「なんで、ちんこだけもとに戻ってるんだよ。
ていうか、なんだこれ、怒りマラか?朝立ちか?
立派じゃねーか、我が息子よ…」
鎧下の裾の下からは、隆々と屹立した男性器が顔を出していた。並のブツよりは2回りくらいサイズのでかいコイツは、女神の勇者となるまで長年連れ添った愚息だった。未成熟の少女にされた時に生き別れ、女神の部屋で再会を果たした愚息が、オレの股間から生えていた。
なるほど、事態は把握した。
秘芯が男性器に変化しただけなので、秘裂もその奥の穴もそのまま、いわゆるふたなりという状態だ。オレは、元の体に戻してほしいと願ったのに、これは中途半端にも程がある。オレには文句を言う権利が、いや義務があるはずだ。
そう結論づけたオレは、早速女神を呼び出すことにした。
常に身につけている首飾りに手を当てて、深呼吸する。これは女神から授かったもので大粒の月齢石が中央にあしらわれた、繊細な作りのものだ。女神の鎧と組み合わせて簡易的な神殿を形成するもので、駄女神を象徴する石をあしらった首飾りが御神体、女神の鎧が神殿に相当するらしい。
閑話休題、普段から駄女神に用があるときは、月齢石に向かって思いっきり文句を言うという方法を取っていた。頭の中に語りかけてくることもあれば、直接本人が顕現してくることも在る。まあ時によりけりということらしい。
今回もいつものように、首飾りに手を当てて駄女神の文句を思念にのせてぶつけまくる。なにせ、今のオレは怒り心頭だ。文句の話題には事欠かなかった。
■□■□■□■□■□■□■
「えーと、クリスちゃんが泣いて頼んできたお願い聞いてあげたのに、なんであんな事言われなきゃいけないの?!」
女神はご立腹だった。シンプルながらしかしだからこそ豊満な体のラインが際立つ肩出しドレスを身にまとって顕現したかと思うと、腰に手を当てて上から覗き込むような姿勢で文句を言ってきた。たわわに実った双乳が目の前で揺れるが、今はそんなものに目を奪われている場合ではない。オレだって怒っているのだ。
「それは言うだろうが! オレは男に戻りたいってずっと言ってて、お前、それを叶えるって言ったよな?なんで、こんな形になってるんだよ?!」
両手を広げて全身をアピールするオレ。鎧下の短めの裾からは通常サイズになってもそれなりの大きさの愚息が角度によってはチラ見えしていた。
「こんな形って、クリスちゃんの要望通りじゃない?!」
「どこがだよ?!オレは男に戻りたかったんだよ、こんな愚息だけみたいな中途半端なののぞんでねーよ!」
「え?クリスちゃん、おちんちんが望みだって言ってたわよね?」
「えっ?!」
すれ違いに気づいて黙り込む女神と少女。
「クリスちゃん、よく思い出してみて。」
「お、おぅ…」
「私とどんな約束したか、思い出してみて?」
えーと、たしか…
「返して!ちんこ!すぐに返して!」
ってオレが泣いて頼んで…
「はいはい、わかったわよ。じゃあクリスのご褒美は、『おちんちんを返してあげること』 それでいいわね?」
って女神はこんな感じで返してきて…
ん? 『おちんちんを返してあげること』 だって?
今の自分の身体をしげしげと見る。
相変わらずの整った容姿の少女の身体に…
凶悪な愚息
「そんなところだけ真面目か!」
オレはしゃがみ込んで頭を抱えた。
確かにあの時、オレは「ちんこ返せ」としか言っていなかった気がする。ていうか、わかるはずだろ?ろくな説明もされず少女の身体にされたことを事あるごとに文句言ってたし、男に戻せと騒ぎまくってた。そんなやつが「ちんこ返せ」って言うんだから、それは男に戻せってことだってわかるはずだ。っていうかわかってくれ…
「えーと、クリスちゃんを女の子にしちゃったときのこと、私も少しは悪いと思ってたのよ?だから今回は行き違いにならないように、確認したよね?」
「うん、されたよ。されたけどさ、分かれよ、そういうことじゃないって。」
「前回もクリスちゃん、おんなじこと言ってたわね。『女の子と仲良くできると、女の子にモテるはちがう!』とか。勘違いしたのはクリスちゃんなのに…」
「うぅ、すみません。」
がっくりと項垂れるオレに、せっかくチンコは返ってきたんだからそれを活用して愉しめば?などと適当な慰めをする女神。別れの挨拶もそこそこに帰ろうとする素振りを見せている。
「えーと、フレイサイス様。できたら、試練の代価、別のものに変えてもらいたいんですが…」
「むりですー 試練があって、代価が在るんですー クリスちゃんは試練の代価を受け取ったのでもうむりですー」
「そこをなんとかっ! だってオレ、災厄とか倒したんですよ?ちょっとくらい大目に見てくれても…」
ひざまずいて足にすがりつくようにして頼み込む。プライドなんて知ったことか。女神は顎の先に指を当てて軽く思案する素振りを見せた。
「やっぱり、試練もなしに対価は支払えないわね。でも、果たした試練に対して対価がささやかな気がしてたのも事実だし。ここは新たな試練を果たすというのはどうかしら?」
「いや、それってまた災厄倒すレベルの苦労しろってことだろ?」
オレは心底嫌な顔をする。ほんと、あの魔王を倒すのどんだけ苦労したと思ってるんだ。最終決戦だけ見て済ましてたんじゃないだろうな、駄女神?
「そんなに嫌な顔しないの。前の分があるからごく簡単な、ゲームみたいなものにしようと思うのよ。要は試練を果たしたという形式だけあればいい訳だし。」
「なるほど、お前がいい加減な女神でこれほど嬉しいと思ったことはないぜ、素晴らしい」
「ちゃんと信仰してくれないようだと、試練のこと無しにしてしまうわよ?」
軽く睨まれた後、今回の試練について説明を受けるオレ。
女神が語るには今度の試練の内容はこういうものだった。
1. 試練のために身体に聖刻印を刻むこと
2. 男の子として女の子をイかされたら、聖刻印に魔力が貯まる
3. 女の子としてイかされたら、男性器が縮む
4. 男性器が縮みきったら二度と元の体には戻れない
5. 元の体に戻るには聖刻印に魔力がたまりきった状態で王都の大神殿を訪れること
「という感じなのだけど。どうかしら?」
「いや、なんでこんなエロネタなんだよ?」
「こうでもしないと白い部屋で童貞捨てられても、現実の方ではクリスちゃん無理かなって思って。」
「余計なお世話だよ!」
もうちょっとマシな試練はないのかと食い下がってみたものの、試練を眺める方も面白いほうがいいと駄々をこねるエロ女神。そもそも今度ばかりは非はオレの方にあるのでそうそう強気にも出られなかった。
「それで、受けるの受けないの?」
「わーったよ、受けるよ!受ければいいんだろ!オレの愚息で女の子をイカセまくればいいんだろ!やってやるぜ!」
(ちくしょう、このフザけたゲームに勝って、男として完全に復活してやるからな!)
オレは新たな使命を前に決意を新たにした。
鳥のさえずりがゆっくりとオレの意識を覚醒させた。身体中をずっしりと鉛の重しで押さえつけるような感覚、この疲労感は現実の身体に戻ってきた証らしい。視界に入るのは見慣れた天幕の骨組み。どれくらい眠っていたのか知らないが、天幕から透けてくる日差しが少し眩しい。寝汗でぐっしょりと濡れた着衣が張り付いていて良い寝起きではなかったが、鳥のさえずりで迎えられるのは悪い気分ではなかった。
(いい寝覚めでなかったといえば、夢の中のこととはいえ、散々な目にあったな…)
意識を失って倒れている間に、女神に散々な目に合わされたことを思い出して、オレは憂鬱な気分に浸る。使命を果たしたご褒美をもらうだけなのに、なんであんな目に合わないといけなかったのか。冷静に考えれば考えるほど、あれはエロ女神の趣味だったんじゃないかと思えてくる。
(しかしまあ、これでオレも晴れて元の体に戻れるし、クソ女神とも縁が切れる。やっと開放されるんだ!)
よっしゃぁ!と喜声とともに、勢いよく身体を起こす。
介抱された時に魔王との戦いで身に着けていた女神の鎧は脱がされてるみたいだ。鎧の下に着ていた鎧下の、むき出しの肩にふわりと蜂蜜色の長い髪がかかる。手入れさえしていればサラサラで収まりのいい髪なのだが、戦闘の後でろくな手入れもしていなかったせいで、あちこちで絡んでたり枝毛になったりしてる。これは手入れ大変だなぁと億劫な気持ちで髪を撫でるオレ。
「って、もう男に戻ったんだから短くしちゃえばいいかっ」
勢いをつけて身を起こすとぐっと伸びをする。おそらくそこそこ長く寝ていたせいだろう、あちこち固まっている身体の筋が伸びるのが気持ちいい。ぐうっと胸を張って背を伸ばして、くうぅ~っと気の抜けた声を漏らすオレ。
(ふよん)
続いて、ぐりんぐりんと両腕を大きく回して、バキバキに固まってる肩甲骨の周りの筋肉を解す。前に後ろにと何度も腕を回してほぐしていく痛気持ちよさに気だるさも少しずつ抜けていくみたいだ。
(ふよん、ふよん、ふよん、ふよん、ふよん)
おかしい、なんだかおかしい。
男に戻ったはずなのに、なぜか身体の前面に違和感がある。
なんというか、柔らかい脂肪の塊が二つばかり付いてるような感覚。
(いやー、まさかそんなはずないよな?まさか、まだおっぱいがついたまんまとか、そんなバカな、ハハハ)
天幕の天井を仰いで乾いた笑いを浮かべるオレ。ちょっとした現実逃避というか、心の準備ってやつだ。おそるおそる、胸元に手を持っていく
(ふにゅん)
柔らかな膨らみがオレの手にすっぽり収まった。大きさは慎ましやかだけど、形は良くて、多分てっぺんには桜色の蕾が乗ってる。感度は困ったことに割といい。つまり、勇者にされて以来の付き合いのオレの胸だ。
(あれぇっ? 男に戻ってなくないか?! あんだけ、精神世界で恥を忍んで駄女神のおもちゃにされたってのに、オレの身体、もとのままじゃね?!)
意を決して視線を落とす。
目に飛び込んできたのは、鎧下の下で小さいながらもしっかり自己主張する形の良い二つの膨らみ。鎧下の短めの裾から覗く健康的な肌触りの良さそうな白い太ももが目に飛び込んでくる。つまり、未成熟の少女のままじゃねぇか!
「うぉい!ちくしょー!また騙しやがったな、あのクソ女神!
今度は夢オチとか前よりひどいじゃねーか!」
オレは怒りに任せて地面を力任せに殴りつけた。薄い敷布の下の地面を殴りつけた痛みで少し後悔するが、そんなことで冷静になれるわけがない。
「勇者になれば女の子にモテモテとかいうから引き受けたのに、オレを女にして女の子と仲良くできたでしょ?とか、そんなんばっかじゃねーか、あいつ!」
そもそもの出会いからして気に食わなかったのだ。イライラが募りまくって腹の底がムカムカする。
(むくり)
あの女神はだいたい、頼んだことをまっとうに叶えた試しがないのだ。いままであったあれやこれやのすれ違いが改めて記憶から蘇ってきて、オレは大いに悪態をついた。
(むくり)
ひとしきり悪態をついたあと、下半身になにやら異変を感じて改めて視線を自分の下腹部に向ける。
「んっ? なんで、ここ膨らんでるんだ?」
オレの股間のど真ん中あたり、そのあたりから何者かが鎧下の裾を持ち上げていた。そして、なにやらムズムズと落ち着きのない感覚をオレは下腹部に感じていて、どうもそれは鎧下の裾を持ち上げる何かと密接に関係する予感がした。
「まさかなー、ここだけ戻ってるなんてことは…」
乾いた笑いを浮かべること、本日二度目。誰もが振り返るような日向のような笑みこそ似合っている美少女の身体には似つかわしくない笑いだ。健康にも良くない。とにかく、暗鬱とした気分を隠そうともしないままに、そろりそろりと裾をあげ、そこに予想通りのものを見つけてオレは盛大に溜息を漏らした。
「なんで、ちんこだけもとに戻ってるんだよ。
ていうか、なんだこれ、怒りマラか?朝立ちか?
立派じゃねーか、我が息子よ…」
鎧下の裾の下からは、隆々と屹立した男性器が顔を出していた。並のブツよりは2回りくらいサイズのでかいコイツは、女神の勇者となるまで長年連れ添った愚息だった。未成熟の少女にされた時に生き別れ、女神の部屋で再会を果たした愚息が、オレの股間から生えていた。
なるほど、事態は把握した。
秘芯が男性器に変化しただけなので、秘裂もその奥の穴もそのまま、いわゆるふたなりという状態だ。オレは、元の体に戻してほしいと願ったのに、これは中途半端にも程がある。オレには文句を言う権利が、いや義務があるはずだ。
そう結論づけたオレは、早速女神を呼び出すことにした。
常に身につけている首飾りに手を当てて、深呼吸する。これは女神から授かったもので大粒の月齢石が中央にあしらわれた、繊細な作りのものだ。女神の鎧と組み合わせて簡易的な神殿を形成するもので、駄女神を象徴する石をあしらった首飾りが御神体、女神の鎧が神殿に相当するらしい。
閑話休題、普段から駄女神に用があるときは、月齢石に向かって思いっきり文句を言うという方法を取っていた。頭の中に語りかけてくることもあれば、直接本人が顕現してくることも在る。まあ時によりけりということらしい。
今回もいつものように、首飾りに手を当てて駄女神の文句を思念にのせてぶつけまくる。なにせ、今のオレは怒り心頭だ。文句の話題には事欠かなかった。
■□■□■□■□■□■□■
「えーと、クリスちゃんが泣いて頼んできたお願い聞いてあげたのに、なんであんな事言われなきゃいけないの?!」
女神はご立腹だった。シンプルながらしかしだからこそ豊満な体のラインが際立つ肩出しドレスを身にまとって顕現したかと思うと、腰に手を当てて上から覗き込むような姿勢で文句を言ってきた。たわわに実った双乳が目の前で揺れるが、今はそんなものに目を奪われている場合ではない。オレだって怒っているのだ。
「それは言うだろうが! オレは男に戻りたいってずっと言ってて、お前、それを叶えるって言ったよな?なんで、こんな形になってるんだよ?!」
両手を広げて全身をアピールするオレ。鎧下の短めの裾からは通常サイズになってもそれなりの大きさの愚息が角度によってはチラ見えしていた。
「こんな形って、クリスちゃんの要望通りじゃない?!」
「どこがだよ?!オレは男に戻りたかったんだよ、こんな愚息だけみたいな中途半端なののぞんでねーよ!」
「え?クリスちゃん、おちんちんが望みだって言ってたわよね?」
「えっ?!」
すれ違いに気づいて黙り込む女神と少女。
「クリスちゃん、よく思い出してみて。」
「お、おぅ…」
「私とどんな約束したか、思い出してみて?」
えーと、たしか…
「返して!ちんこ!すぐに返して!」
ってオレが泣いて頼んで…
「はいはい、わかったわよ。じゃあクリスのご褒美は、『おちんちんを返してあげること』 それでいいわね?」
って女神はこんな感じで返してきて…
ん? 『おちんちんを返してあげること』 だって?
今の自分の身体をしげしげと見る。
相変わらずの整った容姿の少女の身体に…
凶悪な愚息
「そんなところだけ真面目か!」
オレはしゃがみ込んで頭を抱えた。
確かにあの時、オレは「ちんこ返せ」としか言っていなかった気がする。ていうか、わかるはずだろ?ろくな説明もされず少女の身体にされたことを事あるごとに文句言ってたし、男に戻せと騒ぎまくってた。そんなやつが「ちんこ返せ」って言うんだから、それは男に戻せってことだってわかるはずだ。っていうかわかってくれ…
「えーと、クリスちゃんを女の子にしちゃったときのこと、私も少しは悪いと思ってたのよ?だから今回は行き違いにならないように、確認したよね?」
「うん、されたよ。されたけどさ、分かれよ、そういうことじゃないって。」
「前回もクリスちゃん、おんなじこと言ってたわね。『女の子と仲良くできると、女の子にモテるはちがう!』とか。勘違いしたのはクリスちゃんなのに…」
「うぅ、すみません。」
がっくりと項垂れるオレに、せっかくチンコは返ってきたんだからそれを活用して愉しめば?などと適当な慰めをする女神。別れの挨拶もそこそこに帰ろうとする素振りを見せている。
「えーと、フレイサイス様。できたら、試練の代価、別のものに変えてもらいたいんですが…」
「むりですー 試練があって、代価が在るんですー クリスちゃんは試練の代価を受け取ったのでもうむりですー」
「そこをなんとかっ! だってオレ、災厄とか倒したんですよ?ちょっとくらい大目に見てくれても…」
ひざまずいて足にすがりつくようにして頼み込む。プライドなんて知ったことか。女神は顎の先に指を当てて軽く思案する素振りを見せた。
「やっぱり、試練もなしに対価は支払えないわね。でも、果たした試練に対して対価がささやかな気がしてたのも事実だし。ここは新たな試練を果たすというのはどうかしら?」
「いや、それってまた災厄倒すレベルの苦労しろってことだろ?」
オレは心底嫌な顔をする。ほんと、あの魔王を倒すのどんだけ苦労したと思ってるんだ。最終決戦だけ見て済ましてたんじゃないだろうな、駄女神?
「そんなに嫌な顔しないの。前の分があるからごく簡単な、ゲームみたいなものにしようと思うのよ。要は試練を果たしたという形式だけあればいい訳だし。」
「なるほど、お前がいい加減な女神でこれほど嬉しいと思ったことはないぜ、素晴らしい」
「ちゃんと信仰してくれないようだと、試練のこと無しにしてしまうわよ?」
軽く睨まれた後、今回の試練について説明を受けるオレ。
女神が語るには今度の試練の内容はこういうものだった。
1. 試練のために身体に聖刻印を刻むこと
2. 男の子として女の子をイかされたら、聖刻印に魔力が貯まる
3. 女の子としてイかされたら、男性器が縮む
4. 男性器が縮みきったら二度と元の体には戻れない
5. 元の体に戻るには聖刻印に魔力がたまりきった状態で王都の大神殿を訪れること
「という感じなのだけど。どうかしら?」
「いや、なんでこんなエロネタなんだよ?」
「こうでもしないと白い部屋で童貞捨てられても、現実の方ではクリスちゃん無理かなって思って。」
「余計なお世話だよ!」
もうちょっとマシな試練はないのかと食い下がってみたものの、試練を眺める方も面白いほうがいいと駄々をこねるエロ女神。そもそも今度ばかりは非はオレの方にあるのでそうそう強気にも出られなかった。
「それで、受けるの受けないの?」
「わーったよ、受けるよ!受ければいいんだろ!オレの愚息で女の子をイカセまくればいいんだろ!やってやるぜ!」
(ちくしょう、このフザけたゲームに勝って、男として完全に復活してやるからな!)
オレは新たな使命を前に決意を新たにした。
0
あなたにおすすめの小説
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる