ステ振り間違えた落第番号勇者と一騎当千箱入りブリュンヒルデの物語

青木 森

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 勝手に激しくショックを受けつつ、

(ワタクシが不在にしたアノ短時間でぇ!)

 にわかには「信じ難い」と言った心持ちではあったが、唐突に、
(!)
 以前に読んだ恋愛小説の一文を、フラッシュバックの様に思い出した。
≪見知らぬ男女の目と目が合った次の瞬間、二人は大人の関係に≫
 頭の中が二人の艶事の妄想でいっぱいに。

(こ、この様な非常時になんてぇ「ハレンチ」ですのぉおぉぉーーーーーー!)

 自爆的な妄想に、更に追い打ちをかける様に、
「(愛称呼びは)ラミィもだよ♪」
 再びの主語部欠落。

(ラミィもぉ交えてぇ、三人での不純異性行為をぉおぉぉおぉぉおーーーーーーっ!!!)

 ドロプウォートの頭の中は「卑猥な妄想」が大暴走。
 堪らず二人に背を向け、

(なっ、なんと羨ま……もとい、不純なんですのぉ!)

 複雑に入り組んだ煩悩まみれの感情から打ち震えていると、震える背中に「仲間外れを怒っている」と勘違いしたラディッシュが、
「らっ、ラミィがね!」
 慌て宥めすかす様に、
「仲間になったのに「いつまでも『様』呼ばわりはおかしい」って言い出してね! それで僕もそう思ったから、」
「へ? 仲間???」
 キョトン顔で振り返るドロプウォートに、

「いや、だから、仲間同士は愛称呼びでって………………え?」
「え?」

「「・・・・・・」」

 しばし沈黙で見つめ合う二人。
 そしてドロプウォートは気付いてしまった。

 自身の「大いなる(卑猥な)勘違い」に。

 一気に込み上げて来る、筆舌に尽くし難い羞恥の大波。
 火が出そうなほど顔を真っ赤に染め上げ、

(ひぃいやぁ$#“$%&‘’‘&$$#”*+~=&%#にゃあのぉぉーーーーーーッ!)

 絶叫寸前のところで、彼女の急激な赤面が「激怒による物」と勘違いしたパストリスが、
「すみませぇん! すみませぇん!! すみませぇんでぇす!!!」
(へ?)
 飛ぶように土下座して、

「ボク如き「羽虫」が「皆様のお仲間」なんてぇ出過ぎた事をぉーーーーーーッ!!!!」

 何度も何度も平謝り。
(えっ?!)
 ギョッとするドロプウォート。

(なっ、何故にワタクシは謝られておりますのぉ???)

 訳が分からずフリーズしていると、ラディッシュがパストリスの傍らに屈み込み、
「良いんだよパストさん! 僕とラミィが「それで良い」って言ったんだから!」

 しかし暴走気味に謝罪するパストリスの耳には届かず、
「すみませぇん! すみませぇん!! ドロプウォート様にまで不快な思いを!!!」
 止まない謝罪に、ドロプウォートも羞恥で赤面している場合でなくなり、
(こっ、これってぇ、ワタクシが「またまたやってしまった」と言う事でぇすのぉ?!)
 内心で激しく動揺していたが、素直になれない性格はここでも発揮。
 自分の(卑猥な)勘違いは棚に上げ、

「そっ、そこまで頭を下げられては仕方ないですわぁ」

 斜に構えて腕組みし、
「と、特別にワタクシを『ドロプ』と呼ぶことを許可して差し上げますですわ! 四大貴族が一子のワタクシの申し出を、光栄に思うのですわぁ!」
 あくまでの上から目線に、心中を見透かすラディッシュが思わず苦笑したが、打ち解けた「ラディッシュの声」さえ耳に入らない今のパストリスに、関係を構築できていない「ドロプウォートの声」など届く筈もなく、米つきバッタの如き謝罪は止まず、
「すみませぇん! すみませぇん! すみませぇん! すみませぇん!」
 何度も何度も頭を上げ下げ。
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