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第六章
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清々しいほどの容赦のない踏み込みに、カルニヴァ王も不快を覚えた様子は無く、
「まぁそんなトコだぁ」
軽やかに笑うと、
(!)
彼女は何か思い至り、真顔で、
「ソイツは「王族としての務め」の事かぁい?」
「はっきりと言ってくれる、裏表もなく。流石は勇者殿と行動を共にするオナゴだな」
感嘆するも、
「「王族としての務め?」」
またもピンと来ない様子を見せたのは、庶民男子の二人。
指示詞ばかりが飛び交う会話に困惑顔をしたが、イリスはそんな二人を置き去りに、
「アンタにも、いつかぶつかる問題さぁね」
視線を向けた相手は、ドロプウォート。
ハッとした顔を見せる彼女に、ニプルウォートとカドウィードが掛ける言葉を探しあぐねる素振りを見せ、話に置き去り男子二人が、
「「???」」
更なる不思議顔を見合わせると、
『鈍い二人さぁねぇ~』
堪り兼ねたイリスが呆れ顔して、
「後継者問題、跡継ぎの話さねぇ! 今のあの娘の精神年齢はチィ坊と同じ。幼小に戻っちまったあの娘と、子作りする訳にはいかないだろぅさねぇ。そいつは犯罪行為さねぇ、事案になっちまう」
((こっ、子作りぃ?!!!))
やっと気付きを見せたが、それでも「この世界の常識」とは無縁だったラディッシュにとって、直感的に違和感を抱くに十分な話であり、
「血筋って、そんなに大事なモノなの? 王様になれるだけの「才ある人」が王様になるのじゃダメなの?」
優しさから異を唱えると、今度はターナップが、
「そじゃぁ駄目なんスよぉ、ラディの兄貴」
「え?」
「兄貴の居た世界じゃぁどうなのか、オレにぁ分かんねぇっスけど、この世界のオレ等にとっちゃぁ「王族の血筋」は、その土地に産まれたモンにとって拠り所なんス。ソイツが途絶えるって事ぁ国が滅ぶと同意で、いつ他国から攻め込まれて暮らしを蹂躙されるか分かんねぇって事なんスよ」
「そんな……じゃあ「ドロプも」って?!」
心の一部を裂かれる思いでドロプウォートを見たが、
「…………」
彼女はうつむき黙したまま。
その「口に出来ない想い」を代弁するが如く、
『分かり切った事さぁねぇ』
話に割って入ったのは、イリス。
「貴族の家てのぁ家臣や雇人が何十と居る。ましてやぁコイツは大国エルブの四大さねぇ。後継者不在で御家が取り潰しにでもなりゃぁ路頭に迷う人間が、百や二百で済まないのさぁねぇ」
「そ、それならドロプもいつか……」
「おぅさねぇ。弟でも生まれないかぎり、いつか婿取りして子を作る事になるのさねぇ」
「「「「「「…………」」」」」」
暗く、沈んだ空気になるラディッシュ達。
いつまでも共にあると思った仲間との、明日やも知れぬ別れの可能性に。
すっきりと晴れ渡った青空と相反する、仲間たちの曇天模様に、
(ちぃ~と釘を刺し過ぎちまったかねぇ……)
少し後悔を覚えるイリスは、
(アタシぁ自分の事ぁ棚に上げてさぁ……)
人知れず、自嘲気味にフッと小さく息を吐き、
「まぁ四大つっても、コイツぁ王族じゃなく貴族さぁねぇ。最悪、養子でも取って家督を継がせれりゃ問題無し。国が滅ぶ事もぁ元からナイ話さねぇ♪」
フォローのつもりで冗談めかして笑って見せたが、
「「「「「「「…………」」」」」」」
ラディッシュ達の気持ちは晴れなかった。
ドロプウォートの家の「家督」と「家臣の生活」はそれで守られたとしても、カルニヴァ王とウトリクラリアの問題は、何ら解決を見ていないから。
「まぁそんなトコだぁ」
軽やかに笑うと、
(!)
彼女は何か思い至り、真顔で、
「ソイツは「王族としての務め」の事かぁい?」
「はっきりと言ってくれる、裏表もなく。流石は勇者殿と行動を共にするオナゴだな」
感嘆するも、
「「王族としての務め?」」
またもピンと来ない様子を見せたのは、庶民男子の二人。
指示詞ばかりが飛び交う会話に困惑顔をしたが、イリスはそんな二人を置き去りに、
「アンタにも、いつかぶつかる問題さぁね」
視線を向けた相手は、ドロプウォート。
ハッとした顔を見せる彼女に、ニプルウォートとカドウィードが掛ける言葉を探しあぐねる素振りを見せ、話に置き去り男子二人が、
「「???」」
更なる不思議顔を見合わせると、
『鈍い二人さぁねぇ~』
堪り兼ねたイリスが呆れ顔して、
「後継者問題、跡継ぎの話さねぇ! 今のあの娘の精神年齢はチィ坊と同じ。幼小に戻っちまったあの娘と、子作りする訳にはいかないだろぅさねぇ。そいつは犯罪行為さねぇ、事案になっちまう」
((こっ、子作りぃ?!!!))
やっと気付きを見せたが、それでも「この世界の常識」とは無縁だったラディッシュにとって、直感的に違和感を抱くに十分な話であり、
「血筋って、そんなに大事なモノなの? 王様になれるだけの「才ある人」が王様になるのじゃダメなの?」
優しさから異を唱えると、今度はターナップが、
「そじゃぁ駄目なんスよぉ、ラディの兄貴」
「え?」
「兄貴の居た世界じゃぁどうなのか、オレにぁ分かんねぇっスけど、この世界のオレ等にとっちゃぁ「王族の血筋」は、その土地に産まれたモンにとって拠り所なんス。ソイツが途絶えるって事ぁ国が滅ぶと同意で、いつ他国から攻め込まれて暮らしを蹂躙されるか分かんねぇって事なんスよ」
「そんな……じゃあ「ドロプも」って?!」
心の一部を裂かれる思いでドロプウォートを見たが、
「…………」
彼女はうつむき黙したまま。
その「口に出来ない想い」を代弁するが如く、
『分かり切った事さぁねぇ』
話に割って入ったのは、イリス。
「貴族の家てのぁ家臣や雇人が何十と居る。ましてやぁコイツは大国エルブの四大さねぇ。後継者不在で御家が取り潰しにでもなりゃぁ路頭に迷う人間が、百や二百で済まないのさぁねぇ」
「そ、それならドロプもいつか……」
「おぅさねぇ。弟でも生まれないかぎり、いつか婿取りして子を作る事になるのさねぇ」
「「「「「「…………」」」」」」
暗く、沈んだ空気になるラディッシュ達。
いつまでも共にあると思った仲間との、明日やも知れぬ別れの可能性に。
すっきりと晴れ渡った青空と相反する、仲間たちの曇天模様に、
(ちぃ~と釘を刺し過ぎちまったかねぇ……)
少し後悔を覚えるイリスは、
(アタシぁ自分の事ぁ棚に上げてさぁ……)
人知れず、自嘲気味にフッと小さく息を吐き、
「まぁ四大つっても、コイツぁ王族じゃなく貴族さぁねぇ。最悪、養子でも取って家督を継がせれりゃ問題無し。国が滅ぶ事もぁ元からナイ話さねぇ♪」
フォローのつもりで冗談めかして笑って見せたが、
「「「「「「「…………」」」」」」」
ラディッシュ達の気持ちは晴れなかった。
ドロプウォートの家の「家督」と「家臣の生活」はそれで守られたとしても、カルニヴァ王とウトリクラリアの問題は、何ら解決を見ていないから。
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