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第五章
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押さえつけた人物は、いつ、何処から現れたのか、忍者の「忍び装束」を思わせる黒い服を纏った数名。
『なっ、何なんだコイツ等ぁ! 放しやがれぇ!』
もがくサーシアム。
しかし顔まで隠した黒装束は「伸し掛かった重石」の如く微動だにせず、うち一人が無言のまま彼のポケットの中をまさぐり始め、
『てっ、テメェ! 人の懐を勝手に探ってんじゃねぇ!』
凄んで見せたが、
「!」
その者はポケットの中に「何か」を見つけるや否や取り出し、チョウカイやラディッシュ達、議場内にいる全ての人々に見えるように、それを高々と掲げて見せた。
挙げられた指先に摘まれていた物、それはミネズが持っていたのと同じ地世のチカラを宿した「黒い粒」。
『あ、あれはもしやぁ?!』
『話に聞いた「黒い粒」ではないのか?!』
『七草の一人が、どう言う事なのだ?!』
『何故に、あ奴が持っておるのだ?!』
どよめく議場内にサーシアムは即座に、
『そんな物ぉオレは知らねぇ! このオレを嵌(は)める気かぁ! オレは天世の七!』
『お黙りなさァい!』
チョウカイは鋭く一喝し、
「お見苦しいですよ! 貴方の動向の全ては「監視させていた」と申しました!」
「ぐくっ……」
「天世を守る七草ともあろう者が、天世の安寧を脅かすなど言語道断ですわ!」
(くっ……)
「貴方の動機や背後関係については、後々じっくり時間をかけて聞かせていただきます」
強く弾じると、
「さて皆様方には「初お披露目」となりますが」
視線を元老院の一同に移し、
「この者達は「近衛(このえ)」。私が直轄する特殊部隊です。サーシアム殿の不穏を察し、密かな監視を命じていたのです」
淑やかな彼女が公務の裏で、単独で、秘密裏に行っていた隠密活動の開示に、
(その様な者らが……)
(親衛隊を差し置いて、とな……)
(いったい、いつから存在したのだ……)
(しかしこれでは親衛隊の体面は「丸潰れ」なのではないのか……)
温和な淑女が見せた「思いも寄らぬ一面」に、違和感を覚える御歴歴一同。
しかし彼女は、元老院の実質的ナンバーツー。
表立って違和感を表明する事など出来る筈も無く、
((((((((((…………))))))))))
すると彼女は、いつもと変わらぬ「たおやか」でありつつ厳しい眼差しを、すっかり大人しくなったサーシアムに戻し、追及に手心を加える様子も無く、
「ですが、いくら貴方が「天世の七草の人」と言えど、手前勝手な独断で「天宮守護の任」から離れるなど不可能でしょう」
不穏な前置きをした上で、うつむき黙する彼に、
『貴方に「任務放棄の免罪符」を与えたのは「誰」ですか?』
((((((((((?!))))))))))
黒幕の存在の臭わせに三度ザワつく議場内と、接触して来た者の顔が脳裏をよぎるサーシアム。
とは言え、その者の名を口にするとは、自らも罪を認めた自白に等しく、
「…………」
更に深く黙り込むと、
『その者の名を、お語りなさい』
穏やかな口調と相反する、心をえぐる様な重圧。
静寂に包まれる議場内。
誰もが固唾を呑んで「彼の答え」を待つ中、心中穏やかで居られなかったのは、コマクサ。
表面上は一同と同様に、彼の口から発せられるであろう答えを待ちながらも、
(こっ、これは、もしやフリンジの「手引きの結果」ではあるまいなぁ!? だとすればワシの名がぁ?!)
戦々恐々とした心持であった。
そんな折、
『うわぁぁああぁっぁあぁっぁあぁぁ!!!』
((((((((((!!!?))))))))))
悲鳴を上げて逃げ出したのは、ハイマツ。
すかさずチョウカイが、
『捕えなさぁい!』
命じ終わるが先か、
「ぎゃ!」
彼は短い悲鳴と共に床に押し付けられた。
近衛の一人に。
『じっ、自分は「そそのかされたダケ」なのだ! 一位にしてやるからとぉ! よもや、この様な騒ぎになるなどとはぁ思わなかったのだぁ!』
更なる黒幕の存在を窺わせたが、捕縛対象ではなかったコマクサは内心で安堵しながらも、
(まかり、ワシの襤褸(ぼろ)が出てしまう前に!)
騒ぎの終息を急ぎ図ろうと、
『何をしているかスパイダマグゥ! さっさとソイツ等を引っ立てんかぁ!』
自身の管轄下にある親衛隊に命じ、期せずして職権を取り戻せたスパイダマグはスグさま、幾分、高揚した口調で、
「ハッ!」
元老院ナンバーワンの「コマクサの命」に従い了解を示すと共に、部下たちを呼び寄せ、近衛から失意のサーシアムとハイマツを受け取らせ、
『連れて行きなさい!』
声高らかに連行させた。
近衛隊に、見せつけるかのように。
そして二人は、天法の発動を封じる最下層の牢へと投獄された。
『なっ、何なんだコイツ等ぁ! 放しやがれぇ!』
もがくサーシアム。
しかし顔まで隠した黒装束は「伸し掛かった重石」の如く微動だにせず、うち一人が無言のまま彼のポケットの中をまさぐり始め、
『てっ、テメェ! 人の懐を勝手に探ってんじゃねぇ!』
凄んで見せたが、
「!」
その者はポケットの中に「何か」を見つけるや否や取り出し、チョウカイやラディッシュ達、議場内にいる全ての人々に見えるように、それを高々と掲げて見せた。
挙げられた指先に摘まれていた物、それはミネズが持っていたのと同じ地世のチカラを宿した「黒い粒」。
『あ、あれはもしやぁ?!』
『話に聞いた「黒い粒」ではないのか?!』
『七草の一人が、どう言う事なのだ?!』
『何故に、あ奴が持っておるのだ?!』
どよめく議場内にサーシアムは即座に、
『そんな物ぉオレは知らねぇ! このオレを嵌(は)める気かぁ! オレは天世の七!』
『お黙りなさァい!』
チョウカイは鋭く一喝し、
「お見苦しいですよ! 貴方の動向の全ては「監視させていた」と申しました!」
「ぐくっ……」
「天世を守る七草ともあろう者が、天世の安寧を脅かすなど言語道断ですわ!」
(くっ……)
「貴方の動機や背後関係については、後々じっくり時間をかけて聞かせていただきます」
強く弾じると、
「さて皆様方には「初お披露目」となりますが」
視線を元老院の一同に移し、
「この者達は「近衛(このえ)」。私が直轄する特殊部隊です。サーシアム殿の不穏を察し、密かな監視を命じていたのです」
淑やかな彼女が公務の裏で、単独で、秘密裏に行っていた隠密活動の開示に、
(その様な者らが……)
(親衛隊を差し置いて、とな……)
(いったい、いつから存在したのだ……)
(しかしこれでは親衛隊の体面は「丸潰れ」なのではないのか……)
温和な淑女が見せた「思いも寄らぬ一面」に、違和感を覚える御歴歴一同。
しかし彼女は、元老院の実質的ナンバーツー。
表立って違和感を表明する事など出来る筈も無く、
((((((((((…………))))))))))
すると彼女は、いつもと変わらぬ「たおやか」でありつつ厳しい眼差しを、すっかり大人しくなったサーシアムに戻し、追及に手心を加える様子も無く、
「ですが、いくら貴方が「天世の七草の人」と言えど、手前勝手な独断で「天宮守護の任」から離れるなど不可能でしょう」
不穏な前置きをした上で、うつむき黙する彼に、
『貴方に「任務放棄の免罪符」を与えたのは「誰」ですか?』
((((((((((?!))))))))))
黒幕の存在の臭わせに三度ザワつく議場内と、接触して来た者の顔が脳裏をよぎるサーシアム。
とは言え、その者の名を口にするとは、自らも罪を認めた自白に等しく、
「…………」
更に深く黙り込むと、
『その者の名を、お語りなさい』
穏やかな口調と相反する、心をえぐる様な重圧。
静寂に包まれる議場内。
誰もが固唾を呑んで「彼の答え」を待つ中、心中穏やかで居られなかったのは、コマクサ。
表面上は一同と同様に、彼の口から発せられるであろう答えを待ちながらも、
(こっ、これは、もしやフリンジの「手引きの結果」ではあるまいなぁ!? だとすればワシの名がぁ?!)
戦々恐々とした心持であった。
そんな折、
『うわぁぁああぁっぁあぁっぁあぁぁ!!!』
((((((((((!!!?))))))))))
悲鳴を上げて逃げ出したのは、ハイマツ。
すかさずチョウカイが、
『捕えなさぁい!』
命じ終わるが先か、
「ぎゃ!」
彼は短い悲鳴と共に床に押し付けられた。
近衛の一人に。
『じっ、自分は「そそのかされたダケ」なのだ! 一位にしてやるからとぉ! よもや、この様な騒ぎになるなどとはぁ思わなかったのだぁ!』
更なる黒幕の存在を窺わせたが、捕縛対象ではなかったコマクサは内心で安堵しながらも、
(まかり、ワシの襤褸(ぼろ)が出てしまう前に!)
騒ぎの終息を急ぎ図ろうと、
『何をしているかスパイダマグゥ! さっさとソイツ等を引っ立てんかぁ!』
自身の管轄下にある親衛隊に命じ、期せずして職権を取り戻せたスパイダマグはスグさま、幾分、高揚した口調で、
「ハッ!」
元老院ナンバーワンの「コマクサの命」に従い了解を示すと共に、部下たちを呼び寄せ、近衛から失意のサーシアムとハイマツを受け取らせ、
『連れて行きなさい!』
声高らかに連行させた。
近衛隊に、見せつけるかのように。
そして二人は、天法の発動を封じる最下層の牢へと投獄された。
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