ステ振り間違えた落第番号勇者と一騎当千箱入りブリュンヒルデの物語

青木 森

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第八章

8-51

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 帰国の途に就くラディッシュ達――

 当初の目的通り、パラジット国における首都パラジクスに起きた惨劇を天世の三人に見てもらった勇者組は、安らぎの地であるターナップの村を目指した。

 道中、平穏無事に過ごせた筈も無く「行き」と同様に、リンドウの暴走、ゴゼンの迷惑行為に、ヒレンの激怒やニプルウォート、カドウィードの悪ふざけなど、盛り沢山の末、

『『『『『『『『『『お帰りなさい勇者様方ぁ~♪ 天世様方ぁ~♪』』』』』』』』』』

 ターナップの村の人々に大歓待をも以て迎えられた。
 村を上げての盛大な帰着祝い。
 各々酒の入ったジョッキを手に、上を下への大宴会であったが、

『天世のアーシたちの方がぁ二番目なワケぇしぃ?!』

 出迎え時の声が、少々腑に落ちないリンドウとヒレン。
 その一方で宴会と聞けば真っ先に「ウェィ♪ ウェイ♪」と大ハシャギしそうな人物の姿が、そこには無かった。

 言わずもがな、お祭り男のゴゼン。

 リンドウは宴会を楽しみながらも、アルブル国南の関所を目前に控えた日を、
(あのぉ馬鹿ぁ……)
 寂しげに思い返した。
 何の前触れも無く唐突に、

《見聞きした話を天世の同志たちに、そろそろ伝えないとだョねぇ♪》

 言い出す、ゴゼン。
 驚くラディッシュ達を前に、彼はエルブ国王都エルブレスにある「王城のゲート」を使って、天世への帰還を口にした。
元老院の手による危険が待ち受けているのを承知の上で。

『それならぁアーシが行くのしぃ!』

 名乗りを上げるリンドウ。
 心情的な部分から出た言葉なだけでは無く、戦闘能力的な部分に加え、話の説得力も考慮しての名乗りであったが、

「それはダメっしょぉ♪」

 彼はヘラっと笑って却下し、

「革命の象徴のリンドウちゅぁんに何かあったらぁ、それこそ総崩れだョん♪」
『ならアタシが!』

 ナンバー3的ポジションのヒレンも声を上げたが、ゴゼンは笑いながら首を横に振り、
「副官の俺が行くべき所っしョ♪ 頭と二番が、いつまでも組織を留守にする訳にはいかないョん♪」
 ユルイ笑顔ながらも頑なに堅持。

「「…………」」

 不安が顔に思わず出てしまっている様子の天世の女子二人に、彼は「ニッ」と笑って見せながら、

「それにさぁ♪ たまには俺にも「男の子」させてョん♪ 惚れ直しちゃうかもョん♪」
『『誰が(しぃ・かぁ)!』』

 誘惑するようなウインクに悪寒を背筋に即で反応、

「「いっぺん死んで(来るしぃ・来い)女タラシぃ!」」

 真顔でツッコミを入れ、通常運転に戻った二人にケラケラと笑うゴゼンと、苦笑するラディッシュたち勇者組であった。
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