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異様なる存在感に人々が薄気味悪さを抱く中、「落ちこぼれ」と悪し様に言われた事で絶賛ご立腹中のラミウムは、下に見た笑い声に怒りを増し、
「オイッ! そこのヘンタイローブゥッ!」
「ヘンタイ?!」
首を傾げて自身を指差す「謎の黒ローブ」にヤンキーばりのイキ顔を向け、
「テメェ、ちぃーとばっかココまで下りて来てそのツラぁ貸せやぁーーー!」
しかし黒ローブはフードから微かに覗く口元に薄笑いを浮かべ、
「いくら「落ちこぼれ」とは言え貴方は天世ぇ。丁重にお断りするんですよねぇ~」
小馬鹿にした口調で断ると、半笑いの笑みを浮かべたまま、無言で両手を天に向かって高々と上げ広げ、
「なっ?!」
気付けば、
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
同じ立ち姿の黒ローブが円形闘技場最上段の端々にも。
計六人は客席ごと闘技場内を囲む様に各々両腕を広げ、耳慣れない言葉で詠唱を唱え始めた。
しかし、薄気味悪さは感じても、永きに渡る平和の弊害か人々はあまり危機感を抱いていない驚きで以って、
「なんだぁあの言葉はぁ?」
「聞いた事の無い言語よね?」
「何かの演出じゃないのかぁ?」
「何が始まるんだ?」
逃げ出す事も無く、周囲を見回すばかりであった。
呑気とも言える空気の中、ラミウムだけが顔色を急変、
(地世の詠唱じゃないかァい!)
危険を感じた刹那、ドス黒い光の線が黒ローブ六人の頭上を繋ぐ様に走り出し、
「こいつぁマジでヤバイよッ!」
ラミウムも両手を合わせて別の言語で詠唱を唱え始め、その身を白く輝かせ始めた。
六人がかりの術に対して一人で対抗しようと言うのであるが、例えラミウムが神の如き「選ばれし百人の天世人」であったとしても、術の詠唱開始が後発な上に、用意周到、多勢に無勢。
黒ローブたちが上空に描いた「黒い光の線」は瞬く間に巨大な「黒き円形魔方陣」として結ばれ、それはまるで円形闘技場を真上から蓋する様に、ゆっくりと下降を開始した。
「ちょ、ちょっと下りて来るわよォ!」
「大丈夫なのかァ!」
「逃げた方が良いじゃねぇのかァ!」
流石に身の危険を感じ始める観客たちではあったが、魔方陣を微動だにせず睨み上げる全身甲冑を纏った正騎士たちの凛々しい立ち姿に、
≪正騎士の皆様と誓約者様たち、それに百人の勇者様たちもいるから大丈夫に違いない≫
逃げ出す者は誰一人としていなかった。
災害時における心理状態、正常性バイアスと同じ。
人は想像を超える事象が発生した時、過度なストレスから心を守る為に都合の悪い部分を過小評価、または無かった事にしようと心が働く。
危機回避の責務を正騎士たちに押し付け、自分たちは「かりそめの安心」を手に心の平穏を保とうとの心理であったが、微動だにしない「頼れる正騎士」たちの全身甲冑フルフェイス兜の下はと言うと、
((((((((((どっ、どうしたら良いんだぁ?!))))))))))
焦りで真っ青。
経験した事の無い危機に直面し、身動き出来なくなっていたと言うのが真実であり、実戦経験豊富な筈の兵士たちも「騎士から指示が無いのだから大丈夫に違いない」と責任転嫁、動じる自身の心に言い聞かせ、その場に留まっていた。
正規の軍人たちでさえその様な有様であったのだから、召喚されたばかりの「百人の勇者」や、肩書目当てで集まった「百人の誓約者」たちなら尚の事で、それは元イケてない少年とドロプウォートも同じ。
≪みんなが動かないからダイジョウブ≫
平和ボケした集団心理と言ってしまえば酷な言い方かも知れないが、立ち尽くす集団の中にあって対抗できる術を発動させる為、孤軍奮闘、詠唱を唱え続けるラミウムを思えば辛辣な表現の一つも言いたくもなる。
しかし、
(どうにも詠唱時間が足りぁやしない!)
白き輝きを増しつつも、上空より迫り来る「黒き円形魔方陣」を悔しげに睨み上げるラミウムは、空を見上げて固まるイケメン少年勇者とドロプウォートをチラ見し、
(せめてコイツ等だけでも!)
咄嗟に二人を抱き締め自身の白き輝きに包み込み、
「え?! 何??? ラミウム?!?」
「何ですのぉ?!!」
驚き問う二人が答えを得るより先、三人は、
「うわぁぁぁあぁぁあぁぁ!」
「きゃあぁぁあぁあぁあぁぁぁ!」
「クソッタレガァアァァッァアァァ!」
極限まで近づけた対極の磁石が如く一瞬のうちに闘技場から弾き飛ばされ、青い空の彼方へ消えて行った。
「オイッ! そこのヘンタイローブゥッ!」
「ヘンタイ?!」
首を傾げて自身を指差す「謎の黒ローブ」にヤンキーばりのイキ顔を向け、
「テメェ、ちぃーとばっかココまで下りて来てそのツラぁ貸せやぁーーー!」
しかし黒ローブはフードから微かに覗く口元に薄笑いを浮かべ、
「いくら「落ちこぼれ」とは言え貴方は天世ぇ。丁重にお断りするんですよねぇ~」
小馬鹿にした口調で断ると、半笑いの笑みを浮かべたまま、無言で両手を天に向かって高々と上げ広げ、
「なっ?!」
気付けば、
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
同じ立ち姿の黒ローブが円形闘技場最上段の端々にも。
計六人は客席ごと闘技場内を囲む様に各々両腕を広げ、耳慣れない言葉で詠唱を唱え始めた。
しかし、薄気味悪さは感じても、永きに渡る平和の弊害か人々はあまり危機感を抱いていない驚きで以って、
「なんだぁあの言葉はぁ?」
「聞いた事の無い言語よね?」
「何かの演出じゃないのかぁ?」
「何が始まるんだ?」
逃げ出す事も無く、周囲を見回すばかりであった。
呑気とも言える空気の中、ラミウムだけが顔色を急変、
(地世の詠唱じゃないかァい!)
危険を感じた刹那、ドス黒い光の線が黒ローブ六人の頭上を繋ぐ様に走り出し、
「こいつぁマジでヤバイよッ!」
ラミウムも両手を合わせて別の言語で詠唱を唱え始め、その身を白く輝かせ始めた。
六人がかりの術に対して一人で対抗しようと言うのであるが、例えラミウムが神の如き「選ばれし百人の天世人」であったとしても、術の詠唱開始が後発な上に、用意周到、多勢に無勢。
黒ローブたちが上空に描いた「黒い光の線」は瞬く間に巨大な「黒き円形魔方陣」として結ばれ、それはまるで円形闘技場を真上から蓋する様に、ゆっくりと下降を開始した。
「ちょ、ちょっと下りて来るわよォ!」
「大丈夫なのかァ!」
「逃げた方が良いじゃねぇのかァ!」
流石に身の危険を感じ始める観客たちではあったが、魔方陣を微動だにせず睨み上げる全身甲冑を纏った正騎士たちの凛々しい立ち姿に、
≪正騎士の皆様と誓約者様たち、それに百人の勇者様たちもいるから大丈夫に違いない≫
逃げ出す者は誰一人としていなかった。
災害時における心理状態、正常性バイアスと同じ。
人は想像を超える事象が発生した時、過度なストレスから心を守る為に都合の悪い部分を過小評価、または無かった事にしようと心が働く。
危機回避の責務を正騎士たちに押し付け、自分たちは「かりそめの安心」を手に心の平穏を保とうとの心理であったが、微動だにしない「頼れる正騎士」たちの全身甲冑フルフェイス兜の下はと言うと、
((((((((((どっ、どうしたら良いんだぁ?!))))))))))
焦りで真っ青。
経験した事の無い危機に直面し、身動き出来なくなっていたと言うのが真実であり、実戦経験豊富な筈の兵士たちも「騎士から指示が無いのだから大丈夫に違いない」と責任転嫁、動じる自身の心に言い聞かせ、その場に留まっていた。
正規の軍人たちでさえその様な有様であったのだから、召喚されたばかりの「百人の勇者」や、肩書目当てで集まった「百人の誓約者」たちなら尚の事で、それは元イケてない少年とドロプウォートも同じ。
≪みんなが動かないからダイジョウブ≫
平和ボケした集団心理と言ってしまえば酷な言い方かも知れないが、立ち尽くす集団の中にあって対抗できる術を発動させる為、孤軍奮闘、詠唱を唱え続けるラミウムを思えば辛辣な表現の一つも言いたくもなる。
しかし、
(どうにも詠唱時間が足りぁやしない!)
白き輝きを増しつつも、上空より迫り来る「黒き円形魔方陣」を悔しげに睨み上げるラミウムは、空を見上げて固まるイケメン少年勇者とドロプウォートをチラ見し、
(せめてコイツ等だけでも!)
咄嗟に二人を抱き締め自身の白き輝きに包み込み、
「え?! 何??? ラミウム?!?」
「何ですのぉ?!!」
驚き問う二人が答えを得るより先、三人は、
「うわぁぁぁあぁぁあぁぁ!」
「きゃあぁぁあぁあぁあぁぁぁ!」
「クソッタレガァアァァッァアァァ!」
極限まで近づけた対極の磁石が如く一瞬のうちに闘技場から弾き飛ばされ、青い空の彼方へ消えて行った。
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