【紅眼の使者】

レム

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本編

第13話【勝敗と準備】

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翔真とナインは互いに距離を取る。

翔真、ナイン「……天掌式戦闘術……朝蓮の構え」

両者とも同じ独特な構えをとる。

壱流『これは……決まるか……』

凪「な、なに?何が起こるの?」

白那「決着がつくんだよ、多分、同じ構えなら翔真にぃが勝つけどね」

3人はじっと2人を見つめる。

翔真「……いくぞ、ナイン」

ナイン「……望むところ……!」

同時に地を蹴り距離が縮まる。

李奈「翔真さんとナインさんが消えた!?」

白那『逆に見えたらすごいよ』

凪『きっと目に見えないスピードで戦ってるんだ……』

翔真、ナイン『弐の型1番……回煌5撃貫手かいこうごげきぬきて!!!』

衝撃音が1…2…34…と鳴り響く。
1撃1撃の衝撃音に凪と李奈は耳を塞ぐ。

翔真、ナイン『5撃!!!!!』

互いの貫手が激突する。
2人とも1歩も下がらない。

翔真「…………はぁっ!!」

ナイン「んっ!!」

力比べとなると翔真にはかなわず、体制が後ろに傾く。

ナイン『や…やられ…』

翔真は瞬時に背後に回る。そして軽く拳を背中に当てようとしたが、

翔真「…………!」

ナインの背面を見ると翔真は動きが一瞬止まった。

ナイン『遅い…?……なら…!!』

壱流『……翔真……』

ナインは体制を立て直し、止まっている翔真の拳を避け。

ナイン「えぃっ!」

翔真「あ……。」

軽く翔真の頭にチョップした。
数秒間、無言が続く。

壱流「……はい!ナインさんの1撃が翔真に入った為、ナインさんの勝ち!」

白那、凪、李奈「………………え?」

ナイン「やったーー!!!」

子供のように喜ぶ。

翔真「……はは、俺の負けだ……成長したな、ナイン」

ナインの頭を撫でる。するとりんごのように頬が真っ赤になった。



ナイン「じゃあ約束通り!お願い1つ聞いてもらうからね♪」

翔真「あぁ、わかってる」

承諾を得ると跳び跳ねながら喜んだ。

白那「な、なんで…?翔真にぃ、負けたの?」

物陰に隠れていた白那達は翔真に駆け寄る。

翔真「しょうがないだろう、負けは負けだ。帰ってたのか白那……と、凪と李奈まで何故……?」

壱流「この子達が前に言ってた東京エリアの子達だね」

凪「雨音あまね凪です!」

李奈「七瀬ななせ李奈です!」

壱流「緋榎ひえの壱流だよ、宜しくね」

白那「2日後のことについて、言っといた方がいいんじゃないかなって思って連れてきたの」

翔真「あぁ……確かにそうだな」

ナイン「久しぶり~☆」

凪「お久しぶりです!ナインさん!」

李奈「会えて嬉しいです!」

壱流『…この2人…先程の戦闘を見て怖がらないか…まぁ、翔真とナインさんにとっては準備運動にもならないものだろうけど……』

翔真「凪、李奈、急で申し訳ないんだが……お前たちに話したいことがある。」

凪「は、はい、なんですか?」
李奈「なんでしょう?」

翔真「2日後に、今この時も生き続けている大災厄をもたらしたレグミルムの1体、リヴァイアサンが目覚める。奴が東京エリアに接近したら、再び大災厄が必ず起こる。その前に俺達4人が始末する。必ずだ。だから2日後は何があっても東京エリア外に出ないで欲しい。家族がもしエリア外へ外出するのならば、予定をずらしてもらってくれ。約束できるか?」

凪「そ、それを知っているのは…」

翔真「俺達とお前達、そして…レジスタンスの連中、あとは東京エリアの最高機関ってとこだろう」

李奈「最高機関がエリア市民に伝えないのは、やっぱり混乱を防ぐ為ですか?」

翔真「それも1つの理由だ」

突然すぎて状況が上手くのみ込めていない様だ。

凪「……わかりました。約束します。ですが翔真さん達も約束してください。」
李奈「必ず無事で戻ってくると」

翔真は微笑む。

翔真「……もちろんだ」

ナイン「約束だね!☆」

壱流「頑張るんだよ?白那」

白那「い、言われなくたってわかってるよ!」
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