【紅眼の使者】

レム

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本編

第11話【エリア内の動き】

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それからというもの、翔真達は1人ずつ風呂に入り就寝した。
壱流と白那の寝床が適当でいいという話だったが、中々決められず、翔真は白那に自分のベッドを譲り、自身はソファーに寝た。壱流は自殺の寝床の床に寝そべり就寝をとった。

翔真「刀か…。」

翔真は呟き立ち上がる。

壱流「まだ、使う気にはなれないかい?」

振り返ると壱流が壁に寄りかかってこちらを見ていた。

翔真「起きていたのか……」

壱流「翔真、彼女を傷つけたのは君じゃない。全てはウイルスの所為だ。彼女も気にしている素振りはないし、思い悩むことはないよ。」

その発言を聞くと翔真の目は赤くなり壱流を睨む。

翔真「だが、俺が傷つけたことにはかわりはない……!!俺がいつ再びウイルスに感情を奪われるのか…お前にはわかるのか?」

翔真の目には自身への怒りが写し出されていた。

壱流「…………っ」

翔真は、はっとして壱流から目を反らした。

翔真「……すまない。忘れてくれ…」

壱流「……あぁ………悪かった…。」

数分、沈黙が流れる。

壱流「先に僕は寝るよ」

翔真「あぁ」

壱流は部屋に行き、部屋は静寂に包まれた。

翔真「………………ナイン…」




………………

…………

……






朝。
翔真は何かの物音に起こされる。

翔真「………………?」



白那「あーごめん翔真にぃ、起こしちゃったかぁ」

翔真「……そうか……学校か……」

寝起きで瞼が重く、日差しが眩しい。
目を擦りながら白那を凝視する。

翔真「み、身なりをちゃんとしてくれ……」

服をまだしっかり着ていない。多分白那の着替え途中の音で目が覚めたのだろう。翔真は白那から目を反らす。

白那「あ、はーいはいはい」

慌てて身なりを整えた。

翔真「もう行くのか?」

白那「うん、朝早いだよ~」

翔真「そうか…気をつけて行けよ」

白那「うん!ありがと翔真にぃ!じゃ、行ってくるね!」

翔真は頷き、再びソファーに横になった。


………………

…………

……





白那は家をでると勢いよく走り出し、B市を抜けていく。
東京エリアを守るガイヴルリームの壁を軽々飛び越え、エリア内に入る。

白那「ふぅ、ここからは歩いて行こうかな」

道路にでると、学校に向かう学制が多くいた。その中に自然に紛れ込む。

「ふぁぁ~…眠い…」「初日体育とか下がるわ~…」

色々な話を耳にしながら白那は1人歩いていた。
その中で、気になる話をする声がした。

「翔真さん達、来てくれないかなぁ」
「も~またすぐ会えるよ」

白那『……翔真にぃ!?……いや、たまたま同じ名前の人だよね……』

チラ、と声がした方向へ目を向けるが、人が多く誰かわからなかった。 

白那『2人組の女子だったな…』

そして白那は学校につき、自身のクラスに向かい席に着く。

白那「ぁー疲れた…」

手を伸ばして少し伸びをした。
そして後ろのドアからクラスメイトが2人入ってきた。

李奈「ナインさんって翔真さんのこと好きなのかな?」

凪「わかんない、でもお付き合いはしてなさそうだね」

白那『あー確かに……いや、ナインお姉ちゃんは絶対好きだと思う…翔真にぃはどうかわからないけど………………って、え!?えぇ!?!?』

白那はガタン、と机に手をつき、
2人の前に駆け寄った。

白那「李奈、凪、翔真にぃとナインお姉ちゃんのこと知ってるの?」

凪「し、白那ちゃん!?」

突然話し掛けてきたもので、驚き1歩後ろに下がる。

白那『なるほど……朝翔真にぃのことを話してた2人組は凪と李奈か……』

李奈「え、白那ちゃんも知ってるの?」

白那「そ、それは…まぁ…それより、ちゃん付けじゃなくてもいよ。翔真にぃ達のこと何で知ってるのか、教えて貰えるかな」

凪「わかったよ、それじゃあ、私達が翔真さん達と出会った時のこと、言うね。」



………………

…………

……






白那「なるほど…それじゃあ2人の体のことも、レジスタンスのことも知ってるわけだね」

凪「う、うん」

李奈「白那はなんで翔真さん達のことを?」

白那「私は翔真にぃ達とはここに来る前から色々あってね、ざっくり言うと翔真にぃの知人の人と知り合って、それで知り合ったっていうのかな。」

凪「知り合いっていうのは…?」

白那「刀術の達人…っていうのかな、その人に教わったりしてさ」

李奈「ってことは、白那も翔真さん達みたいに…その……強いの?」

白那「翔真にぃ達には遠く及ばないけど、」

李奈と凪の目の前から白那が瞬時に消える。

凪、李奈「!!」

白那「人並み外れてる…のかもしれないね」

気づけば凪と李奈の背後にいた。

凪「す…すごいよ白那!!」

李奈「それって私達もできたりするの?」

白那「もちろんできるけどー…長い修行が必要だね」

凪と李奈は目を輝かせ、是非とも修行をしたいと言っているようだ。

白那「あ、もちろん、このことは誰にも言わないようにね」

李奈「うん!」
凪「もちろんだよ」
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