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第五章
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衆議は続き――
少々お疲れ気味な御様子を見せる、御歴歴一同。
長きに渡り安穏とした日々を送って来た天世において、イレギュラーな出来事が立て続けに、目紛るしく起きては止むを得ないとも言えるが、悪しき秘め事を内に抱えたコマクサなら尚更。
元老院の旗頭としてのプレッシャーを撥ね退け、現在まで勤め上げて来た彼でも、流石に精神的疲労が否めず、
(つ、疲れたわい……藪蛇(やぶへび)になる前に、早々お開きにせねば……)
ため息と共に閉会を告げようとしたが、
『もう少しお付き合いいただけますか、コマクサ殿』
(?!)
チョウカイが恭しくそれを制し、
「そして皆様方も」
議場内の面々をも見回し、
(まだ何かあると言うのかぁ……)
露骨な疲れ顔を見せるコマクサ。
同様に疲れた顔を見せる御歴歴一同の気持ちを代弁するが如く、
「チョウカイ殿よぉ、まだ何かあると言うのかぁ?」
呆れをも滲ませたが、彼女は気にする風も無く粛々と、
「実はこの件、未だ「全の決着」を見てはおりません。裏から全てを操る「真なる黒幕の存在」があるのです」
「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」
「ハイマツ殿や関わった者どもなど、その傀儡にすぎません」
「「「「「「「「「「なんとぉ!」」」」」」」」」」
驚きを見せる御歴歴の面々と、
(!!!)
驚愕を内心に、辛うじて留めるコマクサ。
身に覚えがあり過ぎるが故に疲労感でさえ一瞬に吹き飛んだが、長きに渡り「元老院の旗頭」を務めた肝の据わりは伊達で無く、それと知らぬ一同が、
「次から次へといったい、どう言う事なのだぁ?!」
「真なる黒幕とはぁ?!」
「この上、まだ何事かあると言うのかぁ?!」
「天世はいったい、どうしてしまったのだぁ?!」
動揺を隠せない中にあって、表面上は動じた様子も見せず、
「チョウカイ殿よ、ヌシは何を根拠に、斯(か)くも皆の不安を煽るのだ?」
戯言(たわごと)とでも言わんばかり、
「そもそも誰が「真なる黒幕」と、貴殿は言うのか?」
半笑いまで浮かべた。
無論、内なる不安を打ち消す為の、マッチポンプ的強気発言であるが。
しかしチョウカイは、彼の挑発染みた物言いに反発する風も無く、
「ではその答え「私から」ではなく、「ある者の口」から直接に語ってもらいましょう」
((((((((((ある者?))))))))))
首を傾げる議場内一同の一方で、
(まっ、まさかぁ……)
強気発言で押さえつけた筈の不安が、再び顔を覗かせるコマクサ。
最悪の人物の顔が、反射的に頭に浮かんでしまったから。
そんな彼の心の内を彼女は知ってか知らずか変わらぬ平静で、閉ざされた両開き扉の奥に向かって、
パンパン!
手を短く打ち鳴らし、
『彼(か)の者を、お連れなさい』
落ち着いた口調で何者かに命じ、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
議場内の誰もが固唾を呑んで見守る中、扉が観音開きにスッと開き、黒装束の近衛二名が先行して姿を現すと、続けて二名の近衛に両脇を押さえられた人物の姿に、
(ッ!!!)
コマクサは内心で激しく愕然とした。
その人物とは、地世の七草の「フリンジ」。
最悪を想像した人物が、最悪な場所に、最悪の形で姿を現したのである。
(ばっ、馬鹿なぁあぁ!? ヤツはぁ何故にぃ捕縛などされているのだあぁ!)
胸の内の動揺は、今にも卒倒しそうなほどの勢いで逆巻き、
「…………」
語るべき言葉が出ない、見つからない。
上半身を拘束具で固定されたフリンジが、近衛によって証言台の前に連行される中、
「あ、あれは誰だぁ?」
「何者なのだぁ?」
「見た事が無いぞぉ?」
「何故に拘束具を施されているのだぁ?」
サワサワと騒めく御歴歴一同と、ラディッシュ達。
彼が何者であるのかを、嫌と言うほど知るコマクサを除き。
少々お疲れ気味な御様子を見せる、御歴歴一同。
長きに渡り安穏とした日々を送って来た天世において、イレギュラーな出来事が立て続けに、目紛るしく起きては止むを得ないとも言えるが、悪しき秘め事を内に抱えたコマクサなら尚更。
元老院の旗頭としてのプレッシャーを撥ね退け、現在まで勤め上げて来た彼でも、流石に精神的疲労が否めず、
(つ、疲れたわい……藪蛇(やぶへび)になる前に、早々お開きにせねば……)
ため息と共に閉会を告げようとしたが、
『もう少しお付き合いいただけますか、コマクサ殿』
(?!)
チョウカイが恭しくそれを制し、
「そして皆様方も」
議場内の面々をも見回し、
(まだ何かあると言うのかぁ……)
露骨な疲れ顔を見せるコマクサ。
同様に疲れた顔を見せる御歴歴一同の気持ちを代弁するが如く、
「チョウカイ殿よぉ、まだ何かあると言うのかぁ?」
呆れをも滲ませたが、彼女は気にする風も無く粛々と、
「実はこの件、未だ「全の決着」を見てはおりません。裏から全てを操る「真なる黒幕の存在」があるのです」
「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」
「ハイマツ殿や関わった者どもなど、その傀儡にすぎません」
「「「「「「「「「「なんとぉ!」」」」」」」」」」
驚きを見せる御歴歴の面々と、
(!!!)
驚愕を内心に、辛うじて留めるコマクサ。
身に覚えがあり過ぎるが故に疲労感でさえ一瞬に吹き飛んだが、長きに渡り「元老院の旗頭」を務めた肝の据わりは伊達で無く、それと知らぬ一同が、
「次から次へといったい、どう言う事なのだぁ?!」
「真なる黒幕とはぁ?!」
「この上、まだ何事かあると言うのかぁ?!」
「天世はいったい、どうしてしまったのだぁ?!」
動揺を隠せない中にあって、表面上は動じた様子も見せず、
「チョウカイ殿よ、ヌシは何を根拠に、斯(か)くも皆の不安を煽るのだ?」
戯言(たわごと)とでも言わんばかり、
「そもそも誰が「真なる黒幕」と、貴殿は言うのか?」
半笑いまで浮かべた。
無論、内なる不安を打ち消す為の、マッチポンプ的強気発言であるが。
しかしチョウカイは、彼の挑発染みた物言いに反発する風も無く、
「ではその答え「私から」ではなく、「ある者の口」から直接に語ってもらいましょう」
((((((((((ある者?))))))))))
首を傾げる議場内一同の一方で、
(まっ、まさかぁ……)
強気発言で押さえつけた筈の不安が、再び顔を覗かせるコマクサ。
最悪の人物の顔が、反射的に頭に浮かんでしまったから。
そんな彼の心の内を彼女は知ってか知らずか変わらぬ平静で、閉ざされた両開き扉の奥に向かって、
パンパン!
手を短く打ち鳴らし、
『彼(か)の者を、お連れなさい』
落ち着いた口調で何者かに命じ、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
議場内の誰もが固唾を呑んで見守る中、扉が観音開きにスッと開き、黒装束の近衛二名が先行して姿を現すと、続けて二名の近衛に両脇を押さえられた人物の姿に、
(ッ!!!)
コマクサは内心で激しく愕然とした。
その人物とは、地世の七草の「フリンジ」。
最悪を想像した人物が、最悪な場所に、最悪の形で姿を現したのである。
(ばっ、馬鹿なぁあぁ!? ヤツはぁ何故にぃ捕縛などされているのだあぁ!)
胸の内の動揺は、今にも卒倒しそうなほどの勢いで逆巻き、
「…………」
語るべき言葉が出ない、見つからない。
上半身を拘束具で固定されたフリンジが、近衛によって証言台の前に連行される中、
「あ、あれは誰だぁ?」
「何者なのだぁ?」
「見た事が無いぞぉ?」
「何故に拘束具を施されているのだぁ?」
サワサワと騒めく御歴歴一同と、ラディッシュ達。
彼が何者であるのかを、嫌と言うほど知るコマクサを除き。
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