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第五章
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やがてフリンジが証言台の前に立たされるや否や、チョウカイは議場に集まった一同に講演する主役が如く両腕を大きく広げ、
「この者は天世に侵入した、」
((((((((((侵入した?!))))))))))
持って回った口振りで、議場内の視線を十分に集めてから、
『地世の七草の一人です!』
『『『『『『『『『『なんとぉ!!!』』』』』』』』』』
驚嘆は元老院の御歴歴に留まらず、ラディッシュ達も。
天世における「地世のチカラ」は衛生局が常に監視の目を光らせ、ましてや地世人の侵入など有り得ぬ筈であったから。
そして親衛隊隊長であるスパイダマグも、別の意味でも驚きを隠せなかった。
(何故に「天宮の守護職」である我らに、その知らせが来ていない!!!?)
不信に近い強い疑問が。
しかしチョウカイは彼の疑問を顧みる素振りも見せず、フリンジの傍らに静々と立ち、
「お聞きしますフリンジさん。貴方を手引きした者は、」
問い掛けは途中であったが、
『地世の者の証言など当てに出来るモノかぁあぁ!!!』
何者かが興奮気味な声を張り上げ、話を遮った。
集まる視線。
その先に居たのは、顔を真っ赤に、血相を変えたコマクサ。
叫んでなお興奮冷めやらぬ様子で、肩で息を切らしていたが、彼がした行為は完全なる馬脚。
例え証言が「当てに出来ない物」だったとしても相手は三下ではなく、魔王軍の大幹部と言える「地世の七草の一人」。
証言には一聴(いっちょう)の価値があり、それを頭ごなしに打ち切った彼の行為には、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
人々が違和感を覚えるに十分であった。
異様に静まる議場内と、集まる視線にコマクサは、
(しっ、しまったぁあぁぁあぁ!)
堪らず声を上げてしまったのを今更ながらに後悔したが、後の祭り。
自業自得な失態に両眼は血走り顔面蒼白、滝のような脂汗を多量に垂れ流し、誰の眼にも分かる狼狽を露わにすると、そんな彼の無残な姿を目の当たりにしたフリンジは、口元に微かな嘲りを浮かべ、
「語るに落ちるとは正にこの事ですね、コマクサ殿」
思わせ振りな物言いに、
『やっ、やめっ、止めぇっ!』
コマクサは議長席から駆け出しそうな勢いで身を乗り出したが、フリンジは証言を留める様子も見せず、
「当方の手引きをしたのは、」
『止めれぇええぇっぇぇえっぇえっぇぇえっぇぇぇえぇぇ!!!』
「コマクサ殿ですよぉ」
絶叫の中、蛇足とも言える暴露に、コマクサはショックのあまり膝から崩れ落ちた。
何故に「蛇足」と言えるのか。
それはコマクサの行動が、既に「誰が真なる黒幕であるか」を雄弁に物語っていたから。
それが理解出来ない程に、彼が動揺していたとも言えるが。
御歴歴一同は天世で最近起きた「異質な事件」の数々が、全てコマクサの手によるひと繋がりであると理解し、
『なぁんと言う恥知らずっ!』
一様に、怒りに打ち震え、
『旗頭の身にありながら我らを謀(たば)っていたのかぁ!』
『地世と共闘など天世人の風上にも置けぬ下郎がぁ!』
『恥を知れぇ! 恥を!』
止まぬ罵声の雨の中、コマクサは恥も外聞も忘れて頭を抱え縮こまった。
打ちひしがれる様子を見せる彼であったが、追及者チョウカイは手心を加える風も無く、
『天世に仇をなす罪人を捕えなさい!』
再び近衛隊に命じ、
(なっ?!)
親衛隊スパイダマグが疎外感を禁じ得ない中、彼らは「失意のコマクサ」を一瞬のうちに取り押さえ、
『先の者達と同様に、天法を封じる下層の牢へ投獄なさい!』
チョウカイの命に従い黙々と、足早に連行して行った。
異を唱える御歴歴は、一人も居ない。
(何故にチョウカイ様は「我ら親衛隊」にではなく、「素性の知れぬ近衛隊」などに!)
胸を衝く虚しさ。
天宮と天世を長く守護して来た自負があるだけに、納得できない強い思いがあった。
しかしその一方で、納得せざるを得ない理由も理解はしていた。
それは親衛隊が、コマクサの影響下にある組織であるから。
排斥の理由が分かるだけに、またそれ以前に「元老院の行い」に対し異議の申し立てなど許される立場でもなく、
(自分は至誠な部下たちに、合わせる顔が無い……)
一枚布で隠した素顔は、悔しさのあまり歪んでいた。
すると、長らく静観していた地世の七草フリンジが唐突に、
「それでは宴(えん)も酣(たけなわ)」
「「「「「「「「「「?」」」」」」」」」」
「当方、これにて御暇(おいとま)させていただきます」
「「「「「「「「「「なんとぉ?!」」」」」」」」」」
当然のような口振りでの「退廷宣言」に、意味が理解出ないチョウカイを始めとする御歴歴。
彼が居るのは敵陣のど真ん中であり、しかも上半身の動きは封じられた状態で、普通に考えれば「逃げる方策」など有りはしない。
((((((((((なっ、何をするつもりなのだぁ?!))))))))))
意図不明な言動に息を呑む中、
『勝手はさせない!』
立ちはだかったのは、天世の剣である天流護聖剣を構えるラディッシュを筆頭に、ドロプウォートたち勇者組。
「この者は天世に侵入した、」
((((((((((侵入した?!))))))))))
持って回った口振りで、議場内の視線を十分に集めてから、
『地世の七草の一人です!』
『『『『『『『『『『なんとぉ!!!』』』』』』』』』』
驚嘆は元老院の御歴歴に留まらず、ラディッシュ達も。
天世における「地世のチカラ」は衛生局が常に監視の目を光らせ、ましてや地世人の侵入など有り得ぬ筈であったから。
そして親衛隊隊長であるスパイダマグも、別の意味でも驚きを隠せなかった。
(何故に「天宮の守護職」である我らに、その知らせが来ていない!!!?)
不信に近い強い疑問が。
しかしチョウカイは彼の疑問を顧みる素振りも見せず、フリンジの傍らに静々と立ち、
「お聞きしますフリンジさん。貴方を手引きした者は、」
問い掛けは途中であったが、
『地世の者の証言など当てに出来るモノかぁあぁ!!!』
何者かが興奮気味な声を張り上げ、話を遮った。
集まる視線。
その先に居たのは、顔を真っ赤に、血相を変えたコマクサ。
叫んでなお興奮冷めやらぬ様子で、肩で息を切らしていたが、彼がした行為は完全なる馬脚。
例え証言が「当てに出来ない物」だったとしても相手は三下ではなく、魔王軍の大幹部と言える「地世の七草の一人」。
証言には一聴(いっちょう)の価値があり、それを頭ごなしに打ち切った彼の行為には、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
人々が違和感を覚えるに十分であった。
異様に静まる議場内と、集まる視線にコマクサは、
(しっ、しまったぁあぁぁあぁ!)
堪らず声を上げてしまったのを今更ながらに後悔したが、後の祭り。
自業自得な失態に両眼は血走り顔面蒼白、滝のような脂汗を多量に垂れ流し、誰の眼にも分かる狼狽を露わにすると、そんな彼の無残な姿を目の当たりにしたフリンジは、口元に微かな嘲りを浮かべ、
「語るに落ちるとは正にこの事ですね、コマクサ殿」
思わせ振りな物言いに、
『やっ、やめっ、止めぇっ!』
コマクサは議長席から駆け出しそうな勢いで身を乗り出したが、フリンジは証言を留める様子も見せず、
「当方の手引きをしたのは、」
『止めれぇええぇっぇぇえっぇえっぇぇえっぇぇぇえぇぇ!!!』
「コマクサ殿ですよぉ」
絶叫の中、蛇足とも言える暴露に、コマクサはショックのあまり膝から崩れ落ちた。
何故に「蛇足」と言えるのか。
それはコマクサの行動が、既に「誰が真なる黒幕であるか」を雄弁に物語っていたから。
それが理解出来ない程に、彼が動揺していたとも言えるが。
御歴歴一同は天世で最近起きた「異質な事件」の数々が、全てコマクサの手によるひと繋がりであると理解し、
『なぁんと言う恥知らずっ!』
一様に、怒りに打ち震え、
『旗頭の身にありながら我らを謀(たば)っていたのかぁ!』
『地世と共闘など天世人の風上にも置けぬ下郎がぁ!』
『恥を知れぇ! 恥を!』
止まぬ罵声の雨の中、コマクサは恥も外聞も忘れて頭を抱え縮こまった。
打ちひしがれる様子を見せる彼であったが、追及者チョウカイは手心を加える風も無く、
『天世に仇をなす罪人を捕えなさい!』
再び近衛隊に命じ、
(なっ?!)
親衛隊スパイダマグが疎外感を禁じ得ない中、彼らは「失意のコマクサ」を一瞬のうちに取り押さえ、
『先の者達と同様に、天法を封じる下層の牢へ投獄なさい!』
チョウカイの命に従い黙々と、足早に連行して行った。
異を唱える御歴歴は、一人も居ない。
(何故にチョウカイ様は「我ら親衛隊」にではなく、「素性の知れぬ近衛隊」などに!)
胸を衝く虚しさ。
天宮と天世を長く守護して来た自負があるだけに、納得できない強い思いがあった。
しかしその一方で、納得せざるを得ない理由も理解はしていた。
それは親衛隊が、コマクサの影響下にある組織であるから。
排斥の理由が分かるだけに、またそれ以前に「元老院の行い」に対し異議の申し立てなど許される立場でもなく、
(自分は至誠な部下たちに、合わせる顔が無い……)
一枚布で隠した素顔は、悔しさのあまり歪んでいた。
すると、長らく静観していた地世の七草フリンジが唐突に、
「それでは宴(えん)も酣(たけなわ)」
「「「「「「「「「「?」」」」」」」」」」
「当方、これにて御暇(おいとま)させていただきます」
「「「「「「「「「「なんとぉ?!」」」」」」」」」」
当然のような口振りでの「退廷宣言」に、意味が理解出ないチョウカイを始めとする御歴歴。
彼が居るのは敵陣のど真ん中であり、しかも上半身の動きは封じられた状態で、普通に考えれば「逃げる方策」など有りはしない。
((((((((((なっ、何をするつもりなのだぁ?!))))))))))
意図不明な言動に息を呑む中、
『勝手はさせない!』
立ちはだかったのは、天世の剣である天流護聖剣を構えるラディッシュを筆頭に、ドロプウォートたち勇者組。
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