「alive」

レム

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第五章【旋律】

第15話【確率】

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キリカのその姿は天使のように美しく、神々しい。

ミゼル「宝具……いやその姿……全身魔装か」

キリカ「えぇ、この姿も長くはもたないの」

ミゼル「互いに魔力に限界がある。」

キリカ、ミゼル「決着をつけよう」

二人は後ろに飛び距離をとる。

ミゼル「アーチャーとして、弓師最強と言われたお前と弓をまじえることができて嬉しいぞ」

キリカ「そう、私は面倒なのだけれど…しょうがないわね、本気の一撃で、仕留めて上げるわ」

ミゼルはキリカに向かって弓の弦を引く、するとミゼルの全身から闇のオーラが爆発し、

ミゼル「光を穿つ闇の如く、その者を血に晒せ…」

さらにオーラが増幅し、ミゼルを支える足が地面にめり込む。

キリカ「蒼生よ、闇を照らす光あれ…」

キリカの背中から広げられる白き翼が羽ばたき、空に舞う。
そして輝く弓矢を手に、ミゼルに狙いを定め、弦を引く。 

ミゼル「ヘルライズ死の弓!!!!」

キリカ「ライトレモートリバー天の雨!!!」

大量の魔力を一転に集中して放たれた2つの蒼き弓と黒き弓は、宙で衝突し、眩い閃光が辺りに迸る。

ミゼル「甘いな……」

ミゼルはもう一度弦を引き直す。

キリカ『まさか2連射……!!』

そして衝突している2つの弓矢に放つ、ミゼルの放った矢の威力が加算される。

キリカ『……って、こんなので驚くと?』

キリカも再び弦を引く。

キリカ「これが私の本命よ、サンズフォールリバー天の斑雨!!!!」

キリカの弓から何本もの弓が重なり、ミゼルに降り注ぐ。
それはもはや弓矢の雨。
そしてミゼルは自分に降り注ぐ弓矢を見上げると

ミゼル『…………負けたよ』

弓を下ろし、光の閃光に飲み込まれた。









ゼスト「開けるぞ」

玖炉達は2階層に到着し、その扉の前にいた。

玖炉「了解」

中は暗闇、恐る恐る中に足を運ぶと、両端にある灯籠に火がつき、辺りを照らし始めると、奥には男が立っていた。



ガゼル「俺はガゼルっつうんだ、たった今俺の弟が逝っちまったようでよぉ……」

辺りの空気が震える。

ガゼル「お前らに罪はねぇが関係者だろ?悪いが首をとらせてもらうぜ」

ゼスト「失礼、お前が俺達の首を取れる確率は俺が求めた確率が正しければほぼ0だ、悪いことはいわない、帰れ。」

ガゼル「帰れ…?」

ガゼルの堪忍袋の尾が切れる。

ハーリィ「ゼスト……」

ゼスト「あぁ、任せろ、行け、次で最終層だ。」

ゼストがガゼルの前に立ちふさがる。

玖炉「負けないでね、ゼスト」

ゼスト「俺の求めた確率が正しければ負ける要素は無い。」

ハーリィ「行きましょう、玖炉」

ガゼルの横を走り抜け、その奥の扉へと進んだ。



ゼスト「来い。」
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