【紅眼の使者】

レム

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本編

第10話【夕飯での戦闘】

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「翠様、本当にあやつらに依頼しても宜しいのですか」

翠「構わん、私の元実験サンプル…そして最高傑作の化け物。空閑翔真。恐らく人間最強だろう……そんな化け物には化け物を当てる。どちらか片方が勝ったとして、どんな結末でも重症を追うだろう。リヴァイアサンが生きれば駆除、人間兵器共が生きれば確保、どっちに転がろうが得しかないのだよ」

「なるほど…では我々も体制を整えなければなりませんね」

翠「そういうことだ。さて、始めようか」




…………………

……………

………

……





そして夜になる。只今翔真とナインは壱流達と久しぶりに出会った為、雑談、かつ休憩をとっていた。

ナイン「お腹空いたなぁ。ねぇ翔真、ご飯そろそろ食べない?」

翔真はちら、と時計を見ると針は9時になろうとしていた。

翔真「そうだな、飯にするとしよう」

壱流「僕が作ろうか、お邪魔している身だし、簡単なものでいいなら」

翔真「あぁ、頼む」

ナイン「あ!私も手伝いますよ☆」

壱流「それじゃ、お手伝いお願いしようかな」

そう言い壱流とナインはキッチンへと足を運んだ。
部屋には翔真と白那の2人になった。

白那「………………」

白那はじっと翔真の顔を覗きこんでいる。
本を読みながらソファーに座っている翔真は、視線を感じて集中ができなかった。

翔真「……何か話したいことがあるのか?」

白那「やった、翔真にぃから話しかけてくれた!」

翔真「……ずっとまってたのか……何だ?」

白那「翔真にぃのその腕のアザ、綺麗だなぁって」

翔真「……これか?いいものじゃないぞ」

服を捲り、アザを露にする。そのアザは蛇のように螺旋状に腕に巻き付いていた。

翔真「これはウイルスを注入されたときにできたアザだ。そのレグミルムのウイルスがまだ生きていて、こうやって未だに俺を乗っ取ろうとしている」

白那「へぇ……それは初めて知ったよ。なんか悪いこと聞いちゃったかな……。ごめんね翔真にぃ」



翔真「別に、気にはしてない」

白那「そっか、ありがと翔真にぃ、あー……明日学校行かなきゃ行けないんだよ……面倒臭いなぁ」

翔真「…そうか、まだお前は学校に行く歳だったな」

白那「うん…体育とか運動で相手に手加減するのが大変だよ」

翔真「はは…それはそうだな」

白那「あ!翔真にぃ笑った!」

翔真「まるで物に心が宿ったかのように言うが俺だって感情はある。」

白那「ふふ、だって珍しいんだもーん」

翔真「ふん……」 

そんな話をしているとキッチンから壱流が顔を出す。

壱流「もうちょっとだから、待っててね」

白那「はーい」

数分間が空き、今度は翔真が話しかけた。

翔真「……壱流の指導は厳しいか?」

白那「うーん…最初は死ぬかと思ったけど、もう慣れたかな?」

翔真「そうか…よく挫折しなかったな」

白那「たまーに小話とかいれてくれたり、厳しくもあったけど楽しくもあったよ。…………そういえば壱流は誰に剣を教わったんだろ?」

そう言うと今度はナインがキッチンから顔を出した。

ナイン「壱流君の師匠は、そこにいる人よ」

と、ナインは指を差す。

白那「そこ?」

ナインが指差す方向へ目を向けてみると。

白那「え!?翔真にぃなの?」

驚きのあまり立ち上がってしまう白那。

翔真「まぁ…少しな。俺も刀を使っていた時もあって、壱流には稽古をしていた」

白那「そ、そうなんだ……予想もつかなかったよ…」

壱流「昔はボコボコにされたけど、今やったら僕が勝つけどね」

壱流とナインが料理を運んで部屋に入ってきた。

翔真「ふん…それはどうかな。」

互いに笑みを浮かべる。

ナイン「はいしょーま、ご飯どーぞ♪」

華麗なステップを踏んで翔真の目の前にコトン、と茶碗を置く。

翔真「あぁ、ありがとうナイン」

ニコりと笑い向かい側の席に着く。

壱流「白那はこれくらいの量でいいかな?」

と茶碗の中にある白米を見せる。

白那「うん!」

そして茶碗を渡し、壱流も席に着く。

壱流「それじゃ、いただこうか!」

一同手を合わせ。

全員「いただきます。」




………………

…………

……





白那「ん!最後のお肉もらっちゃお~」

ナイン「待って。それ私が食べようとしてた」

白那「そうなの?ごめんねナインお姉ちゃん、いただきまー」

と、箸を伸ばした時、瞬時にナインの箸がそれを止めた。

白那「…………」

ナイン「早い者勝ち、よね?」

そしてナインの箸が真下の肉に瞬間的に移動した時。
さらに白那の箸がナインの箸を止めた。

白那「そうだね……!ナインお姉ちゃん!」

そこから肉を奪い合う箸と箸との高速戦闘が始まった。

翔真、壱流「……はぁ。」
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