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第九章
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巨大な両翼で激しい風を巻き起こしながら空中停止飛行する白き火の鳥――
赤が僅かに混じる白き火の鳥ドロプウォートは、単なる「中世の勇者」と化してしまったラディッシュを見下ろし、
{貴方の中に残るチカラも喰らい尽くしますわ!}
(らぁっ、ラミィの全てが奪われるぅうぅ!)
強烈な、絶対的存在感を放つ彼女を前に、怯えを露にした。
勇者らしからぬ「腰が引けた怯え」ではあったが、それは異形の見た目に恐怖しただけではない。
怪鳥の白き炎は、強大な「百人の天世人のチカラ」が凝縮され、形を成した表れであり、ラミウムから受け継いだチカラのほとんどを奪われたのを意味し、今の二人のチカラの差は、
《業火と種火》
今まで敵に向けて来たチカラを自身に向けられ、彼は初めて知る、
(こぉ、こんなのにぃ勝てる筈が無いよぉおぉ!)
性来(せいらい)の臆病が首をもたげ逃げ出そうとしたが、
(!?)
足は「逃げ」を止めた。
思考に反し。
(なんで?!)
引き留めた原動力は、胸の奥に僅かに残された熱さ。
それは温かくもあり、
《強くなりぃなやぁ、ラディ》
パトリニアと死闘を繰り広げたラミウムが、彼に最期に遺した言葉。
(そうだ……僕は負けられないんだ!)
逃げに染まっていた目の色を変え、
(ラミィに託されたチカラを奪われる訳にはいかないし! ラミィが守った世界を僕は滅ぼしたりもしない!)
白き火の鳥ドロプウォートを見上げ睨み、
《我がチカラァ! 内なる天世のチカラを以て我は戦う!》
天法の前小節をチカラ強く叫び、
『クゥルガラァアァァーーーーーーッ!』
彼もまた、火の鳥の姿と化した。
残された勇気とチカラを振り絞り。
しかしその炎の色は、
《赤き炎を基調に、白き炎が僅かに混じる》
天世のチカラが弱まり、「百人の勇者のチカラ」が辛うじて下支えしているのを如実に表していた。
対峙する二柱の火の鳥であったが、天法の力量差は姿からも一目瞭然。
白き火の鳥ドロプウォートは威圧するように両翼を大きく羽ばたかせ、
{逃げ出さなかった事は褒めて差し上げますわ}
悠然と語りながらも、
{ですが!}
両眼をギラリと光らせ、
{如何ともし難い力量差を、どう埋めるつもり、}
{結果なんてぇやってみないと分かんないでしょ!}
{!}
赤き火の鳥ラディッシュも、怯むことなく返す。
{{…………}}
しばし対峙する二柱の火の鳥であったが、神速とでも呼ぶべき速さで、
ゴォゴォウウウッ!
衝撃を地上に残して同時に舞い上がり、青空の彼方へ。
勢いそのままもつれ合い、ぶつかり合い、激しい衝撃波を幾度も生み出し合いながら、青の空のキャンバスに赤と白の複雑な光跡を描いていく。
とは言え厳密には、火の鳥同士が戦っている訳ではない。
あくまで火の鳥は二人の有するチカラが具現化した物に過ぎず、飛翔の天技が形となって現れた物であり、実態は、
『ラディイーーーッ!!!』
『ドロプゥウーーーッ!!!』
刀と双刀を振るい合う人間同士の斬り合い、一騎打ち。
二人が剣を鋭く交差させるたびに交わる、赤と白の火の鳥。
赤が僅かに混じる白き火の鳥ドロプウォートは、単なる「中世の勇者」と化してしまったラディッシュを見下ろし、
{貴方の中に残るチカラも喰らい尽くしますわ!}
(らぁっ、ラミィの全てが奪われるぅうぅ!)
強烈な、絶対的存在感を放つ彼女を前に、怯えを露にした。
勇者らしからぬ「腰が引けた怯え」ではあったが、それは異形の見た目に恐怖しただけではない。
怪鳥の白き炎は、強大な「百人の天世人のチカラ」が凝縮され、形を成した表れであり、ラミウムから受け継いだチカラのほとんどを奪われたのを意味し、今の二人のチカラの差は、
《業火と種火》
今まで敵に向けて来たチカラを自身に向けられ、彼は初めて知る、
(こぉ、こんなのにぃ勝てる筈が無いよぉおぉ!)
性来(せいらい)の臆病が首をもたげ逃げ出そうとしたが、
(!?)
足は「逃げ」を止めた。
思考に反し。
(なんで?!)
引き留めた原動力は、胸の奥に僅かに残された熱さ。
それは温かくもあり、
《強くなりぃなやぁ、ラディ》
パトリニアと死闘を繰り広げたラミウムが、彼に最期に遺した言葉。
(そうだ……僕は負けられないんだ!)
逃げに染まっていた目の色を変え、
(ラミィに託されたチカラを奪われる訳にはいかないし! ラミィが守った世界を僕は滅ぼしたりもしない!)
白き火の鳥ドロプウォートを見上げ睨み、
《我がチカラァ! 内なる天世のチカラを以て我は戦う!》
天法の前小節をチカラ強く叫び、
『クゥルガラァアァァーーーーーーッ!』
彼もまた、火の鳥の姿と化した。
残された勇気とチカラを振り絞り。
しかしその炎の色は、
《赤き炎を基調に、白き炎が僅かに混じる》
天世のチカラが弱まり、「百人の勇者のチカラ」が辛うじて下支えしているのを如実に表していた。
対峙する二柱の火の鳥であったが、天法の力量差は姿からも一目瞭然。
白き火の鳥ドロプウォートは威圧するように両翼を大きく羽ばたかせ、
{逃げ出さなかった事は褒めて差し上げますわ}
悠然と語りながらも、
{ですが!}
両眼をギラリと光らせ、
{如何ともし難い力量差を、どう埋めるつもり、}
{結果なんてぇやってみないと分かんないでしょ!}
{!}
赤き火の鳥ラディッシュも、怯むことなく返す。
{{…………}}
しばし対峙する二柱の火の鳥であったが、神速とでも呼ぶべき速さで、
ゴォゴォウウウッ!
衝撃を地上に残して同時に舞い上がり、青空の彼方へ。
勢いそのままもつれ合い、ぶつかり合い、激しい衝撃波を幾度も生み出し合いながら、青の空のキャンバスに赤と白の複雑な光跡を描いていく。
とは言え厳密には、火の鳥同士が戦っている訳ではない。
あくまで火の鳥は二人の有するチカラが具現化した物に過ぎず、飛翔の天技が形となって現れた物であり、実態は、
『ラディイーーーッ!!!』
『ドロプゥウーーーッ!!!』
刀と双刀を振るい合う人間同士の斬り合い、一騎打ち。
二人が剣を鋭く交差させるたびに交わる、赤と白の火の鳥。
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