【紅眼の使者】

レム

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本編

第1話【謎の二人】

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先生「世界は、突如大発症したウイルス、≪レグミルムウイルス≫により、地を奪われ、大切な人を奪われ、蝕まれ続けていた。
そのウイルスに感染すれば、体は、虫、あるいは獣のような姿に突然変異する。それを俗にレグミルム化と言う。その体長は人の体長を軽々と越える。そのレグミルム化にもレベルがあり、レベル1~2、これは軍隊の機関銃で倒せるほど、レベル3になると大きさも倍増、6メートルほどにもなる。強さもレベル1~2に比べると段違いだ。そしてレベル4、ここまでくると最大注意警報を国が鳴らす。なぜならば、世界の大災害を引き起こしたレベル5の10体のレグミルムになってしまうかもしれないからだ。」

生徒「…………」

先生「レグミルムに攻撃されたとしよう、すると傷口からレグミルムウイルスが感染し、体はレグミルム化する。感染レベルが50%を越えたら、の話だがな。今は国の回りにガイヴルリームというレグミルムが嫌う石を四方八方に置かれ、守られている。ここまでいいか?」

凪「…………」

先生「そのレグミルムを駆除する人間のことをレジスタンス、というのだ、当たり前だから覚えとけよ」

凪『…………レジスタンスかぁ…』

先生「レジスタンスでもレグミルム化したらもとの子もない、だから確実にレグミルムを殺さなければ、レグミルムが減ることもないわけだ。」

終了のチャイムが鳴り先生の授業が終わる。
そして隣の席の、李奈が話しかけてきた。

李奈「ねぇ、凪」

凪「何?李奈」

李奈「最近聞いた話なんだけど、あの大災害を起こしたレベル5のレグミルムの1体、アスモデウスが、過去、この東京エリアに1回だけ侵入しようとしたって話知ってる?」

凪「知ってるわよ、その大災害の時に現れたた人間兵器って言われるほどの強さを持った英雄3人に守られたって話でしょ?」

李奈「ピンポーン!その3人なんだけど、行方が知られてないっていうか、顔も知らない訳じゃん?見てみたいよね、一度でいいから」

凪「どうせレジスタンスの中に紛れて正体隠してるのよ」

李奈「それがね、いるらしいのよ」

凪「?」

李奈「その英雄3人の中の一人が、B市にいるらしいのよ」

凪「え!?」

B市というのはもはやレグミルムウイルスが発症し、立ち入り禁止区域となった場所。そんな場所に住める所など…

李奈「…………行ってみたくない?」

凪「…………少しだけね」

互いに、にやりと笑い頷きあった。

凪「決行は今日の夜、非常事態の時に家にある対レグミルム用の機関銃を持ってくること、だね」

李奈「オーケー!楽しみになってきた!」

凪『本当にいるのか不安だけど…確かに一目見てみたい』


…………

………

…… 






???「蜘蛛型のレグミルム倒したけど、感染者でちゃってないかな」

???「俺はいないに1票」

???「なら私はいるに1票☆」

???「へぇ…じゃ、偵察よろしく」

???「え、そ、そんなぁ…」

???「まぁ、最近東京エリアに出現するレグミルムの謎もついでに頼む」

???「はいはい」








凪「やっと帰れる…さ、早く帰って夜の支度をしなきゃね」

李奈「了解!」

そして学校をでて、家へと帰る。
今日はいつもの帰り道ではなく、近道を使い、細い路地を通った。

「あの……」

太い男の人の声だ。声をかけられ立ち止まる。

凪「……はい?」

路地の暗闇でその人の顔は見えないが、ゆっくり、ゆっくりと近づいてくる。

「助けてくれないか……」

日光の光が男にかかると

凪「ひっ……」

血だらけで、片腕が何かに食いちぎられた用だった。そして傷口から虫のような足が生えかかっている。

「レグミルムに襲われたんだ、ここまで逃げてきたんだけど……」

凪「あなた…自分が今どうなってるのか……わかってますか……」

「え?」

男は自身の体を確認するように見る。

「や……やだ…死にたくない…助けてくれ……助けてクレエエエェェェ!!!!!!」

そして男の体は引きちぎれ、中から巨大な蜘蛛が現れる。
そう、レグミルム化したのだ。

凪「こ、こないで!!!」

巨大蜘蛛は凪に近づいてくる。

凪「いやぁぁ!!!!」

凪に襲いかかろうとした瞬間。

???「蜘蛛型レグミルム、レベル1捕捉、殲滅対象としまーす☆」

突然上から赤い髪の女性が降りてきたかと思うと、巨大蜘蛛の目の前にたちふさがる。
見たところレジスタンスではない様にみえる。
対レグミルム用の武器なども見られない。

凪「危ない!!!」

???「大丈夫大丈夫」

蜘蛛がその女性に覆うようにして近づいてきたかと思うと

???「ふんっ!」

足を円を描くようにまわす。
すると同時に蜘蛛の動きが止まる。

蜘蛛「ガ……ヵ……ァ……」

ずるずると蜘蛛の頭が切断されていく。
そしてゴトリ、と地面に落ちる。
蜘蛛は力無くして倒れこんだ。

???「怪我はない?」

凪「は…はい……」

腰を抜かして倒れてた私は、手を差し出され、立ち上がる。
見たところ私より少しばかり年上に見える。

凪「レジスタンスの方ですか?い、今のは…どうやって…?」

???「……………まぁそれに近いね☆今のはこれ」

足の先端から刃が飛び出る。

???「対レグミルム用にガイヴルリームで作られた特殊武器、これでスパッと頭を切ったのよ」

凪「あなたの名前は…?」

ふむ、と考え込むようにしてこちらを向く。

ナイン「………ナインよ、あなたの名前は何?」

凪「ナインさんですね……私は凪です。改めて助けてくれてありがとうございます」

ナイン「凪ちゃんね、覚えた。さっき蜘蛛型のレグミルムに遭遇してね、もしかしたら感染者がでるかと思ってまわってたんだけど、間に合って良かったわ☆それじゃ、私は用があるから、またね☆」

凪「は、はい!」

ナインは地を蹴り家の屋根の上を飛び、どこかへと行ってしまった。

凪「あの方向……B市の方角だ…」





…………

………

……


 

ナイン「ただいま~☆」

???「戻ったか、ナイン」

ナイン「やっぱり感染者いたよ?私の予想的中☆」

???「はいはい、俺の負けだ。」

ナイン「久しぶりに体でも動かしたら?いつもそうやってベッドにもたれかかってて…」

???「ま、非常事態になったらな…………」

ナイン「も~…面倒くさがりなんだから……」
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