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第七章
7-25
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それから程なく――
思わず笑ってしまいそうになる程の必死の形相で、
『走ってぇ走ってぇえぇぇえぇぇえぇ!!!』
手綱で鞭打つ御者台のラディッシュ。
馬車を猛スピードで走らせ、両隣に座るドロプウォートとニプルウォートも振り落とされないよう、縁に必死に掴まり後方を見遣(みや)り、
『おっ、追い着かれてしまいますですわぁあぁラディぃぃいいぃぃ!』
『じょっ、冗談じゃないさぁあぁ! 何なんだいアノ化け物どもぁあぁぁぁあぁ!』
勇者一行は見るから狂暴そうな「汚染獣の群れ」から逃走の真っ最中。
『そんなことぉ僕に言われても分かんないよぉ! 浄化の利かない「凶暴な汚染獣」が居るなんてぇ聞いたこと無いよぉぉおおおおぉ!』
ひたすらに逃げていた。
すると背を向け逃げるばかりの現状に、
(埒が明かないさぁ!)
負けず嫌いのニプルウォートが小さく舌打ち、
「ウチは行くよラディ! アンタには悪いけど浄化で助けられない以上、ヤツ等のエサになる気は無いさぁ!」
それは「殺処分」しか現状を打破する手段が無いのを意味し、志願を口にした彼女にラディッシュは、
「…………」
手綱を懸命に捌きながら唇をギュッと噛み締め、
「ごめんニプル……嫌な役回りを君に……」
絞り出す声に、
『気にしなさんなぁラディ♪』
彼女はあえて明るく軽やかに、
「生きる為さぁ♪ 死んじまったらぁ「何も成し遂げられない」さぁ♪」
『でしたら私も!』
ドロプウォートも咄嗟に声を上げたが、彼女は笑って首を横に振り、
「こう言うのはウチの仕事なのさぁ♪」
猛スピードで駆ける馬車から有無を言わせず飛び降り、
『『ニプルーーーッ!』』
瞬く間に遠ざかる二人の声を背に、空中で両眼をギラリと光らせ、
≪天世より授かりし恩恵を以て我らは戦う!≫
その身を白銀の輝きに包み、ラディッシュが馬車を方向転換させ戻った時には、
「「「「「「…………」」」」」」
彼女は、死屍累々たる汚染獣の屍の山の中でうつむき、
「…………」
ただ、佇んでいた。
悲しみを押し殺すように。
馬車の停車を待たず、
『ニプルぅ!』
即座に飛び降りる、ドロプウォート。
汚染獣の多量の血でぬかるむ地面を懸命に駆け、血まみれの彼女に涙ながらに抱き付くと、ニプルウォートは表情こそ笑顔でありながら、
「救えてた命を救えなくなるってのぁ……存外、骨身に堪えるモンさねぇ……」
唇を微かに震わせていて、
「ありがとう……そして……ごめんなさい……」
すると彼女は小さくふっと笑って、
「なんで謝る……ウチにはぁコレ(殺し)しか取り柄が無いからさぁ、」
『そんな事はないよ!』
ラディッシュの至誠な声が。
「…………」
いざなわれるように、ゆっくり振り向くと、
(!)
ラディッシュや仲間たちも馬車から降りて血の池に立っていて、
『僕達も背負うから!』
失意を窺わせる彼女に「自分達も同罪である」と、体現して見せた。
思わず笑ってしまいそうになる程の必死の形相で、
『走ってぇ走ってぇえぇぇえぇぇえぇ!!!』
手綱で鞭打つ御者台のラディッシュ。
馬車を猛スピードで走らせ、両隣に座るドロプウォートとニプルウォートも振り落とされないよう、縁に必死に掴まり後方を見遣(みや)り、
『おっ、追い着かれてしまいますですわぁあぁラディぃぃいいぃぃ!』
『じょっ、冗談じゃないさぁあぁ! 何なんだいアノ化け物どもぁあぁぁぁあぁ!』
勇者一行は見るから狂暴そうな「汚染獣の群れ」から逃走の真っ最中。
『そんなことぉ僕に言われても分かんないよぉ! 浄化の利かない「凶暴な汚染獣」が居るなんてぇ聞いたこと無いよぉぉおおおおぉ!』
ひたすらに逃げていた。
すると背を向け逃げるばかりの現状に、
(埒が明かないさぁ!)
負けず嫌いのニプルウォートが小さく舌打ち、
「ウチは行くよラディ! アンタには悪いけど浄化で助けられない以上、ヤツ等のエサになる気は無いさぁ!」
それは「殺処分」しか現状を打破する手段が無いのを意味し、志願を口にした彼女にラディッシュは、
「…………」
手綱を懸命に捌きながら唇をギュッと噛み締め、
「ごめんニプル……嫌な役回りを君に……」
絞り出す声に、
『気にしなさんなぁラディ♪』
彼女はあえて明るく軽やかに、
「生きる為さぁ♪ 死んじまったらぁ「何も成し遂げられない」さぁ♪」
『でしたら私も!』
ドロプウォートも咄嗟に声を上げたが、彼女は笑って首を横に振り、
「こう言うのはウチの仕事なのさぁ♪」
猛スピードで駆ける馬車から有無を言わせず飛び降り、
『『ニプルーーーッ!』』
瞬く間に遠ざかる二人の声を背に、空中で両眼をギラリと光らせ、
≪天世より授かりし恩恵を以て我らは戦う!≫
その身を白銀の輝きに包み、ラディッシュが馬車を方向転換させ戻った時には、
「「「「「「…………」」」」」」
彼女は、死屍累々たる汚染獣の屍の山の中でうつむき、
「…………」
ただ、佇んでいた。
悲しみを押し殺すように。
馬車の停車を待たず、
『ニプルぅ!』
即座に飛び降りる、ドロプウォート。
汚染獣の多量の血でぬかるむ地面を懸命に駆け、血まみれの彼女に涙ながらに抱き付くと、ニプルウォートは表情こそ笑顔でありながら、
「救えてた命を救えなくなるってのぁ……存外、骨身に堪えるモンさねぇ……」
唇を微かに震わせていて、
「ありがとう……そして……ごめんなさい……」
すると彼女は小さくふっと笑って、
「なんで謝る……ウチにはぁコレ(殺し)しか取り柄が無いからさぁ、」
『そんな事はないよ!』
ラディッシュの至誠な声が。
「…………」
いざなわれるように、ゆっくり振り向くと、
(!)
ラディッシュや仲間たちも馬車から降りて血の池に立っていて、
『僕達も背負うから!』
失意を窺わせる彼女に「自分達も同罪である」と、体現して見せた。
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